♯3 聴力検査のこと
『普通でなければならない』
自分自身で決めてしまったルールに私はずっと縛られることになります。
補聴器をつければいいのでは?と思うかたもいらっしゃるかもしれません。
生まれてから補聴器をつけている環境が当たり前ではなかった私にとって、小学一年生から補聴器をつけることはとても恥ずかしいことだと思ってしまいました。
昔の補聴器は耳掛けが主流ではあったものの、肌色で大きく、ダサい。
音も今より性能が悪くうるさいだけ。
兄を見て育った私は、こんなのは本当に耳が聞こえない人がつけるもの。恥ずかしいものといった間違えた概念でいっぱいでした。
『補聴器をつけること=普通ではない』
私は普通の人だと安心したかったのかもしれません。
また、家が貧乏だったのもあり、補聴器を買うお金がないという理由もありました。
※現在はむしろ補聴器ナシでは生きていけません笑
ロジャーも使いたいと思っているほどです。
そして小学校で避けて通れないのが身体測定での聴力検査。
普通であることに縛られた私はどうしたかというと‥
先生がボタンを押すタイミングで自分も押す。
「きこえているフリ」をするようになります。
たまに先生から本当に聞こえているのか怪訝な表情をされることもあったので、タイミングを間違えたりしたこともあるのかもしれません笑
今では本当に馬鹿なことばかりしたなと思うのですが、当時は本当に耳が悪いことをバレたくない。普通でありたい。と必死でした。
※当時も就学前健診があったとは思うのですが、その時は何も考えていなかったので、(聞こえにくい)に丸がつけてあり、反応もなかったようです。当時のことを母に聞くと、医者にこれくらいなら補聴器はつけなくていいんじゃないかと言われたそうです。それが当たり前の時代だったのでしょうか?
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