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なんちゃっていねい生活 都会に近い田舎に住もう

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関東の小都市・神奈川県横須賀市在住の文筆家が、なんちゃってな「ていねい生活」の日々を綴ります。スキやシェアしてもらうと面白いことがあるかも!
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#小説

「怪と幽」14号 記事紹介その一

「怪と幽」14号では複数の記事を手掛けたり、著者として登場したりしております。 まず、東亮太さんの新刊にして初の怪談集『夜行奇談』の発売を記念する対談企画にお相手としてお呼ばれしました。 どうしてお前が? と思われるかもしれませんが、実は東さんとはお互いが物書きとしてデビューする前からのおばけ仲間なんです。もう20年以上のお付き合いになります。 東さんは主にライトノベル方面で活躍してこられたので、なかなか私サイドから言及する機会はなかったのですが、今回はなんと妖怪&怪談を扱

「怪と幽」14号発売

 8月26日(土)に松山市で行った講演会は無事終了し、その後昨日まで夏休みを取っておりました。  その間に発売されていたのがKADOKAWA発行の「怪と幽」14号。  内容は公式サイトからそのまま引用した以下を御覧ください。  大変盛りだくさんでございますね。  今号の見どころ、そして私が関わったページなどは明日から順次御報告していこうと思います。(私もまだ全部は読めていない)  個人的には坂田靖子さんの「オプション・ハウス」復刻がGJすぎる。   

雑誌BRUTUS「怖いもの見たさ。」に選者参加

本日発売のマガジンハウス刊行の「BRUTUS」誌は夏らしくホラー特集。 映画、アニメ、ドラマ、ゲーム、文芸、怪談実話などさまざまなカルチャー分野を横断する作品をなんと444本も選び、「怖さ」を軸に5から1まで評価してリスト化するという、なんというか、かなり「むちゃしやがって……」な特集です。 私は小説と書籍の選者として参加しました。同分野の選者もうお一方は朝宮運河さんです。 たまたま『怪と幽』次号「英国特集」の編集時期と重なっていたせいで、私のセレクトは19世紀末から20世

今週何読んだ? (12/23~1/5)

 年末はバタバタで書いていなかったので二週分まとめて。忙しなかったせいで一週分ぐらいの冊数しかありませんが。 12月23日(金) 24(土)  再読。仕事の関係で一気読み。史実の使い方がめちゃくちゃ上手いですよね。トリビア的エピソードをそれで終わらせず、ストーリーの根幹に組み込んでくるのは力技以外の何者でもない。よしながふみさんはまちがいなく天才的ストーリーテラーだと思います。 12月25日(日)  ベタなんですが、毎年クリスマス当日に手に取ることにしています。物書きとし

新春家事と大濱普美子『十四番線上のハレルヤ』

 三が日が終わり、四日から仕事始めとはいえ、まだ気分的にのんびり感が残っています。けど、そろそろ気を持ちを引き締めないといけないし、今日は朝から張り切って掃除と洗濯をしてみました。家事も仕事のうちですから。  で、物書き仕事の方はといいますと、ちょっと滞り気味の「もっと文豪の死に様」を進めると同時に、二月から新連載「老い方がわからない」(仮)を始めなければいけません。目下執筆中でして、更新日&連載開始日など詳細決まりましたらこちらでお知らせします。どうぞご注目ください。  ま

【告知】「波」誌寄稿 宇佐美まこと『ドラゴンズ・タン』書評

 新潮社「波」誌に寄稿した宇佐美まことさんのファンタジー大作『ドラゴンズ・タン』の書評がウェブにアップされました。下記からお読みいただけます。  この作品は「英雄の物語」ではありません。  「何も出来なかった者たちの物語」なんです。  でも、ほんの少し、わずかばかりに蒔いた……いや、たまたまこぼれ落ちた程度の種が少しずつ育って、やがて未来を変えていく。  歴史に名を残すものばかりが世界を作るのではない。無名の一人ひとりが、人類の歴史を積み上げ、「今」を造ってきたのだ。  そ

文フリ購入物その2 怪談本編

 文フリでの購入物紹介、本日は怪談の本です。  振り切ったタイトルに一目惚れして、中も見ずに購入しました。  『婆婆ホラー』  タイトル通り、いろんな怖い老婆が出てくるお話が7話収録された競作集です。  あとがきによると、 ・ホラー小説であること。 ・老婆が登場すること。 ・姥捨山という単語を一度以上使用すること。 を条件にして、あとは各執筆者に任せたのだとか。  まだ全編は読めていないのですが、なかなかおもしろい作品が揃っています。  老婆はなぜ怖いか。  その考察が一つ

