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なんちゃっていねい生活 都会に近い田舎に住もう

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関東の小都市・神奈川県横須賀市在住の文筆家が、なんちゃってな「ていねい生活」の日々を綴ります。スキやシェアしてもらうと面白いことがあるかも!
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#怪談

【告知】「 怪と幽」vol.015

KADOKAWA発行のお化け雑誌「 怪と幽」の15号が発売されました。 今回は温泉特集号、お題も「怪と湯」。ダジャレかよ。 私は加門七海さん×南條竹則さん×東雅夫さんの鼎談「霊なる温泉地 ~文人が惹かれる「湯の力」~」のまとめを担当しています。 修善寺温泉の名門旅館で一泊……ならよかったのですが、大人の事情で日帰り入浴タイムにお部屋をお借りしての収録、でした。陪席者の特権で温泉と美味しいお食事を楽しめた私は役得でしたが。 温泉と信仰の関係や温泉とお化けの相性など、お三方が

癸卯葉月 処暑 四国行 仕事編

廿六日 羽田から一路松山へ。 愛媛県男女参画センター主催の「人生100年時代のウェルエイジングセミナー」で憚りながら講師を申し付かったのだ。 松山在住の小説家・宇佐美まことさんが拙著『死に方がわからない』をセンターの方に紹介くださり、それがご縁となっての仕事だった。 ありがたいばかりである。 とはいえ、私のような無名の物書きの話を聞こうなどという方がいかほどいようかと心配していたのだがお陰様で杞憂におわり、当日は満席となった。 思っていたより年齢層が高かったので、当初予定

「怪と幽」14号 記事紹介その三

「怪と幽」14号の御紹介、三つ目は寄稿記事と、編集をお手伝いしている各コンテンツについてです。 まずは「お化け友の会ひろば」に寄稿した「坂東玉三郎 泉鏡花抄4作品」です。 今年が泉鏡花生誕150年にあたるということで、坂東玉三郎丈が主演/演出などを務めた泉鏡花作品が、シネマ歌舞伎で一挙上映されます。 期間は10月20日から11月2日までの約2週間。決して長くはないですが、Ⅳ作品をまとめて鑑賞できるのはめったにない機会なので、万障お繰り合わせの上、劇場に足を運ばれるととても幸

「怪と幽」14号 記事紹介その二

「怪と幽」14号 記事紹介二つ目は担当したインタビュー&対談記事の御紹介です。 まずは特集から。 今号は第一特集が「奇想天外 きのこの怪」、第二特集が「幽霊と魔術の英国」ということで、私は後者で織守きょうやさんと河合祥一郎さんの対談、そして東雅夫さん・下楠昌哉さん・中島晶也さん・土方正志さんの英国文芸座談会のまとめをしています。 子供時代や高校生活を英国で送られた織守きょうやさんは先般『英国の幽霊城ミステリー』と題するイギリスの幽霊屋敷ガイドブックを上梓されたばかり、河合祥

「怪と幽」14号 記事紹介その一

「怪と幽」14号では複数の記事を手掛けたり、著者として登場したりしております。 まず、東亮太さんの新刊にして初の怪談集『夜行奇談』の発売を記念する対談企画にお相手としてお呼ばれしました。 どうしてお前が? と思われるかもしれませんが、実は東さんとはお互いが物書きとしてデビューする前からのおばけ仲間なんです。もう20年以上のお付き合いになります。 東さんは主にライトノベル方面で活躍してこられたので、なかなか私サイドから言及する機会はなかったのですが、今回はなんと妖怪&怪談を扱

「怪と幽」14号発売

 8月26日(土)に松山市で行った講演会は無事終了し、その後昨日まで夏休みを取っておりました。  その間に発売されていたのがKADOKAWA発行の「怪と幽」14号。  内容は公式サイトからそのまま引用した以下を御覧ください。  大変盛りだくさんでございますね。  今号の見どころ、そして私が関わったページなどは明日から順次御報告していこうと思います。(私もまだ全部は読めていない)  個人的には坂田靖子さんの「オプション・ハウス」復刻がGJすぎる。   

雑誌BRUTUS「怖いもの見たさ。」に選者参加

本日発売のマガジンハウス刊行の「BRUTUS」誌は夏らしくホラー特集。 映画、アニメ、ドラマ、ゲーム、文芸、怪談実話などさまざまなカルチャー分野を横断する作品をなんと444本も選び、「怖さ」を軸に5から1まで評価してリスト化するという、なんというか、かなり「むちゃしやがって……」な特集です。 私は小説と書籍の選者として参加しました。同分野の選者もうお一方は朝宮運河さんです。 たまたま『怪と幽』次号「英国特集」の編集時期と重なっていたせいで、私のセレクトは19世紀末から20世

