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日本の公鋳貨幣

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日本が発行した「貨幣」の解説や、流通していた「貨幣」の歴史などをまとめた記事です。1から順に時系列順に解説しています。
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#銀貨

日本の公鋳貨幣41『慶長豆板銀』

日本の公鋳貨幣41『慶長豆板銀』


端数調整に用いられた銀貨

関西地方を中心に、貨幣として流通した銀貨は、秤量貨幣(銀の重さによって価値が定められる貨幣)でした。そのため、取引の度に重さを図ったり、銀貨を切断して重量を調整していました。

ですが、常に商人が正確な重さに切断できるとは限りませんし、140gの銀塊と200gの銀塊しか持っていないときに、143gの支払いのためわざわざ3gだけ追加で削り出すのも大変です。

このような

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日本の公鋳貨幣40『慶長丁銀』

日本の公鋳貨幣40『慶長丁銀』


徳川家康による大黒常是のスカウト

徳川家康が構想した貨幣制度である三貨制度は、金貨、銀貨、銅貨の三種類の貨幣を、それぞれ変動相場制(幕府としては固定相場にしたかったようだが)で取引させるという試みです。

前回までは、その中核を担っていた金貨を紹介していきましたが、今回は、銀貨です。江戸幕府の銀貨は、銀座という役所で鋳造されていました。東京都銀座の地名の由来になった役所です。

すべての銀貨の

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