mono-lessの文体練習 #24【頭の体操】
本コーナーは、一つの短いストーリーをあらゆる異なる文体で書いていくコーナーです。加工前の原文はこちらの記事になります。
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24.頭の体操
チェーン店のファミリーレストランで発生した事件について、現場にいた5人が次のような証言をした。犯人はこの5人の中の1人である。犯人だけがウソをついており、その他の4人は本当のことを言っている。さて、犯人は誰か。
Aの証言
「昼飯時だったから店内は満席でした。窓際のテーブルには二十六歳くらいの男が座っていて、音楽フェスのTシャツを着ていましたね。DかEのどちらかが犯人です」
Bの証言
「そうよ。フェスT野郎は私が注文を復唱した後で追加のデザートを注文したの。ただ、私から見えるところにA、C、Dはずっといたから犯人じゃないわ。これだけは確かよ」
Cの証言
「ぼくがドリンクバーでふざけてたら、おかあさんに『のみものであそんじゃダメ』っておこられちゃった。それはともかく犯人はAはじゃないよ」
Dの証言
「アタシはずっとCと一緒にいましたからね。アタシもCも犯人じゃありませんよ。あとね、アタシ見たんですよ。Cに怒鳴って二十分後くらいかしら。あの派手なTシャツを着てる男がデザートにも手をつけないで、スマホをポチポチポチポチ。すかさずSNSで店名を検索したら、まあびっくり。あの男が投稿したらしい写真を見つけたの」
Eの証言
「その写真は私が恋人と食べたデザートだ。犯人はB、C、Dの中にいる」
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