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うんどうかいにて

娘の通う保育園で運動会があった。
4歳になった娘は3歳児クラスなので、今年で2回目の参加になる。ややこしくてごめんなさい。

最近、多くの保育園で「荒馬」と呼ばれる、民族舞踊的な踊りを実践しているという。娘の通う保育園でも、それを取り入れており、運動会では一連の踊りをクラス毎に披露することになっていた。

昨年は、競技が終わると解散したため見たことがなかった。初めて見る荒馬は、生き生きとして、とても楽しそうだった。音に合わせる、友達を気にする、そんな姿に嬉しくなった。最後は5歳児クラスの演技だったが、これもまた圧巻だった。それまで先生方が着いて列を誘導していたが、5歳児にはそれがなかった。子どもたちだけで、踊り、跳ねていた。ただ踊るだけではなく、色ごとに輪になったり、交差して走ったり、それは3年間荒馬を踊ってきた子どもたちの集大成のような完成度であった。

はじめての参加だった昨年、驚いたことがあった。開会式後の準備体操で、5歳児クラス(年長)の子どもたちがお手本として前に並んで体操していた。子どものはずなのに、こんなことが出来るのかと思った。堂々たる姿が眩しく、目の前にいる娘も、数年後にこのような成長を見せてくれるのかと楽しみにもなった。子どもたちにとって、憧れの年長さんなのである。

当時3歳の娘が、運動会に参加する様子を見ていると、娘はクラスの中でもきっちりとこなす子であった。これは褒めているのではない。しっかり者というか、大人の期待に応えるような、親として安心できるというよりも、もっとのびのびしてほしいと思うような姿であった。だから、親子席では甘えて離れない時には、まだ3歳だからなぁと思って安心もしていた。

そして、今年。

娘はちゃんと大きくなっていた。それはすぐに分かったのだが、さらに新しい発見があった。昨年の思い出を重ねながら、娘だけではなく子どもたちを見ている自分がいたのだ。あの子はずっと泣いてたなぁとか、あの子走るの速くなった、とか。娘が成長するように、どの子もちゃんと成長していた。

そして、来年や再来年は、こんなふうになっていくのか・・と上の年齢のクラスの子どもたちを見て、娘を重ね合わせてみる。大きくなるだけでなく、強くて、自分で考えて動くような、ひとりの人間が育っていくのかと期待が膨らむ。

観客席は、きっとそんな気持ちの親たちが多かったのだろう。どのクラスの競技でも、温かな視線があり、競技を終えると大きな拍手が起った。それは、子どもたちへの労いでもあるが、ここまで育ててくれた保育園やお世話になっている保育士の先生方への感謝でもあった。競技とは言え、勝ち負けをはっきりさせるのは、保護者向けの玉入れぐらいだった運動会。子どもたちが、にこにこと笑っていたリ、キリッと真剣な目に切り替わるのを見られただけで、見に来られて良かったと思う。

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