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日記:零す


今日は部屋の掃除をした。引っ越しまで間も無く。埃を被ったDVDレコーダーや懐かしいキーホルダーなどが見つかった。誰から貰ったか明確に覚えているプレゼントもあれば、それが思い出せないものもある。そういうものは捨てた。他人から貰った覚えのあるものだけ残しておくことにしたが、きっとこれからも引っ越しの時、今日と同じ様に「懐かしいな」という気持ちになって、ただ家々を転々とするだけのものになるのであろう。


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洗い物が好きだと言うと驚かれる。洗い物をしているときは気持ちが限りなく無になる数少ない時間だと思う。イヤホンを装着し、音楽を聴きながら行うのがルール。機嫌がいい時であれば聴こえてくるメロディを口遊み、そんな元気がないときはメロディの向かい側に聴こえる水の音に耳を澄ませる。今日はどっちだったっけ。


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布団の中で映画を見ることが多くなった。日本映画しか見ないが。映画と本は物語を映し出すという点が共通しているだけで、全く違うものであると思う。自分は本の方が好きだ。映画は観衆全員が共通の映像を持ち、その映像はテレビや雑誌で輝くスターで完成される。それが個人的に気に食わない。前者は仕方ないにしても、映画とは違う場面、例えばバラエティ番組などでその性格や人柄を垣間見せる俳優や女優を通して見るフィルムは偏見ばかりが漂ってしまう。一方で本は、ある程度の解釈の正解は与えられるものの、読者それぞれが自由に想像し、妄想し、完成させられる。そして、登場人物に対していつの間にか感情移入したり敵対視したり。こういう部分が読書の面白さである。想像の余地をも許さない芸術はつまらないものだろう。無論、映画全部がそうではないと思うのだが。


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連絡が途絶えて5日。元気にしてますか。相変わらず心配ばかりしているけど、生きててくれれば結構です。執着しないって決めたから、もう暫くは我慢して自分から言葉を送るつもりはないけど、またいつか話したい。声が聞きたい。これが僕の望みです。それをあなたが拒むのなら仕方ないのかな。僕の事を忘れても嫌いになってもしょうがないのかもしれないけど、でも、僕がそうであったように、あなたのことを愛する人がこの世の中にたくさん存在していることはどうか忘れないでください。あなたが僕と出会った頃のあなたのままでいること、そのまま、変わらないことを願っています。


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anonymous letter.
匿名の交換日記というものをしてみたい。顔や性格や権力よりも、詩の巧さで恋人を選ぶという時代があったと聞く。とても素敵だ。恋心がどうこうの話ではないが、やはり言葉を美しく使える人、感性が豊かな人に巡り合えたときの感動は凄まじい。何処の誰が書いたかも分からない手紙にどういう返事を送るのだろう。その返事がその人の本心である必要はない。本音を書く必要もない。一緒に手紙の中で物語を作れば良い。仕事の愚痴を書いてお互いを励まし合ったり、今日という日がどんな日だったかを相手に聞いてもらったり。感性が似ている何処か誰かの透明共犯者になりたい。


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コンビニから始まる恋愛はなかなか素敵だと思う。無論、経験したことはないが、そんなことを漠然と思う。


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昨日のことも書きたいけど、我慢。


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信頼って難しいことだと思う。たとえ相手を信じることができても、相手に信じられているという実感さえ起きなければ、それを信頼と呼ぶには足らないのだと思う。相手から信じられているという実感を得ることはとても難しい。その上、この実感が強すぎたら相手のことが怖くなる。なんでそんな自分のこと信じられるの?って。相手が自分に対して抱く信頼と自分が相手に対して抱く信頼が丁度良い位置で吊り合う。そういう人に出会えたら幸せなんだと思う。


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プロポーズも告白も雨の日にしたい。1つの傘の下で雨音を聞きながら。


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最近、ヨーグルトを食べている。ブルーベリー、ストロベリー、白桃など色んな味に手を出したが、結局低糖のプレーンが一番美味しいのかもしれん。


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Twitter:檸(@nei_monologue)

~Today's song~
10℃/しゃろう
(古川さんのYouTube配信をきっかけに知った方の曲。最近この方の曲ばかり聴いている。とても綺麗で美しい。)












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