生き字引―B'zに見る「生き方」の考察

①はじめに

 記事を書く理由はただ一つ。
https://adventar.org/calendars/8240
maccha418さん主催の「好きなコンテンツを語ろうぜ Advent Calendar 2022」のアドベントカレンダーに12/4担当として参加させていただいているので。
いつもと違って明るくて楽しい話になる!(はず!)

②B'zって

 なんですか、というところからです。
Vo.稲葉浩志氏、Gt.松本孝弘氏の二人からなる音楽ユニットです。
知らぬ人はおらぬ、「昭和の時代から続く2ピースバンド(片方はボーカル)」です。デビュー当時は「ロックユニット」とも言われてた気がするが、正確に「ロックユニット」なのか、「ロックバンド」なのか「2ピースバンド」なのかははっきりしていないことが現状です。まあ本人たちが「一緒にやろう!」とも言わず始まったバンドなので、委細はこだわらないところが長続きの秘訣でもあるのでしょう。(※ちなみにかつてミュージックステーションかなにかで司会陣に「言ってないんですか!?」と振られ冗談半分で「じゃあ、一緒にやろうか!」と稲葉さんが話したこともあるので、実際はそそのかされて結成をけしかけるシーンは何度かあります)

 これは知らないファンはいないと思うのですが、現在は閉業されている六本木の音楽スタジオ「SOUND JOKER」にて、その日初対面だった稲葉・松本両氏がBeatlesの「Let it be」と「Oh!Darling」の二曲をセッションし、ちょうどアンプが壊れ、その場で解散→その後松本さんから稲葉さんをB'zのボーカルとして迎え入れようという流れでB'zは誕生しています。なんともいえぬ塩梅。これで35年続くのですから、つくづく人間関係は不思議ですね。

 有名曲には「ultra soul」だったり、(言わずもがなウルトラソウッ ハイッ のやつ)

「イチブトゼンブ」だったり、(ブザービートという月9ドラマで使われていました。最近でもライブ常連曲!)

最近では「兵、走る」がありますね。(ラグビーの曲!)

③なんでB'zなの?

 常に日本のトップアーティストとして生きているB'zですが、「一体どこがいいの?」というところを個人的にチョイス。

 1.ライブは常にCD音源だから
B'zのライブ映像を見ていると、コメントにはほぼほぼ「口からCD音源」というワードが立ち並んでいます。聞いてもらえれば一目瞭然ですが、ライブ映像の音源と、CD音源がほぼ同じ音で流れてきます。よくある(と言ったらいけないのかもしれないけど)、「CD聞いてよかったからライブいったらちょっと…」問題を真っ向から勢いよく払拭しにくるバンドとも言えますね。
以下おすすめ。

*B'z LIVE-GYM 2015 -EPIC NIGHT-

*おまけ(堂々としりとり負ける稲葉さんかわいくないですか編)

 2.ライブでのお二人の言動がかわいい
ライブ見て。(もちろんYoutubeダイジェストでは見られないのでゴメンネッッッッ)

 3.紡がれる言葉の重さと大きさが最強
本当に書きたかったのはここです。
「私が」B'zを好きな理由ですね。まず最初に、何個か引用していきましょう。

光を求め 歩き続ける
君の情熱がいつの日か
誰かにとっての
光となるでしょう
誰かにとっての
兆しとなるでしょう

光芒-B'z(ACTION)

どこかであいつがベソかいて
どこかでおまえがブッ倒れて
どこかでボクがヤケになってる
味方がいないと叫んでいる
みんな生まれも育ちも違ってるし
ベッタリくっつくのは好きじゃない
いざという時手をさしのべられるかどうかなんだ
だからなんとかここまでやってこれたんだ

Brotherhood-B'z(Brotherhood)

有名どころといえば、ここら辺。
光芒は2009年、Brotherhoodは1999年の曲になります。
いずれもアルバム曲ですが、ファンの間では根強い人気がある曲ですね。
こういった「ふとした瞬間に様々な人に刺さる音楽を」「アルバム曲で」「こっそり」と出してくることに定評のあるB'z、というか稲葉さんですね。もちろんシングル曲でも人々の心を大きく動かすような歌詞はズラズラっと並べられますが、こういった重たさのなかに深さのある曲を披露するのはいささか「ちょっと恥ずかしいじゃないですか」とこぼす稲葉さんの姿が想像できてしまいます。侘び寂びですね。明るくないけれど、暗くもなく、だからと言ってシングル曲にできるほど、活発ではない。そういうところが、稲葉さんが稲葉さんたる所以でしょうか。
 稲葉さん、なんというか「主役」ではないのです。「陽」でもないというか。ライブでは歌って飛んで跳ねて、夫婦漫才という名のMCをこなしていますが、その後ろに並ぶ数々の努力の量がエグすぎて、「陽」のこなし方ではないのです。私は少なくとも、彼はポジティブではないと思っています。常に「最悪」を想定する人だと思っています。人間関係・恋愛・仕事。すべてのことにおいて「最悪」を想像している印象です。こと人間や恋愛に関しては「いや待て、まだ確実じゃない。この場合の答えはこうで、でもそうじゃなくって……」と永遠と自分の中の想像上の相手と問答をするイメージですね。例えば、

終点のない列車ならよかったのに…
陽の沈む窓に映る君 憂い顔を気にしている
欲しいものを奪う気持ちが
わかるような気がする今
もしかしたら彼が君を
追いかけてるかもしれない

STARDUST TRAIN-B'z(Break Through)

 こういうのとかが目白押しなわけです。全部じゃないですよ。もちろん一部だけですし、B'zというよりは、これは「稲葉さん」の言葉なので、稲ソロのほうにより多く残っていたりします。タイトルからしてもそうでしょっていうものとか(ex.横恋慕)

④ネガティブも時には重要でしょう

 結論です。
ネガティブになったっていいでしょ、ちょっとくらい自分の中の陰鬱な気分に浸ったって罪じゃないでしょ。という感覚で、私はB'zを聞いています。ある種、「稲葉さんほどの顔・頭の出来・歌の才能をもってしても、できないことはある」という踏み台みたいな、そういうあんまりよくはない傾向での話になってしまうのですが。「誰にでもできないことや難しいことはあるんだよ」という風に、遠慮がちにこちらをいたわる稲葉さんの声が聞こえてくる気がするのです。「いつも走ってたら疲れるんだから歩きゃいいじゃん、たまにはね」という感じでしょうか。人生の伴走者を上げるのならば、僭越ですが私はB'zのお二人を挙げるでしょう。謙虚に、ストイックに、でも確かな力をもって、彼らは日本のトップに立ち続けています。その背中を追いかけるように、時にはスピードを上げて彼らと並走するように、私は人生を歩んでいきたいと、そう思うのです。

最後に、お気に入りの動画を一つ。

これ見ると、B'zの半生が自分の思い出と一緒に流れていきます。
苦くても、甘くても、自分の思い出なんだから、と笑ってくれる人が近くにいることの幸せを嚙みしめて生きていきます。

35周年ライブあたりますよ~~~うに!!!