日本代表が勝った

W杯ドイツ戦。
日本代表が2-1で勝利。
なんつーことだ。奇跡だ。福音。誉。
安藤選手、浅野選手の得点シーンでは腿を強烈に連打してしまった。
熱狂。熱く狂ったのだ。

自分は「サッカー好き」だとは思うものの
じゃあ普段Jリーグを見るか、プレミアリーグやセリエAを見るかというと
そんなことは全くない、いっちょ噛みだ。
ふと冷静になって、なぜW杯にのみ熱狂するのか考えるに至った。

理由は2つあるみたいだった。
1つは「みんながW杯に価値を置いているから」だ。
「人間の欲望は他者の欲望である」という言葉があるが
お金なんかまさにそうで
みんながお金を欲するからお金に価値が生じて
結局自分もお金を欲することになる。
そういったわけでみんながW杯に価値を認めるから
自分も巻き込まれながら熱狂してしまうわけだ。

理屈で解きほぐしてみると実にあっけらかんとして冷める。
違うのだ。
俺の熱狂はそんなミーハーな理由で裏付けされるような
陳腐な物ではないのだ。
もっと崇高なものなのだ。
と、言いたくなる。
が、事実は陳腐なのだろう。

ものすごくすばらしく見えるもの
その中身を覗いてみるとがっかりすることがあるものだ。
どれほど美しく思える恋愛も性欲を根拠にしているわけだし、
素晴らしい作品に出会って感動した経験も
結局ドーパミンやセロトニンの作用だ。
だから、この小文の主旨を真っ向から否定するような話になるが、
鶴の恩返しよろしく、「中を覗いてはいけない」のだ。
理由。夢が覚めるから。

2つ目の理由は「日本が他国と戦ってるから」
基本的には、
人間は自分と関係するものにしか興味がわかないものだと思う。
サッカー日本代表と自分に関係なんてあろうはずもない。皆無。
にもかかわらず、国籍で同じグループに属している人たちが
「他国と戦う」というシチュエーションが用意されると
あら不思議「自分事」になってしまうのだからおかしな話である。
そして、自分の所属するグループが
他のグループよりもすぐれていることをもって
自分の価値があがったような気にもなる。
自分の価値なんて日本代表が勝とうが負けようが増減0なのに、だ。

いや、違うのだ。
私の熱狂はそんな排他的、ナショナリズム的な理由からではなくて
もっと尊いものなのだ。
そう思いたいのはやまやまだが、そうやらそういうことでもないらしい。
自らの陶酔的熱狂ムードに水をさすやつは…

誰だ?
誰なんだ。

そんな自分も嫌いじゃないが
人生を楽しむのには向いてない。

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