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孫対応

うちの息子(4歳)は「す」の発音が苦手だ。舌足らずで「つ」になってしまう。大好きなお寿司も、おつし、になる。

たまに会うじいじ(私の父)は元大工。長年、姫路城の修復に携わり、今も兵庫県の城下に暮している。工作の名人で、息子のよき先生だ。

久しぶりに会いに行った日、息子がひもを両手にじいじにお願いしていた。

「これ、むつんでー。」

「むつんで?むつぶ?あ、"睦ぶ"か!難しい言葉知ってるなぁ」

「あかとあおはいっしょで、しろはながーくして。」

ちょっと違うけど、父はニコニコとひもを結び始めた。結ぶのも睦ぶのも、実は同じことかも知れないな。息子には難しすぎる言葉だけど、まぁいいか。ちょっと気になっていたことが、不意に軽くなった。

仲良く楽しく。仕事や家族にあんなに厳しかった父が、いまは孫と一緒になって笑っている。元気になって良かった。

息子はこれから、どんな人たちと関係性を睦んで、いや「結んで」いくのだろう。






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