見出し画像

おれはアダルトBLゲームとモンハンを天秤にかけた

モンハンにおいて自分にとってのライバルと呼べるモンスターはなんだろうか。

そのようなことを考える時があります。

きっとモンハンではハンターそれぞれにライバルがいて、その定義もまちまちなのでしょう。

では私にとってのライバルとは何なのか。

ミラボレアスはもはや憧れです。
ジンオウガ亜種とはライバルと呼べるほどの時間を過ごしていません。
ティガレックスにはもう手こずることもなくなりました。
もちろんリオレイアでもありません。

幾匹ものモンスターが私を支えていますが、どれかを選ぶことはできません。

私にとってライバルとは未だ出会ったことがないものなのかもしれません。

『モンスターハンターライズ:サンブレイク』

こちらの作品が発売されるにあたって、先日ある情報が公開されました。

それは棘竜エスピナスの参戦。
このエスピナスはモンスターハンターフロンティアで登場した強力なモンスターです。

ヒプノックやヴォルガノス以来のフロンティア産モンスターの参戦。

今後は穿龍棍といったフロンティア独自の武器やシステムが実装されるかもしれません。
というか石川由依氏のキャラがラスタとしていたような気がします。

またエスピナスは古龍との縄張り争いに勝ったという話があります。
これはかなり重要な情報です。
というのもフロンティア発売当時の2007年では古龍級生物、古龍に匹敵する強さのモンスターというのはエスピナスを除けばラージャンとディアブロス亜種しかいなかったはず。

ミラボレアスほどではないにしても、それだけ強いのであればわくわくしますし、エスピナスには思い入れもあります。
より正確に言えばモンスターハンターフロンティアに対して複雑な感情を抱いています。

それを説明するにはまず違う作品についてお話ししなければなりません。

好きなものは好きだからしょうがない!!

このタイトルのゲームをご存知でしょうか。

"プラチナれーべるから発売された、商用では初となる18禁ボーイズラブアドベンチャーゲームである。略称、好きしょ。"(※Wikipedia引用)

私は小学生の頃、このゲームが欲しすぎて隣町のサティ(現イオン)のおもちゃコーナーでギャン泣きしたことがありました。

この頃にお耽美へと傾倒したとかではなく、ただただイラストに惹かれたのがこの作品に興味を持った理由です。

いや、そもそもの因果はファミ通から始まっていました。雪に閉ざされ文明に置き去りにされた故郷に暮らす私と外界を繋ぐ存在がファミ通とファミ通Web DVDでした。
私の故郷では子どもというのはお情けで人権を与えられて生かしてもらっているに過ぎない存在なので、親の意に沿わないものは基本的に摂取できません。
現に私は捨ててあったエロ本から裸体の女性を切り抜き、おもちゃが入った巾着袋に入れて密かに拝んでいましたが、母にそれを見咎められると、昼からドラえもんを見逃すまで激詰めされました。

そのような環境で育った子どもにとってファミ通とは合法的にセクシーが摂取できる媒体だったのです。
そうして出会った、プラチナれーべるから発売された商用では初となる18禁ボーイズラブアドベンチャーゲームはあまりにも美しく思えたのです。
あと普通にイラストが好みだった。

生産性やポリコレといった他者の価値観に縛られることなく、性欲の袋小路に迷い込んだ私はある意味では耽美主義、そしてあまりにも自由でした。

母にエッチなゲームをせがむことはできないが、それでもエロいゲームが欲しい。その葛藤に悩まされ人目を憚らずに泣き叫び、母と店員に店から追い出されるほどに自由だった。
この頃の私はオホーツク近海においてはもっとも海賊王に近かったのでしょう。
思えば初めて買ったエロ本もナルトのアダルトBL二次創作本でした。

けれど私には何もできませんでした。
しかしそれは本当に私の咎でしょうか。
エッチなことはいけないことだと、何も知らない子どもが、めちゃくちゃエロいことしまくった大人にそう叩き込まれた。
子どもだった私が、その環境と歴史を相手に一体何ができたのでしょうか。

しかし私が中学生になったあたりで転機が訪れました。
金です。
生まれ故郷は子どもの権利条約には批准していなかったので私はこの頃から新聞配達で遊ぶ金を稼いでいました。
家庭において私は権利主体ではなく、お小遣い制度を適用されることがなかったからでもあります。
それでも月に一万円程度の収入は当時の未成年にとってはかなり恵まれた方でした。

