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sketch 01

友だちに教えてもらって、久々にスタンバイしてドラマなぞを見た。余韻に浸ってソファでごろごろする。

別室で仕事の電話をしていた夫が、リビングに入ってきて言った。「あれ、もう終わったんだ。」普通1時間でドラマは終わるよ、と思いつつ、夫が家の中にいたことを忘れていたことに気づく。「あ、いたんだっけ」という感じ。

江國香織の小説で、夫が妻の出迎え方が好きだという描写があった。夫は、毎日自分を出迎える妻が"自分が帰ってくるとは思いもしなかった"という反応を見せることに安堵する。

そんなシーンを思い出し、「夫がリビングに戻ってくるとは思いもしなかった私って良妻なのでは?」なんて冗談で考えたあと。じわじわと、夫がいてくれたことに嬉しくなる。見ていたドラマでは、別れた男女が描かれていた。夫が松田龍平に見えてきて、おもわず抱きつく。夫は抱きつきとかよりも、肩のこりをほぐしてくれることを求めているそうで。仕方ないからやってあげる。いたいいたい、と顔を顰めるまで。



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