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株価下落の本質と今後の展望

 直近の株式市場は、米長期金利の上昇と世界同時株安という流れが継続している。FOMCや企業決算を控えて積極的な買いへの期待感も乏しく、先物に振り回される動きが継続している。
 ただ、直近の大幅な下落は先行きの経済懸念をベースにしたリスク・オフとは断じて違う。事実、ドル円にほどんど動きがない。
 前日は、米国長期金利が一時5%を突破した。その際に日経平均先物は大きく下落していたが、米長期金利が低下すると逆に上昇に転じている。この動きからも、直近の変動は何が要因なのかは一目瞭然だろう。
 2022年から繰り返される米長期金利と株売りというトレードが続いているだけである。なお、金利上昇でリセッションに繋がるとの見方は、既に後退したように、直近の下落もファンダメンタルズの悪化を意識した売りではないため、米長期金利上昇終了と共に世界同時株安は終わるだろう。
 おそらくマクロ系ヘッジファンドのトレードによる影響なので、下落の本質が分かればリスクかチャンスかの区別もはっきりと分かるはずだ。
 つまり、今回の調整局面も、どう考えても投資の好機なのだ。先行き懸念でディフェンシブなどという素人投資家思考にならないように注意してもらいたい。
 現在の相場調整が金利上昇とグロース売りのトレードが背景なら、逆にグロース株は投機の好機となる。直近のディスコやTSMCの決算が示したように、生成AIの需要が旺盛なことやPCやスマホ向けの半導体需要の底打ち期待を前提にすれば、直近の半導体関連の調整は、積極的な逆張り投資で全く問題がないだろう。
 イスラエルとパレスチナによる地政学的リスクの高まりも、政治と経済の一体化を強化させるだけのイベントなので、株売りではなく、株買いの好機である。地政学的リスクで株売りなんて言っているのは、政治音痴のメディアと市場関係者だけだ。
 現在の世界同時株安は、米長期金利の上昇一巡と共に終了することは目に見えている。前日の米国株の反応でもそれがはっきりと分かるだろう。また、その米長期金利の上昇モメンタムも、前日の長期金利の動向をみれば、そろそろ終了も近い。
 なお、米国の3QのGDPは、成長が再加速する可能性が高いと言われていることも踏まえると、FOMCで政策金利引き上げ終了への期待が更に強まれば、11月相場は大幅な上昇が期待できる可能性は高いだろう。
 なら、現時点の相場調整で何をするべきなのかは、いちいち指摘するまでもないはずだ。
 日本株の長期上昇相場には全く変化がないので、この調整局面をどう利用するべきなのかも自ずと答えは出る。
 米金利上昇による株売りは、投資にとっては優良株の積極投資でOKなのである!

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