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なんちゃっていねい生活 都会に近い田舎に住もう

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関東の小都市・神奈川県横須賀市在住の文筆家が、なんちゃってな「ていねい生活」の日々を綴ります。スキやシェアしてもらうと面白いことがあるかも!
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2022年12月の記事一覧

『怪と幽』 編集補助記事など

 2013年最後の更新は、『怪と幽』12号で編集補助をした記事についてまとめてご報告。  まず、巻頭イラスト令和画図百鬼はぺいさん作「三途川」。  最初テーマのご提案をいただいた時はもっと宗教画っぽくなるのかと思いきや、ラフを見て仰天しました。なんという迫力、なんというイマジネーション! 今回、背景画を専門とするぺいさんにお願いしたのは「風景の怪」を見たかったからなのですが、想像以上のあの世の光景を突きつけられることになりました。  もうすでにご覧いただいた方もいるかと思い

『怪と幽』 スポットライトは焼酎火 杉本好伸先生編

 ライター仕事最後のご紹介は、東雅夫さんが聞き手のインタビューコーナー「スポットライトは焼酎火」について。  今回お話を聞いたのは国文学者の杉本好伸先生です。  杉本好伸先生といえばお化け周りのみなさんには国書刊行会『稲生物怪録絵巻集成』の編者としてよく知られた方ですね。  また、三次市に行った経験がある方なら、先生が手掛けられた稲生物怪録関係の図録や解説書などを知らずと手にとっているではないかと思います。  今回は、その先生がお出しになった稲生物怪録研究の現時点での集大成

『怪と幽』澤村伊智さんインタビュー

 本日も『怪と幽』12号でのライター仕事のご紹介。  今や日本ホラー小説界の第一人者となった澤村伊智さんに新刊『ばくうどの悪夢』についてお話を伺いました。   デビュー作『ぼぎわんが来る』からスタートした比嘉姉妹シリーズの最新作です。  あの名作ホラー映画を下敷きに「夢」の特質を最大限まで活かした構成は澤村さんならではの力技。同時に今の世相を風刺するのもらしさ、なのかもしれません。  にしても、構成に言及すること自体がネタバレになってしまうタイプの作品なので、記事作りには

『怪と幽』東雅夫×円城塔対談

 『怪と幽』関連、本日もライター仕事のご紹介です。  東雅夫さんと円城塔さんの対談をまとめました。  おふたりの新刊『文豪と怪奇』と『怪談』の刊行を記念して行われた対談ですが、双方の怪談観など、読み応えたっぷりの内容です。また別バージョンが下記で公開されています。併せて読むとより楽しいかと。  いっつも思うんですけど、深い知識と類まれな感性が邂逅すると時の神が生まれるんですよね。それをどれだけくっきり伝えるかがライターの腕なんですが、どうにもまだまだです。読者諸賢には少し

2022年 猫の思い出

 本日は訳あって記事をアップできないので、今年撮った猫画像でお茶を濁します。だがこっちの方が喜んでもらえそうだ。  来年もよい猫と出会えますように。

【告知】「波」誌寄稿 宇佐美まこと『ドラゴンズ・タン』書評

 新潮社「波」誌に寄稿した宇佐美まことさんのファンタジー大作『ドラゴンズ・タン』の書評がウェブにアップされました。下記からお読みいただけます。  この作品は「英雄の物語」ではありません。  「何も出来なかった者たちの物語」なんです。  でも、ほんの少し、わずかばかりに蒔いた……いや、たまたまこぼれ落ちた程度の種が少しずつ育って、やがて未来を変えていく。  歴史に名を残すものばかりが世界を作るのではない。無名の一人ひとりが、人類の歴史を積み上げ、「今」を造ってきたのだ。  そ

『怪と幽』12号 対談 澤田瞳子さん×米澤穂信さん

 今年もクリスマスがやってきました。  キリスト教徒でもなんでもないんですが、昔からこの季節が大好きなんです。ユールからお正月にかけて、なんならそのまま小正月、春節とひっぱって祝祭気分を味わいたい。寒い時期だからこそ華やかに。  『怪と幽』12号「鎌倉特集」も冒頭は華やかに澤田瞳子さんと米澤穂信さんの対談から始まります。こちらのまとめを担当しました。  博覧強記のお二人のこと、当然ながら話題は尽きず、今回起こせたのもたぶんお話の三分の一ぐらいじゃないかしら? なんなら残りの

