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こんにちは!金融ブロガーの本郷マサシ(@Daredemo_Unyo)です。

先進の人工知能ソフトウエアを搭載した投資ロボがあなたの代わりに資産運用してくれる…だけでなくロボットは常に機械学習を続け投資戦略をアップデートし続ける。

これはSFやドラゴンボールZではなく、現実の話です。

2回連続でお届けする「AI投資」、第1回はそのアウトラインと業界動向、メリットやデメリットについて紹介します。

そもそもAI投資とは…その設計思想を探る


投資家ポール・サミュエルソンがコモディティズ・コーポレーションを設立したのが1970年ですから、コンピューターやクオンツ(金融アルゴリズム)を活かした市場取引の歴史も半世紀を迎えたことになります。

この間にITテクノロジーは飛躍的に発展、かつては夢物語だった「AI投資」を現実化したのです。アルゴリズム取引の一種であるAI投資ですが、では従来との決定的な違いは何でしょうか。

従来のアルゴリズムを作ったのは人間であり、人間の英知を超えることはできません。投資の世界でいえば、既知のテクニカル・ファンダメンタルズ分析に基づいて売買注文を繰り返すに過ぎません。

AIが画期的なのは、「機械学習」つまり自ら考える点にあります。膨大な取引情報を収集・分析、そこから生身の投資家では思いつかないような「新しい投資スタイル」を作り出す可能性も高いのです。

囲碁の世界では、ディープマインド社が開発したアルファ碁が名人を次々打ち負かしています。投資の世界でも、そんな日が来るのが近いのでしょうか。


AI投資の開発をめぐる激しい競争


クオンツによるプログラム取引はすでに市場を席巻し、人間が実行する取引はすでに1割に満たない水準です。さらここにきて、プログラム取引をさらに進化させたAI投資も実用段階に入りました。

2018年、アメリカのヘッジファンド「ツーシグマ」がAIファンドを引っ下げて日本に進出しました。AIファンドは2桁のリターンをたたき出し、2兆円を超える運用資産を集めたのです。

それから2年、独立系のウェルスナビやワイジャムプラス、証券系の楽ラップ(楽天証券)や投信工房(松井証券)などが次々と立ち上がり、AI投資は今や群雄割拠の様相。


AI投資の強みと弱み


今後の予測として、トレーダーやファンドマネージャーが行ってきた投資判断の多くがAIにシフトしていくとされています。

とくに、デイトレードのようにテクニカル指標を駆使した短期売買は、間違いなくAIに主役の座を奪われる、というよりすでに奪われつつあります。

人間はチャートや従来のテクニカル指標に基づいて短期取引を行いますが、AIはこうしたツールに頼らず、過去の取引情報から「市場のクセ」を探り当ててきます。

AIは取引データだけでなく、意外な情報源をも投資判断の参考として活用します。たとえばYahooファイナンスの掲示板コメント、決算発表会での経営者発言、人工衛星の画像…あらゆる情報をAIは飲み込み、適格なジャッジを下すのです。

そんなAIに生身の人間は太刀打ちできません。

同じく、ビッグデータを収集しやすい金利・為替・日経平均などの指数取引も、AIの得意で分野です。

一方で、長期の個別株式投資では、さまざまな要件が複雑に絡み合って株価が形成されます。AIが体系的に機械学習するのは難しく、まだまだ個人投資家にも活躍の場がありそうです。

大型株はいずれAIに侵食されそうですが、中小型株に関しては当面安泰といえそうです。

次回は、マーケットで活躍中の有望AI投資ファンドやおすすめランキングについて紹介します。

管理人運用サイト『マネしたい!だれでも資産運用』でも投資に役立つ情報を更新中。資産運用や投資のコツを初心者向けにやさしく解説しているので、是非遊びに来てくださいね!

(完)

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