有栖川有栖『濱地健三郎の幽たる事件簿』文庫解説執筆

 寒い日々が続いております。みなさんいかがお過ごしでしょうか。  大寒波来襲の今、本当なら読んだだけで暖かくなるような本を取り上げるべきなのでしょうが、読んだら体感温度がますます下がりそうな小説の文庫化に際し、解説を執筆したのでそちらのお知らせをいたします。ごめんあそばせ。  タイトルは『濱地健三郎の幽たる事件簿』。作者は新本格ミステリーの大御所・有栖川有栖さんです。  単行本と文庫を併せて全部で三冊出ている本シリーズ、最大の特徴は怪談と本格ミステリーの融合にあります。  

『怪と幽』 編集補助記事など

 2013年最後の更新は、『怪と幽』12号で編集補助をした記事についてまとめてご報告。  まず、巻頭イラスト令和画図百鬼はぺいさん作「三途川」。  最初テーマのご提案をいただいた時はもっと宗教画っぽくなるのかと思いきや、ラフを見て仰天しました。なんという迫力、なんというイマジネーション! 今回、背景画を専門とするぺいさんにお願いしたのは「風景の怪」を見たかったからなのですが、想像以上のあの世の光景を突きつけられることになりました。  もうすでにご覧いただいた方もいるかと思い

『怪と幽』 スポットライトは焼酎火 杉本好伸先生編

 ライター仕事最後のご紹介は、東雅夫さんが聞き手のインタビューコーナー「スポットライトは焼酎火」について。  今回お話を聞いたのは国文学者の杉本好伸先生です。  杉本好伸先生といえばお化け周りのみなさんには国書刊行会『稲生物怪録絵巻集成』の編者としてよく知られた方ですね。  また、三次市に行った経験がある方なら、先生が手掛けられた稲生物怪録関係の図録や解説書などを知らずと手にとっているではないかと思います。  今回は、その先生がお出しになった稲生物怪録研究の現時点での集大成

『怪と幽』澤村伊智さんインタビュー

 本日も『怪と幽』12号でのライター仕事のご紹介。  今や日本ホラー小説界の第一人者となった澤村伊智さんに新刊『ばくうどの悪夢』についてお話を伺いました。   デビュー作『ぼぎわんが来る』からスタートした比嘉姉妹シリーズの最新作です。  あの名作ホラー映画を下敷きに「夢」の特質を最大限まで活かした構成は澤村さんならではの力技。同時に今の世相を風刺するのもらしさ、なのかもしれません。  にしても、構成に言及すること自体がネタバレになってしまうタイプの作品なので、記事作りには

『怪と幽』東雅夫×円城塔対談

 『怪と幽』関連、本日もライター仕事のご紹介です。  東雅夫さんと円城塔さんの対談をまとめました。  おふたりの新刊『文豪と怪奇』と『怪談』の刊行を記念して行われた対談ですが、双方の怪談観など、読み応えたっぷりの内容です。また別バージョンが下記で公開されています。併せて読むとより楽しいかと。  いっつも思うんですけど、深い知識と類まれな感性が邂逅すると時の神が生まれるんですよね。それをどれだけくっきり伝えるかがライターの腕なんですが、どうにもまだまだです。読者諸賢には少し

冬至と『怪と幽』12号発売

 冬至です。いよいよ暮れも迫ってきました。  今日はかぼちゃの炊いたんと柚子湯というご家庭も多いことでしょう。  柚子湯は江戸時代の銭湯発祥という説を聞いたことがあります。客寄せの一貫だったようで、これまたコマーシャリズムだったんですね。恵方巻に過敏な向きはこちらもお止しになった方がいいかもしれません(嫌味)。  一方、かぼちゃはというと、これもまた江戸時代に始まったようですが、こちらは夏に採れて冬まで保つ野菜の長寿にあやかる、みたいな験担ぎだったとかなんとか。さらに「運」を

文フリ購入物その2 怪談本編

 文フリでの購入物紹介、本日は怪談の本です。  振り切ったタイトルに一目惚れして、中も見ずに購入しました。  『婆婆ホラー』  タイトル通り、いろんな怖い老婆が出てくるお話が7話収録された競作集です。  あとがきによると、 ・ホラー小説であること。 ・老婆が登場すること。 ・姥捨山という単語を一度以上使用すること。 を条件にして、あとは各執筆者に任せたのだとか。  まだ全編は読めていないのですが、なかなかおもしろい作品が揃っています。  老婆はなぜ怖いか。  その考察が一つ