新しい官能表現を考える会 #5
今回の検証語句
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甘い柔らかさを纏った女の唇が、名残惜しそうにペニスの表面を滑っていく。てらてらと光る唾液の線を皮膚に残し、それは湿ったキスのような音をたてて屹立を解放した。
「そんな早くちゃダメじゃない?」
そう発した口は、またすぐに私自身を包み込んだ。ざらついた舌が裏筋を擦り上げる感覚に思わず目を閉じる。いや、彼女の言うことはもっともだ。もっともではあるものの、とどまることを知らぬ新たな射精欲が疾風怒濤の勢いで私の下半身に迫りつつある。私は快楽に抗おうと、瞼の裏で”フランダースの犬”の最終回の光景を想起した。
パトラッシュ、お前ここを探してきてくれたんだね。分かったよ。お前はアッはぁっ!いつまでも僕と一緒だって、そう言って!いって!イッてぇぇぇ!く、くれてるんだねえええっへへぇぇぇぇ!あっ、あっ、あはぁっ、ありが、あははぁっ、ありがとう、パトラッシュッ!シュッ!ぼ、僕わぁ、見たんだよぉ、一番見たかったぁ、ルーベンスの2枚の絵ぇっ!?イイっ!イイ、イイ、イイ!あ、あ、あ、だからぁ!だからぁ!僕は今すご~く幸せなんだよおおおおおほほパトラッシュウウウゥウウ疲れたろっオホホホォォッ!僕も疲れたんだあ!なんだかああああぁぁとてもぉッ眠いんだああっ!あっ!あっ、アハッ、アハッ、アッ、あっ、パ、パッ、パァッ、パッ、パトッ、パトラッ!
シューッ!健闘むなしく、私はネロに先駆けて昇天した。ビクンという大きな痙攣をともなって勢いよく飛び出した精液は、長いストロークを一直線に飛んでいき、ついにストラックアウトの最後の一枚、8番の的を撃ち抜いたのだ。
そんな深夜のバッティングセンター。
結論
仮説の通り、上記の三語は一切の違和感なく官能表現として機能した。引き続き調査を続ける。
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