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私の感情

たった今、とある小説を読み終えた。
『世界から猫が消えたなら』

そして、今私はパソコンに向かっている。別に、この本の感想が書きたい訳ではない。何か自分の中溢れてくる感情を書き留めておきたいと思ったのだ。

突然だが、私は感情が忙しいタイプだ。誰よりも、感覚が敏感で繊細で感受性が豊かだと思っている。しかし、少し前まではその感覚に蓋をしていた。ただただしんどいからだ。常に、心が剥き出しであらゆる感覚に晒され続けることは、とてもエネルギーを使う。私は、不器用なのでその感覚を処理する能力が追いつかなかった。今も、できてるとは思わないけど。だから、心に蓋をしカバーをかけて、いつも身体の奥底にしまってきた。

そして、その結果、私は心で感じることができなくなった。両親からの愛情がうまく受け取れなかった。人と繋がる、人を信頼する感覚がわからなかった。それも、そうだ。錆びれた心は、いつしか動かなくなってしまったのだ。

時は流れ、18になったとき。転機が訪れる。(転機というと聞こえが良いかもしれないがあえてこの言葉を選ぶ。) 大学入学直後に、ある理由から挫折し、休学することになったのだ。私の心は、限界だったのかもしれない。そして私は、長い休息の機会を得ることになった。さらに、少しずつ人と関わることを得て、心のリハビリを始めた。

当時は、全くそんなことを考えていなかったので、私がうまく再出発できたのは、見守り支えてくれた家族と、あの時出会った人たちのおかげだ。

あれから4年。いろんな経験を経て私は、とても成長したと思う。自分の心に素直になった。そして、今も日々いろんなことを感じ成長を続けている。


最近私がしていること。何かに対してふと溢れてくるこの感情に、意識して向き合い、味わうようにしている。上にも書いたが、私の心はとても繊細だ。特に、音に関してはいろんなことを感じる。何気無く入ってくる自然の音や、いつも聞いている音楽、など時には音がイメージとなって絵で視えることもある。音だけでなく、文字や映像、視覚から入ってくるものに対してもイメージを得ることがある。残念ながら、絵心がないのでそれを共有はできないけれども。

特に、ここ1ヶ月は感情が忙しかった。いろんなことがあっていろんなことを感じた。それを、自分なりに味わって、向き合って今のこの瞬間の自分がいる。

演劇をしていた時にも教えてもらったけど、感情は”なまもの”だ。刻々と変わり続ける。二度と同じにはならない。それって、すごく美しいと思う。私から紡ぎ出される言葉は、私の感情の記録だ。

だからこそ、私は今溢れ出てきたこの感情を誰かに伝えたいと思った。
心が高ぶった時、いつもは文章を書くのが苦手な私の中から流れるように言葉が出てくる。その時に、私の綴る言葉は、自分で言うのもなんだがとても美しいと思っている。今書いている文章に対する感情を言葉で表現するなら、前半はオレンジと赤が混ざったような暖かいイメージ。そこから後半にかけてピカピカと光って綺麗なイメージだ。うーん、表現できない。

残念ながら、私の溢れ出てくる感情はそう長くは続かない。現に、今、少しずつ消えていってる。蛇口の水を止める感じじゃなくて、少しずつ掠れて消えていく感じ。この余韻も結構好きだ。今日は、いい夢が見れそう。

私は、とても人と話すことに対してエネルギーを使う。夜でみんなと濃い話をした次の日なんかは朝寝坊決定だ。でも、それってちゃんと心を使ってるからだって、最近ようやくわかった。そして、そのエネルギーを補充するのにとても時間のかかるタイプだってことも。でも、それが私だ。疲れるけど、感じないより全然いい。それは、ここ数年の私を知っている人なら納得していただけるかと思う。

感じて、眠って、また感じて。自分のペースで人生のんびりいこうじゃないか。

この記事が私にとって初めての感情の言語化、文章化になると思うのだけれど、それって、感じてそれを味わう以上にエネルギーがいることが、今これを書いてわかった。時間勝負だから、集中力もいる。今、ここを離れたら、二度と同じ文章は書けないだろう。

でも、これから少しずつ感情の言語化ができればと考えている。生きた証というものは、写真だったり、人の記憶だったりいろんな形で残るものだと思うけど、私の人生の足跡をこんな形で残せたら素敵だなと思ったからだ。(決して、死期が近いわけではない。)

ここらが限界みたいなので、終わりにします。

読んでくれてありがとう。

追記
冒頭でも記したが、私がこの記事を書くに至った経緯は、小説『世界から猫が消えたなら』を読んだからだ。なぜ、この小説を読んでこんな記事を書きたくなったのかは、正直私にもわからないが、この小説の解説にとても心にストンと入ってくる一文があったのでここに残しておく。

この物語は、『すべての喪失した人たちの心に響きあう。』

ピンときた人は、この小説を読んでみても良いかもしれない。



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