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マンブー撲滅論

「マンブー」とは

まんこ:女性器の俗称
ブースティング:ランク制度・スキルレートマッチング制度が導入されているゲームにおいてランクを上げる・上げてもらうこと

「マンブー」とは上記2つの言葉を掛け合わせた造語であり、「対象の女性プレイヤーが本来の実力に不相応なランク帯でプレイしていること」を侮蔑的な意味で表現する際に用いられる。

例)「あの女VTuber、エイムも立ち回りもゴミなのにランクはダイヤとかヤバすぎ。ただのマンブーだろ」

今日では、ランク制度が導入されているゲームタイトルの多くで"eSports"として競技性にフォーカスしたプロリーグやコミュニティ大会等が開催されるようになっている。

また、それらのゲームタイトルをプレイする女性プレイヤー・配信者の数も増えており、彼女らに対して配信サイトのコメント機能やX(旧Twitter)を通じて左記例文のような発言を見かけたことがある者も多いのではないだろうか。あるいは、当事者として「マンブー」と呼称された女性もいるかもしれない。

概要

本稿では「本来実力が当該のランクに満たないのに、『女性だから』という理由だけでちょっと強い男にチヤホヤされて、本来の実力に不相応な高ランク帯でプレイしている女性を撲滅するために、コミュニティに参画するプレイヤーはどのように振舞っていくべきか」について考察したい。

マンブーの起因

ここでは「高ランク帯に到達する実力がない(ように見える)にも関わらず、他のパーティーメンバーが強いため試合に連続で勝利した結果、高ランク帯に到達した女性プレイヤーA」を「マンブーである」と仮定して、なぜ女性プレイヤーAはマンブーに至った(ランクを上げてもらえた)のか、考えられる要素を列挙する。

かわいい

もしAがかわいい=魅力的な女性である場合、Aとゲームを一緒にプレイしたい男性プレイヤーの数が増加するため、必然的に「Aと一緒にゲームをプレイしたい高ランクの男性プレイヤー」が(より多く)現れる蓋然性も高まる。Kawaii is Justice. 結果としてマンブーが起こる可能性が考えられる。

また、「かわいい女の子と一緒に遊べる!」という興奮により、彼らのプレー及びその最中の報告・コミュニケーションの質が向上し、その結果試合結果にも良い影響がもたらされる可能性もあるだろう。

女性プレイヤーに男どもが群がっている

そもそも、世のFPSをプレイする男性プレイヤーは、女性プレイヤーに群がりすぎである。

筆者はVALORANTをプレイしており、X上でハイライト・キルクリップを掲載している方のポストに対してしばしば「いいね」をするのだが、その結果「おすすめ」のフィード内に女性プレイヤーの「フレンド募集してます」ポストが頻繁に流れるに至った。

そしてその「フレンド募集ポスト」には、いいねがめっちゃついてる。
「初心者でも一緒に遊んでくれるフレンドほしくてツイッター作りました。まだ始めたばかりで下手だけど、いろいろ教えてくれたり楽しく遊んだりできる人、いいねください」に40件いいね付いてるとかザラ。

「なんか知らんVALO女子のフレンド募集ツイートがお勧めに出てくる」という現象は「君みたいなVALORANTプレイヤーの多くは、VALO女のツイ募にいいねしてるわけだから、君もVALORANT女子がお好きでしょう?」とXのおすすめフィードを形成するアルゴリズムが判定しているために起こっている。

Xのアルゴリズムは非常に優秀である。筆者ももちろん「女の子とVALORANTして仲良くなりたい」と強く感じている。完全に見透かされている。

しかし、そうした投稿に「いいね」を付けてしまうと、FF内のフレンドに「そういう奴」だと認定され、結果的に自身が羞恥心を抱くことが明白であるため、持ち前の忍耐力を発揮して我慢している。筆者がもし長男でなかったとしたら、多分めっちゃいいね押してると思う。(2024年8月追記:現在はXで誰が「いいね」を押したかは当該ポストの発信者以外は確認できない仕様になっているため、気になる女の子がいたら「いいね」しても周囲にはバレないぞ!)

このように、そもそも「女の子とVALOしたい」「女の子とPEXしたい」と考えている男性プレイヤーは市場に数多溢れかえっており、群がる陰茎の母数が多ければ、当然ランクの高い陰茎の本数も増加するため、結果的にマンブーが起こっている可能性があるのだ。VALORANTはTinderか?

eSportsの「切り取ったシーンで主観的都合よく解釈されやすい」という側面

マウスとキーボード、コントローラー(ゲームパッド)、スマホ等のデバイスを用いて行われるeSportsには、「初心者でも一瞬はプロプレイヤーやランク猛者のようなプレーができる」という側面がある。

誰しもプロ並みのフリックエイムが出たときのクリップをツイートして、みんなにいいねしてほしいものである。

野球初心者が大谷翔平のようなホームランを打って剛速球を投げることは不可能だが、VALORANTでは「自分がLAZ氏のチェンバーよりも強くなった(と錯覚する)瞬間」が訪れることがあるのだ。

このことは一方で、「自分よりもランクが高い女性プレイヤーAがミスをした時」にその瞬間だけを切り取って「Aは下手だ。ランク不相応だ。マンブーだ」と都合よく解釈されやすい側面があるとも言える。

ランク帯が違えば当然相手のエイムもキャラコンも質が違うし、経験の長いプロのFPSプレイヤーでさえエイムがガバってしまうことがあるのは当たり前なのだが、一瞬を切り取って「マンブー」と判断してしまうような者は、その辺りの思慮などできるはずもない。

