MonchériNeco

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春のたまごと春の猫。ときどき、犬。

小さな猫の星、モンシェリネコ。 三つの国のうちのひとつ、はぐれ猫が集うサーカスの国の物語。 「うふふ。生まれたら何て名前をつけようかなあ」 ピエロ猫のコマコは、天鵞絨のような毛並みがいちばんの自慢。 今は、その柔らかなもふもふのお腹に、なにやら派手なたまごを抱いています。 おやおや。コマコは男の子じゃなかったかしら。 「こんなに綺麗な模様だもの。きっと、とびきり珍しい鳥が出てくるぞ」 そうしたら、敬愛する先輩ピエロ猫、コハクさんにプレゼントしよう。 弟分の新米団員まろは

    • バレンタインの犬と猫

      うふふ。 コハクさんとコマコさんは、喜んでくれるかな。 よしよしって、頭を撫でてくれるかな。 そうしたら、ボクは二匹に「大好き!」って伝えるんだ。 猫だけの星、モンシェリネコ。そこに住むただ一匹の犬、まろ。 でも、まろは一匹ぼっちじゃありません。猫のピエロ、コハクとコマコという家族がいるからです。今日の彼らはどこかへお出かけしてるのか、まだ家には帰っていないようです。まろは(しめしめ)とお菓子屋さんの包みをテーブルへ置きました。 「今日はバレンタインなんだって!」 椅子に

      • 兄妹猫のパネットーネ狂想曲

        パネットーネ。 宝石みたいなドライフルーツがぎっしり。 パネットーネ。 たっぷりチョコレートのかかったココアの香り。 パネットーネ。 真っ白な砂糖がけのしっとりスポンジ。 赤いリボン。ひいらぎの葉っぱ。きらきらのパッケージ。 クリスマスまでに、何個食べられるかな? パネットーネ!! 金平糖の形をした小さな猫の星、モンシェリネコ。 なかよし兄妹猫の国では、もうじきクリスマスがやってきます。 けれど、兄猫の麦は浮かない顔。溜め息をつきながら路地を歩いていました。 「あたし

      春のたまごと春の猫。ときどき、犬。