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地域企業が陥りがちな間違った「ブランディング」もうやめませんか

3年前、地方に移住しデザイナーのキャリアを積みはじめました。当時から意識していたのが「ブランディング」という言葉。最近では地方の小規模事業者でもほとんどが意識するようになった単語だと思います。

まずはじめに、Wikipediaでの「ブランディング」をご紹介すると

ブランディング(英: branding)とは、ブランドに対する共感や信頼などを通じて顧客にとっての価値を高めていく、企業と組織のマーケティング戦略の1つ。ブランドとして認知されていないものをブランドに育て上げる、あるいはブランド構成要素を強化し、活性・維持管理していくこと。また、その手法。

これは正しい説明なんですけど、このブランディングという言葉、最近ちょっとひとり歩きしているような気がするのです。その正体は「ブランディングにおいて何が大事だと思いますか?」に対しての答えにありました。

「ビジュアルを統一していくことが大事です」「ブランディングをするためにロゴを作り直そうと思って」と返ってきます。いわゆる「ビジュアルデザインの話」ばかりが先行しているんです。

デザイナーとしては、クライアントの意向を顧客に認知してもらいやすように、ターゲットや制作物の方向性が決まっていれば「デザイン」「キャッチコピー」「ライティング」は行えます。

「デザイナー」は、制作物に結果が出せればそれなりにはきっと「ありがとう」がいただけます。けれど、10年20年・・・人の寿命以上に企業の経営は長いです。そんな中で「デザイン」だけでほんとうに商品は顧客に長らく愛されるんでしょうか。「ブランディング」という言葉が「クリエイション」に傾きすぎではないでしょうか。

真のブランド価値は真似されない

これは、わたしがクライアントにお渡ししている資料の一部です。(それゆえに農家さんよりの図になっています)わたしのブランディングの手法は「経営理念」を1年ほど向き合って確立させてから、ビジュアルデザインを作っていきましょうという提案。ビジュアルデザインは方向性の舵取りまではサポートし、連携できるデザイナーさんとお仕事をする予定です。

デザイナーの仕事の中心や「ビジュアルデザインにブランディングの比重を置きがちな人」が考えるのは「HOW=どのようにお客様に届けるか?」がほとんどではないでしょうか。

ただ、残念なことにどのように届けるか、どんな商品かという前に「なぜその商品を売るのか」ということが言語化できない企業の商品やサービスを「好んで」買いたいとは思えません。

昨今ではミニマリストという言葉があったり、消費のあり方がどんどん変わってきています。最所あさみさんという方は自分自身のミッションをこんな風に掲げています。

「知性ある消費を作る」

モノが豊かになりすぎたこの時代、消費の動向はまさに「知性ある消費」に喜びを見出す人がどんどん増えていくと思います。「地産地消」に意義を感じるのは自分の消費の行方がわかるからですよね。

そのため「なぜ?」を言語化できる経営者になれたらどれだけ生きがいと誇りをもって商品を世の中に販売することができるでしょうか。

同じ商品であっても「なぜ商品を売るのか」は企業によって絶対に違うはずなので、お客様を他社から奪うのではなく、自分たちの商品を届けるべきお客様に見つけて買ってもらう、というマッチングの成立へのあらゆるステップがブランディングで大事にすべきことだと思うのです。

経営理念を具体的に見つけるには?

字数が多くなり読むのも疲れてきたころでしょう(笑)

もしこのnoteをみて「経営理念を明確にしたくなった!」という方がいたら、何日も考えて作り上げた上の提案資料にほとんどが詰まっていますので、ご覧ください。(雑)

「この資料を出したらお仕事なくなっちゃわない?」と思われるかもしれませんが、各人が「経営理念」見つけることは本当に素晴らしいことだと思ってます。だからお仕事でなくても、経営を通して「人生を豊かにする人」がこの世の中にひとりでも増えたらなんの問題もありません。

ちなみにわたしのミッションは、

「“ある”を知る」を、増やすこと。

すべての人が必ず何かを手のひらにもっています。「ない」と思っている人でもわたしはひとの「ある」を見つけるのが得意であり、生きがいです。

だからこのミッションが崩れない限りは、デザイナーじゃなくたっていいし、肩書きはなんでもいいんです。


おまけ

このツイート、本当に激しく同意です。

この記事で「経営理念」についてもっと知りたくなったという人がいたら、もっと詳しく記事書こうかなとも思います。

経営理念の明確化のお仕事は昨年からクライアントと半年くらいかけて打ち合わせしてようやく今年始動したお仕事です。1人でも自分の武器、そして企業の魅力を引き出すお手伝いができたらとあれやこれやと思考を深める日々です。

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