そして『好きなものは好きだからしょうがない!!』の廉価版発売。
プレステ2版もあったのですが全年齢版のものはやれないでしょう。
なので必然的にPCの購入が必要になります。
これだけでもかなりの金額ですが、ある事件が発生します。

モンスターハンターフロンティアの発売です。
当時は2ndにどハマりした2ndチルドレンだったのでモンハンとつくものには何でも手をつけたい年ごろでした。
更には未知のオンラインゲーム。
パソコンでゲームするやつはみんな犯罪者という教えがあったものの、やはり興味の方が勝っていました。
シンプルなバカだったので、オンラインで違う地域の人間とゲームをするという概念を理解してはいませんでしたが、未だ出会ったことがない人たちとの"セッション"には胸が躍ったことを覚えています。
この頃から既に"ハンター"としての素養が育まれていたのでしょう。

ここで私は選択を迫られます。
私の予算ではエロゲーも買ってモンハンも買ってかつパソコンも買うなんてことはできません。

好きなものは好きだからしょうがない!!』を選ぶのか。
もしくはモンスターハンターフロンティアを選ぶのか。
性欲か新天地か。

どちらの選択肢を選ぼうとも後悔は残ります。
ならばせめて安らかでありたい。
そう願った私が選んだ選択肢が……

平野綾です。

『涼宮ハルヒの憂鬱』のアニメ放映開始。
それ以上に語るべき言葉がありません。
そこから私は元よりそんなに貯めてない資金をはたいてアニメージュや声優雑誌の購入などに費やし、ライフライナーへの道を突き進んでいきました。
詳細はここでは語りませんが、私はこれらの活動により膝を壊して2度とサッカーがやりたくない身体になってしまいました。

まさか天秤から目を離しても痛みがあるとは。

そうです。
私はモンスターハンターフロンティアをプレイしたことがないのです。
そのようにしてフロンティアに対する複雑な思いが生まれていきました。
もとよりモンスターハンターコンテンツの全てに触れていたわけではありませんが、このような経緯があったのでとりわけ同タイトルにはコンプレックスがあります。

フロンティアをやっていたハンターはそうでないハンターをバカにしている。
フロンティアをやって初めてマジのハンターになれる。
そういった思いに囚われてもいます。
中年巨人ファンが王貞治世代を羨むように。

しかし、何の因果かフロンティアのサービス終了後にこうして憧れと対峙できる機会が与えられました。
いや、選択の機会を与えられたのです。

この期に及んでやらない選択肢があるのかという疑問はもっともでしょう。

というのも私はライズも未プレイなのです。
そもそもスイッチを所持しておりません。
なぜか。
ストーリーが好みじゃなかったから?
モンスターに興味が惹かれなかったから?
ハンターのボイスが気に食わなかったから?
(ハンターの誇りにかけてとかお仕置きよっ!とは何様か。ハンターとモンスターの間に隔たりと善悪はなく、全ては大自然の一部。)

答えは単純。金です。

過去にラーメン食いたさにスイッチを売り払った者が辿る末路としてはこれ以上のものはないでしょう。

というようにアルティメット貧困層にとってハードとソフトの同時購入は厳しい。
そして上記した理由が以外と重くのしかかってきます。
果たしてライズはそれだけの価値があるのか。
資格、転職、資産運用。
同世代みんなラブしとる。
支払わなかったツケが極限化して再登場。
井上尚弥めちゃくちゃ強くなってる。
全部無視して、今のお前にモンハンができるのか。

それでも、好きなものは好きだからしょうがないじゃないか。

自身のオリジンに立ち返った時に浮かんだ、あまりにも自由な言葉はあることを思い出させてくれました。

18禁ボーイズラブアドベンチャーゲームが欲しくて泣いた時も
リオレイアで精通した時も
ライフライナーとして床を舐めた時も

共通していたことは自由であること以外にその先にある結末を恐れていなかったということです。

選択をしなければ失敗をすることはありませんが、それでも未知なるものに出会うために希望を持って歩みを進めます。

人はその特別な歩みに名前を付けました。

勇気と。

そう、フロンティアに憧れたのは未だ知らない物語を求めたから。
そして物語の始まりは微かな寂しさがあったから。
これから出会うライバルに勇気を持って歩むのでしょう。

我等狩友永久超絶不滅

画像1


この記事が参加している募集

全力で推したいゲーム

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?