【仕事告知】近藤史恵『幽霊絵師火狂 筆のみが知る』書評

 そういえば告知し損ねていた気がするので、少し前に公開された記事ですが、改めてご紹介を。  近藤史恵さんの新作怪談小説『幽霊絵師火狂 筆のみが知る』の書評を書きました。  作品概要についてはぜひ書評にアクセスしてお確かめいただければ! なのですが、私がこの作品いいな~と思うのは、絵師・火狂と彼になつく娘・真阿の関係性が素敵だからなんです。  冒頭での真阿は、家に見知らぬ男性がやって来ると聞きつけて、「私の心中相手になってくれるかもしれない!」なんて勝手に盛り上がるわけですが

今週何読んだ?(11/26~12/2)

 金曜日は一週間の読書履歴を振り返ります。 11月26日(土)  『波』誌で連載が始まったばかりの近藤ようこさん『家守綺譚』漫画版(原作 梨木香歩さん)をぱらぱらしていたら読み返したくなったので。  先日、鎌倉文学館で観た『高丘親王航海記』の生原稿はすばらしく美しかった。 11月27日(日)  インタビュー仕事を控え、とある作品を熟読。掲載媒体は年明け1月にはお知らせできると思います。 11月28日(月)  原稿書きと請負作業に追われ、読書の余裕なし。 11月29日(

今週何読んだ?(11/19~11/25)

 金曜日は一週間の読書履歴を振り返ります。 11月19日(土)   夜用ハーブティを新規レシピに変更するため、情報確認。いつもお世話になっている本。 11月20日(日)  文学フリマからデザインフェスタを渡り歩く強行軍だったため、読書はせず。文学フリマではいろいろおもしろい本を購入したので順にご紹介していく予定です。 11月21日(月)  さすがに疲れが取れぬので仕事は必要最低限を午前中に超特急で終わらせ、午後休に。まだ読んでいなかった最新刊をのんびり読みました。 1

週一買い出しと宇佐美まこと『ドラゴンズ・タン』

 土曜日は家事日であると同時に、食料品買い出しの日と決めております。  その昔、放埒会計どんぶり勘定財布に穴が空いているとまで言われた私も、人生の辛酸を嘗めた結果(ちょっとオーバー)今ではすっかり計画経済派でして、予め次週の週間献立を立ててから必要なものだけ購入するようになりました。おかげで余らせて捨てるなんてこともなくなったし、予算内で買い物するという大技もマスターしたし、めでたしめでたしのSDGsでございます。  持続可能性といえば、9月に出た宇佐美まことさんの新刊『ド

ローズマリーと小田雅久仁『残月記』

 本日の「なんちゃっていねい生活」特記事項はローズマリー・スチームの楽しみ、です。  庭で伸び放題になっていたローズマリーの刈り込みをやっと行いました。収穫した枝は乾燥させます。  まもなくやってくるストーブの季節に、この枝をやかんに入れて火にかけるのです。お部屋の空気がちょっとすっきりする、気がします。ま、気のもの程度ですけど。   さて、昨日の皆既月食は見事でした。  天文イベントといえば曇りにあたってしまうことが多い私ですが、昨夜はばっちり晴れてくれたおかげで赤い月を

【告知】『波』誌 書評寄稿

 新潮社発行の『波』に書評を寄稿しています。  対象は宇佐美まことさんの新刊『ドラゴンズ・タン』。  千年の時を超えて中国大陸から日本で秘められた戦いが繰り広げられるダーク・ファンタジーです。  ファンタジーにふさわしい壮大なスケールを持ちながらも、現在の社会とも接続するダイナミックな物語です。  ぜひご購読ください。

水無月十九日 時代と私

 新刊インタビューが重なりまして、ここのところ古典やら近代文学ばかりを読んでいた頭がなかなか追いつきません。  最近はエンターテインメント小説を中心に表記や表現に「?」となることも多く、ライターとして時代についていく難しさを実感しているような次第です。  とはいえ、私のところに来る依頼の作家さんたちは極めて高質な作品を発表し続けておられまして、これはこれでライター冥利に尽きる思いがしております。  時代との和解は、半世紀も生きてきたら当然のようにぶち当たる壁なのでしょうね。