見出し画像

合気道白帯のあなたが1年9ヶ月で三段になる方法

私は1年9ヶ月で合気道三段を取りましたが、昇段ということにおいては、私自身の努力だけでなく、私の先生の合気会における影響力(政治力?)などが少なからずあったのではないかと思います。なにしろ入門してから1年9ヶ月で三段に昇段するというのは異例中の異例だそうなので…そう簡単ではなかったようです。

なので、タイトルには、三段を「取る」ではなく、三段に「なる」としました。「なる」だったら、免状は無くても三段相当の実力を持つということで三段を取らなくてもいいと考えますので…

だから、1年9ヶ月で、あなたは三段は「取れない」かも知れませんが、実質的に三段に「なる」ことはできるだろうと思われる稽古の方法を以下述べて行こうと思います。


合気道の本質な要素を考える


合気道の本質的な要素、つまり合気道を成りたたせているものは何かについて考えます。

合気会のホームページの「合気道とは」の項目に以下のような文があります。

合気道は、開祖・植芝盛平翁(1883~1969)が日本伝統武術の奥義を究め、さらに厳しい精神的修養を経て創始した現代武道です。合気道は相手といたずらに強弱を競いません。入身と転換の体捌きと呼吸力から生まれる技によって、お互いに切磋琢磨し合って稽古を積み重ね、心身の錬成を図るのを目的としています。また、合気道は他人と優劣を競うことをしないため、試合や競技を行いません。

合気会ホームページ「合気道とは」より

「入身と転換の体捌きと呼吸力から生まれる技によって、心身の錬成を図る」という文章があります。つまり、入身、転換、呼吸力が合気道の根幹なのであろう、ということがわかります。

私も合気道を稽古するにあたって、上記の三つを重視しました。

具体的な主な稽古方法は次の通りです。
1)素振り稽古法
2)入身稽古法
3)転換稽古法
4)呼吸力養成法
5)見取り稽古法
6)実戦を意識した道場稽古法

素振り稽古法

私は、入門した初日から木剣を持っての素振りを稽古させられました。どのような素振りであったかということについては、下の二つのWebサイトをご覧いただければご理解いただけると思います。ほぼそのサイトに書いてあるような方法で素振りを稽古しました。特に、「四方斬り」と「八方剣」については徹底してやりました。この四方斬りと八方剣には、合気道の極意とも言える要素が含まれているからです。

素振りについては、正面斬り、切り返し捌き袈裟斬り、四方斬り、八方剣をそれぞれ200回から400回程されることをお勧めします。

時間がない時は、全体で少なくとも20分くらいは行うと良いでしょう。この場合は、素振りの各項目ごとに5回〜20回くらいの反復回数となります。 
もしも、他の稽古をしない場合でも素振りだけは毎日5分でも良いですので続けてみてください。その成果は、必ず道場の稽古において出てくるはずです。

なお、自宅などで素振り稽古をする場合は、木剣を振り回すことは出来難いと思いますので、その時は短刀取りに使う「短刀全体」を木剣の柄と見立てて素振りを行えば、狭いところでも可能です。

合気道は、素振りに始まり素振りに終わると言っても過言ではありません。

入身稽古法(入身当)

これには、徒手の場合とサンドバックを使った場合の二つの方法があります。

徒手の場合

不動立ちまたは逆八字立ちで、一刀一足の間合いから入身当を左右交互に行います。一人稽古です。

回数は、200回から400回くらいを目安にしてください。

コツは、脱力状態から一歩踏み込んで当身を入れる時に呼吸を吐くと同時に正拳を強く握ることです。

入身で入る角度は30度くらいです。イメージとしては、相手の攻撃線に対してスレスレのところで入って行くような感じになります。

この稽古によって、入身と当身を鍛えることができます。合気道の稽古においてはとても重要です。

サンドバックを使った場合

要領は、徒手の場合とほとんど同じですが、注意することが4点あります。
1)最初は軽く打つようにし、段々と強くしてゆくこと。
2)打つときは、吐く息とともに行うこと。
3)やりすぎには注意すること。最初は10回くらいから始めて、
   多くても50回くらいにする。慣れたらこの限りではない。
4)サンドバックに当てる瞬間は拳を強く握り、拳頭や手首を痛めないよ
   うに注意すること。

転換稽古法

すでに合気道経験者ならば、所属道場で教わっているでしょうから、基本的にその通りにやれば良いと思います。だだ道場でやる回数は少な過ぎます。これも200回から400回ぐらい行うことをお勧めします。時間がない場合は5分でも良いので毎日行ってください。大事なことは「毎日継続すること」です。これは全ての稽古に共通します。基本的にはこれも一人稽古です。

参考動画をリンクしておきます。

呼吸力養成法

これは、合気道において一番大事かもしれません。私の合気道の先生も「呼吸力が完全にできるようになったら合気道は完成です」と言っていました。それくらい大事だということです。

稽古法としては、合気会のやり方よりも養神館のやり方をお勧めします。
そのやり方で相手に両手で持ってもらって行う方法をお勧めします。

コツは、自分の片手を持ってもらう場合に、相手に全力で持ってもらうことです。こちらは、持たれていることを気にせずに、吐く息とともに「腕は円相にして水走る」とイメージして、まるく円を描くように腕を上げて行きます。この時大事なことは、腕で上げるのではなく、足腰と臍下丹田からの力であげるというイメージです。

回数は、左右10回ずつくらいでいいでしょう。時間があればもっとやってもいいですが、回数は徐々に増やして行くようにしてください。最初から多回数やると筋や関節を痛めることになりますので、注意が必要です⚠️

一人で稽古する時は、重い木刀で30回から100回くらい振ってみてください。これも呼吸力をつける方法です。昔の侍は重さ約12kgで長さ2m位の棒を1000回から3000回振っていたそうです。


見取り稽古法

この稽古は、私独特の稽古です。見本となる師範の模範演武の動画を100回以上観ます。その師範の演武が目に焼きつく程に観ます。ポイントは、超がつく程の最高の技を観ることが大事です。

DVDも出ていますので、これはと思った師範の動画を観てください。

あと、「見る」ではなく、「観る」です。目を瞑っても、模範演武のイメージが映像として残るくらいに観ます。言い方を変えると「観察する」です。

一応、参考動画をリンクしておきます。

実戦を意識した道場稽古法

これについては、私の合気道の先生が「戦前の合気道」、つまり昭和6年から昭和15年まで植芝盛平翁の内弟子で、皇武館の師範代として軍人を中心に指導していた関係で、私たちの稽古も実戦(護身)を意識したものでした。詳しくは、「私が習った合気道…それは普通の合気道ではなかったのです😲」というサイトをご覧ください。

まとめ

1)素振り
2)入身
3)転換
4)呼吸力
5)最高の技を観察する
6)実戦(護身)を意識する
7)豊富な稽古量

以上の要素を満たす稽古が、合気道上達の秘訣ではないかと考えます。

その他にとても大事なことは、良き師につくということです。

以上


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?