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豪雨の中でふと思い出した「センス・オブ・ワンダー」のメッセージ

朝起きたら、土砂降りだった。窓を閉めていても雨音が聞こえる。
スマホの雨雲アプリを開いたら、黄色や赤に塗り分けられた雲が次々に押し寄せてきている。私が住んでいる地域は、ハザードマップで見ると、土砂崩れの可能性があると表示されているので不安になる。

先日、車で浜松の方に出かけた。
関西から出発して名古屋を越えたあたりで、行先に見たこともないような真っ黒な雲が巨大な壁のようにそそり立っていた。

やがて、私の車はその巨大な壁に飲み込まれてしまった。
瞬時に豪雨に襲われた。
ワイパーは狂ったように雨を払うが視界は奪われ、先が見えない。
高速の路面は川のようになり、タイヤの接地感があやふやになった。
大型トラックが巻き上げる水しぶきで車が飛ばされそうになる。
思わずスピードを落としたが、この状況で止まるのは危険だ。
周囲の車にペースを合わせる。
すぐに抜けるだろうと思ったが雲は想像以上に大きかった。
あまりの恐怖心に実際より長く感じたのだと思うが、40年以上運転し来て、この時くらいやばいと思ったことはない。

この国の雨の降り方は明らかに変わっている。
日本の雨の降り方は、子連れ狼ではないが、シトシトピッチャンが基本だったはずだ。
それが熱帯のスコールのような降り方が日常になった。

仕事に行くときに雨が降るのは嫌だが、雨には独特の風情がある。
気持ちにゆとりがある時は雨を楽しむ気持ちになれる。
新しいレインコートを買ったら、早く雨が降らないかなと思う。

雨の日は、森を歩きまわるのにはうってつけだと、かねてからわたしは思っていました。
「センス・オブ・ワンダー」レイチェル・カーソン(「沈黙の春」著者)

雨が降ると地衣類や苔類が水を含んで生きかえり、木の葉やキノコの色彩が鮮やかになるからだ。
この本では全編を通じて、雨が降っても風が吹いても、幼い甥っ子を連れて森や海岸を散策する楽しみが詩情豊かに記され、自然に素直に感動する感性(センス・オブ・ワンダー)を育むことの大切さを説いている。しかし、‥

世界的に気象が激変している今は、雨の日に森や川に行くことは危険極まりない、とされている。
こうして、人類はますます自然から遠く離れていき、自然を危険なもの、つまり改良しなくてはならないもの、と考えるようになってしまう。
これは非常に悪い循環だと思う。この流れを変える方法はあるのか?

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