"君のいるシュプレーパークへ" ―ショートストーリー
「ハイ、マイク。ミカが来てるわよ」
「ああ、いや・・・」
「?はい、いつものでいい?」
行きつけのカフェテリアのカウンターで、キャシーが笑顔でコーヒーとサンドイッチを渡してくれる。
一瞬出ようかと迷ったが、結局僕は金を払って、ミカとは離れた席に向かう。
そばを通り過ぎるとき、ミカと目線だけで挨拶を交わす。
曖昧な苦笑の滲む顔。
それでも、緩く波打つ金髪、意志の強さを窺わせる濃い眉と、どこか爬虫類を思わせる目つきがどうしようもなくミカで、抗い難く惹きつけられる。