鎌倉長谷と『怪と幽』12号 書評寄稿

 鎌倉の長谷というと10メートルほどもあるのっぽの観音様や美男でおわす阿弥陀様などとにかく大きな仏像で有名ですね。でも、私にってはもっぱらお寿司をはじめとするおいしいものを食べに行くところなんです。  今夏出た雑誌「地域人」で紹介記事を書いた「鮨山もと」さんは以前からの行きつけで、流石に毎月とはいかないですが、数ヶ月に一度はおいしいやつを摘んでおります。トップ画像は10月に食べた鯵の握りね。もうね、溶けました。  と、食べ物が枕なんだけど、お知らせは昨日のつづきでお化けの雑

冬至と『怪と幽』12号発売

 冬至です。いよいよ暮れも迫ってきました。  今日はかぼちゃの炊いたんと柚子湯というご家庭も多いことでしょう。  柚子湯は江戸時代の銭湯発祥という説を聞いたことがあります。客寄せの一貫だったようで、これまたコマーシャリズムだったんですね。恵方巻に過敏な向きはこちらもお止しになった方がいいかもしれません(嫌味)。  一方、かぼちゃはというと、これもまた江戸時代に始まったようですが、こちらは夏に採れて冬まで保つ野菜の長寿にあやかる、みたいな験担ぎだったとかなんとか。さらに「運」を

マトリョーシカと雑誌「うかたま vol.69 冬号」

 自分でも理由はわからないのですが、昔からなぜかマトリョーシカが大好きなんです。でも、基本あまり人形などは買わないタチなので所持はしておりません。  が。  ネットで超好みのを見つけてしまいまして。買っちゃいそうで困っております。  こちらは見かけたら即買いなんですけどね。  農文協が出している、いわゆるスローライフやロハス(どっちも最近聞かないな)なライフスタイルを提案するタイプのカントリーライフ+若干おしゃれめ生活誌です。  冬号は毎回冬野菜のレシピが豊富で、野菜料理

【宣伝】花房観音さんが拙著を紹介してくださいました。

 作家の花房観音さんが拙著『死に方がわからない』を19日付け日刊ゲンダイで紹介してくださいました。  一夜明け、本日からはWEB上でお読みになれます。  下記にリンクしていますのでぜひ。  花房観音さんの主な活躍フィールドは小説ですが、時折ノンフィクションも手掛けておられます。  一つはミステリーの女王と呼ばれ、とてつもないベストセラー作家だった山村美紗の評伝。対象への冷静な好奇心と緩やかな共感がこもっています。  池袋のアンダーグラウンドシーンのルポルタージュ。エロスと

2022年 夏の思い出

 上は初めて参加した田植え前の代かき作業。  この後行けなかったのが残念。来年こそは!  海も山も里も、暑い夏でした。

事始めと『日本仏教史入門-基礎資料で読む』

 十二月十三日は事始めでしたね。  生家は商家でも農家でもなかったので事始めになにか特別なことをやるような習慣はなかったのですが、一人暮らしするようになってからはこの日に何かしらお正月の準備を始めるようになりました。行事好きなもので。  今年の十三日は外出する用事があったので、出先で年明け新調する靴下やらなにやらを購入して事始めとしましたよ。  あとはお昼に御事汁を食べたぐらいかな。お精進ものでお昼を済ませるのもたまにはよいものです。  お精進といえば、精進しなくてはならな

文フリ購入物その4 ミステリー本編

 本日ご紹介の文フリ購入物はミステリー関係2冊。  まずは探偵小説研究会の「CRITICA」12号です。  特集が「新本格の30年、社会派の60年」ということで、勉強するつもりで購入しました。最近、つくづく知識の欠損を感じるので。特に社会派ミステリーなんて有名どころをわずか齧ったばかりなので、ほんとダメなんですよ。学ばなければ。  とかいいつつ、最初に読んだのは千街晶之さんの「残穢」論だったんですけどね。やっぱりどこまでもお化け優先。  次はヒマラヤ探偵文庫の「英国犯罪実