リン酸について
土壌診断をしました。傾向としてリン酸と苦土が足りないという結果が多くの圃場で見られたので今日は改めてリン酸について調べていきたいと思います。
1、リン酸の働き
リン酸は、遺伝情報の伝達やたんぱく質の合成などを担う核酸(DNA、RNA)の構成成分として重要です。開花・結実を促すため、リン酸は「実肥(みごえ)」といわれています。ほかに、植物全体の生育、枝分かれ、根の伸長などを促す働きもあります。
リン酸が不足すると、下葉から緑色や赤紫色に変色し、株の生育が衰えてきます。開花や結実に加え、実の成熟が遅れて収穫量が減ったり、品質が低下したりします。
逆にリン酸が過剰な場合は、直接的な症状は現れにくいのですが、土壌病害が起きやすくなります。
2、リン酸は過剰になりやすい
日本の畑土壌に代表されるような火山灰土壌において、リン酸は作物に吸収される前にアルミニウムや鉄と結合するため、少量のリン酸施用では欠乏を起こしやすいといわれています。さらにリン酸は過剰に施用しても窒素過剰のような障害を発生しないことからも、大量のリン酸を施用することが習慣になりました。結果リン酸過剰の圃場が多くなっています。
3、堆肥中のリン酸は利用効率が高い
堆肥中のリン酸の利用効果が高い理由として
・化学肥料のリン酸は、水溶性なので溶けて土壌に入ると鉄やアルミニウムとすぐに結合し難溶性になってしまうから。
・一方、堆肥中のリン酸は有機物とすでに結合する(有機態リン酸)が、それでも土壌中の鉄やアルミニウムと結合し難溶性となる力がある。しかし、堆肥中には繊維成分が多く含まれており、リン酸は繊維成分に覆われていて土壌の粘土粒子にリン酸が直接触れない状態になっている。そのため、難溶性(鉄やアルミニウムと結合する)になりにくい。そして伸張した根が堆肥中の有機物に覆われたリン酸に到達したとき、この有機態リン酸を無機化する酵素(フォスファターゼ)が根や土壌微生物から分泌され、有機態リン酸は無機化し、根へと吸収される。ー土づくりのススメ - 深掘!土づくり考
と考えられています。リン酸は堆肥で補いながら生育を観察して葉面散布でしっかり補っていきたいと思います。
次回は苦土(マグネシウム)についてしらべていきたいと思います。
今日で連続投稿100日達成出来ました。ぼちぼち続けれる所までいきたいと思っています。
ありがとうございました。
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