「今ピークしてきた敵を倒すのなんてゴールドの俺でもできるのに、撃ち負けたAはダイヤの実力なんてあるわけがない」という思考に至り、「こいつはマンブーだ」というレッテルを貼り、コメントやツイートでピーピー喚く。

プロ選手の大会でのプレーに対して配信上のコメントやツイートで批判を展開する者を見かける読者も多いと思うが、eSportsのこうした「(実際には状況も相手の強さも全く違うが)自分でもできる(と錯覚してしまう瞬間がたまにある)」という側面が、彼らの浅はかな言動に拍車を掛けている可能性は十分に考えられるだろう。

無自覚のチンデバフ

「他人をマンブー認定してしまうプレイヤー」は、左記の通り自己分析が全くできておらず、「自分は本当は今のランク帯よりも上に行ける実力があるのに、味方運が悪いから試合に勝てず、ランクが停滞している」と本気で思っている。

「最近の俺のコンペのキャリア真っ赤すぎてグロ画像wwww(人数有利に甘えた敵とエコ狩りで伸ばしたキルで取れた対戦MVP、チームMVPのスクショペタ~)」というツイートを何度見たことだろう。

そのため、自身のプレーが下手であることはもちろん、パーティーメンバーや野良でマッチングした味方に『チンデバフ』をもたらしていることも自覚できていないのである。

自分が撃ち負けてカバーが無かったらキレたり(そもそもカバー取れる位置で撃ち合ってないんだお前)、ミスしたチームメイトに「?」とチャットしたり、エイムが悪いのは感度が自分に合ってないせいにしたり、自分は一切壊そうとしないくせに味方がリコン壊さないことに文句言ったり、レイナで一生ラークしたり、ヨルピックしたり。(2024年8月追記:現環境ではヨルは競技シーンでも活躍しているので、ヨルピックしたって良い)

そもそもマンブーなんてなかったんだよ。君が「マンブー」と呼んだ下手な女性プレイヤーのランクが高くて、君が低ランクで停滞している原因は、自分自身のチンデバフにあったんだね。
下げランやめてもらっていいかな^^?

「ナイストライ」の一言や、自分がやりたいムーブの提案、負けたラウンドを味方のせいにしないで自分が次のラウンドでできる改善点を考えること、エイムを鍛え続けること。その積み重ねがラウンドの勝利とランクの上昇に繋がって、何よりVALORANTの面白さを見出すことになることを、今一度自分に言い聞かせるべし。

マンブーを撲滅しよう

下手な自分を客観視できないチンデバフのみんな、「マンブー」なんて侮蔑的・差別的な言葉を使うのはもうやめよう。チンデバフの君も、ゴールドスタックの私も、君がマンブー認定したVALORANT女子も、老若男女問わず大谷翔平になれる瞬間があるのがeSportsじゃないですか。

同じゲームが好きで、たまたま同じ試合でマッチングしたんだから、味方はもちろん、対戦相手にも、そして運営のRIOTにも敬意を払って、全力でVALORANTを楽しもう。

それでは次回は「日本鯖なんだから日本語使えなんて言うな。義務教育受けたんだったら英語ぐらい使え」です。

ggez

終わりに

「女いるからトロールします」なんて言う輩がいるし、それが理由で「マッチ中はボイチャ使わない」って女性の話も聞いたことがあるし、Tenz氏の婚約者のKyedae氏が同じようなこと言ってる切り抜きも見たことがあります。

日本で毎日発生している痴漢行為の多くが男性から女性に対して行われ、さまざまな対策が講じられるようになっている今日においてもなお撲滅には至っておらず、加害者は「職場でストレスがあった」などと言及します。

「マンブーなんて言っちゃう男はチー牛の童貞だ」とはよく言われますが、それには男の私も99.9%同意します。女性へのコンプレックスや日々のストレスを「自分より弱い(とみなした)対象」にぶつけている男性は、自分が思っている以上に多いのでしょう。

「マンブー」と呼ばれる現象の裏にスマーフ行為等があった場合は批判を受けても当然かもしれませんが、それでもわざわざ女性器の名称を使ったワードで「女性である」という部分をフォーカスする必要は無く、スマーフはスマーフとして糾弾すれば良いわけで。

「異性に対する無知やコンプレックスから攻撃的・差別的な言動を取ってしまう」ということ自体は中々変えることはできないでしょうし、痴漢をゼロにするのが難しいように、ゲーム内でも性差を理由に変な行動を起こす人物を完全に排除することは不可能でしょう。

ゲーム内で「女性であること」を理由にハラスメントを受けたという愚痴に対して「ボイチャもテキストチャットもミュートにできるんだから切れば良い」という話もよく出ますが、「痴漢されたくなかったらそれなりの服装を~」論争と少し似ているかもしれない。そもそも「女だ」という理由で攻撃的になる頭のおかしい男がいるということ自体の問題提起なんですけどね。

「女が女に対してマンブーって言ってる事例もあるだろ!」って言うような人も出てきそうですが、本質的なところは既に書いてるんだから自分で咀嚼してください。

私たちは人間ですからせめて「たとえ思ってたとしても(信条・思想は自由だからね)言わない・行動しない」「他人に敬意を払う」ということはできますし、その結果同じゲームを楽しむ仲間がもっと増えたらいいなと思ってnoteに記すことにしました。嘘です。VALORANTを女の子と一緒にヤりたかっただけです。チンブーしていただきたい。(2024年8月追記:現在は中学3年生、25歳、31歳の3人でOverwatch2をよくプレイしています。みんなOWやろうね)

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