非デザイナーの「デザインリテラシー」の重要性 │ 不快のデザイン展
今日は気になりながらずっと先延ばしにしていた「GOOD DESIGN MARUNOUCHI」で開催されている「世の中を良くする 不快のデザイン展」に行ってきました。
今回の展示タイトルからするに、使いづらかったり、見づらかったりするNGなデザインの事例を集めていると思っていたけれど、その逆だった。
とあるように、「あえて」マイナスと思われるような手法を用いて課題解決を行っているデザインを集めたもの。
要素や感情のプラス・マイナスが必ずしも課題解決のそれに直結しないということ
私はWEBのUIからデザイナーとしてのファーストキャリアをスタートさせた際、はじめに「いかにシンプルに、要素を少なくすることができるかを考える」という考え方を教わった。
(その当時は「デザイナーってかっこいいな〜」くらいの心持ちで始めた私にとって、「??デザインは要素を足していくものじゃないの?」という疑問しか持てなかったわけだが。。。)
デザインって、要素をプラスすることよりも、マイナスすることのほうが重要で、かつすごく繊細で難しい。
要素が少ないほうが必要な情報がすぐに入ってくるWEBデザインと似て、快より不快のほうが脳の伝達スピードが速いのだそうだ。
ここでいえるのは、
必ずしもデザインの要素や人の感情をマイナスに持っていくことが課題解決におけるマイナスに直結するというわけでなく、むしろプラスに働くこともある ということ。
様々なプロダクトに実際に触れる経験をしたことで、いまになってようやく「いかにシンプルに、要素を少なく」の大切さが分かるけど、
もしデザイナーを志した当初にこの展示があったら、もっと早くにその重要性に気づけていたと思う。
会社における非デザイナーの「デザインリテラシー」の重要性
ホットケーキは、ひと手間を加えることで価値を生み出す、記憶力を身につけるために読みにくいフォントを使用する…などの「不快」。
これは、ホットケーキでいうと簡単に作れ、フォントでは読みやすくする、という「快」を取り入れるということより何倍も大きな決断だっただろう。
もしこれらのプロダクトを扱う会社の人々が、「要素や感情のプラス・マイナスが課題解決のそれに直結しない」ことを理解していなかったら…?
目先では「使いやすさ」という「快」が生み出されるが、求められる課題解決には至らない。
デザイナーがデザインの目を持つ、或いは持とうとするのは当たり前なわけで、それを理解し、他の部門にパスしていくべき非デザイナーの「デザインリテラシー(と言えばいいだろうか)」のほうに目を向けなければいけないな、と。
今回の展示では、「デザインって絵を描くんじゃないの?」とか「そもそもデザインって何?」みたいな声も聞こえてた。
こういう展示がもっと増えれば、デザインに対する意識も広まるような。
多岐の分野に触れてきたデザイナーは強い(と思いたい)
私は大学の専攻がデザインと全く関係なかった。
けど、赤ちゃんのおむつには、行動分析学で学んだオペラント条件づけ が絡んでいるとすぐ気づけたし、
もしかして観光地の混雑という「不快」も賑わいというデザインでもあるのでは?という観光行動的な解釈ができたりした。
ありきたりだけど、関係ないと思っていた自分の研究分野が興味や職業であるデザインにつながるのは嬉しい。
いや〜、久々にデザイン系のイベントに行った気がする。毎回リストアップはしているのに後回し後回しで逃すことばかりだったので、ちゃんと行こう。そして感想書こう
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