癸卯葉月 処暑 四国行 夏休み編その6
廿九日 午後
約5時間の列車旅を経て降り立ったのは今やすっかり秘境として有名になった「大歩危」である。
2度目、22年ぶりの訪問だ。
しかし、前回は自動車で入ったので、駅は初訪である。だが、これだけは確実に言える。トップ画像のじいさま、当時は百パーセントいなかった。
なぜ言い切れるのか。
それは、大歩危に置かれた最初の児啼爺の開幕式に出席していたから、である。
思い起こせば2001年、私は当時知り合ってさほど間もない妖怪仲間たちと、藤川谷に建立された児啼爺の像のオープニング