見出し画像

個人情報なんでも筒抜け! [アメリカでの情報とお金の流通]

ここアメリカでは、現金をほとんど持ち歩きません。ほとんど全てクレジットカードで支払いをします。1ドル(おおよそ100円)のコンビニの買い物もクレジットカードで済ませます。

アメリカのレストランはテーブルで会計をするため、友人や同僚とご飯を食べに行っても、各自がお会計の伝票にクレジットカードを置きます。
「このカードから10ドル、あちらのカードから15ドル払います。」とウェイターに伝える場合もあれば、割り勘にして、チップで帳尻を合わせることもあります。

流石に5人以上でレストランに行った場合は、1〜2人がまとめて支払います。その後の現金の回収は、銀行のアプリケーションvenmoというアプリケーションを使って、支払いをしてくれた人に現金を転送します。
相手が同じ銀行を使っている場合、銀行のアプリケーションに相手の電話番号を入力するだけで、簡単に現金を振込み(転送)することが出来ます。venmoというアプリケーションは、銀行口座やクレジットカード情報を登録し連動させてあるため、venmoに相手の電話番号を入力し、相手を指定するだけで、現金を転送することが出来ます。

訳のわからぬアプリに自分の銀行口座番号を連動させるのは、おっかなびっくりです。しかし、流行はいつも若者から。マーケティング戦略もさることながら、需要に合っていたのでしょう。5年ほど前から一気に流通しました。
monkeyが「venmoってなんだ?」と初めて聞いた時、その場にいた若者全員から「venmoを知らないなんてありえない」と苦笑い。

さらには、一緒にランチを食べた後、同僚が「Face Bookで払っていい?」と言う。
「えっ? Face Book?」何かの冗談かと思いきや、アメリカ国内に限って、Face Bookのユーザー同士で現金の転送ができる仕組みがある。現在のところ、venmoと同様、銀行口座と連動して現金を転送させる仕組み。

おそらくこの仕組みは、現在Face Bookが開発中の電子通貨 Libra の前座。

コマーシャルでは「銀行口座を持たない(発展途上国の)人も世界中の人々と、お金のやり取りが可能」と素晴らしいことを言っている。現在、世界中のFace Bookユーザーは約17億人。そして、その全員が、新しい貨幣Libraを使い始めたら、Libraは世界の数ある通貨の中でも、かなり強い通貨となる。

全ての個人情報、さらに、生活や旅行など全ての消費行動は、クレジットカードやアプリの会社に握られている。Libraを使うようになれば、家族構成のみならず、親戚や友人から職場の同僚に至る全ての経済状況が連動してデータは蓄積される
いずれ、Face Bookは奥さんやお友達への「お勧めギフト」などを紹介し、利益を得るようになるだろう。

すでに、個人情報の保護なんてものはとっくにない。VisaやAmexだろうが、SNSだろうが、全ての情報は筒抜け。彼らによってデータは解析され、程よい感じで「より素晴らしいライフスタイル」が提供される。

この「管理された自由な世界」が良いか悪いかは別として、もう後戻りはしない。
世界は日々変わっていっている。