サカナを食べると
♪さかな さかな さかなー
♪さかなーを たべーるとー
鮮魚コーナーに流れる曲が流行ったのはいつだったでしょうか。僕は魚が嫌いではないけれど、意識していないとなかなか食べられない生活になっています。
手軽に手に入らなくなったこと、が主な原因だと思うのですが、気がつけば魚を食べるときには「今日は魚だな」と意識的に食べている感じがします。
きっと、本来的に好きなものであるし、肉とは違う素材の味や、ご飯との相性、何より独特の脂が好みなのかも知れないと考えるのです。
幼い頃、僕の父はこう言って僕を魚好きにさせました。
「魚を食べると、泳ぎが上手くなるんだ」
後から聞けば、それはただの冗談だったらしいのですが、素直と誠実を人型にしたような(自分で言うな)幼い僕は、ちゃーんと信じ込んでしまったのです。
魚を食べれば、泳ぎが上手になったのか分かりませんが、水泳は僕が唯一、安心できるスポーツになりました。
魚は苦手ではないけれど、焼き魚は少し面倒臭くて、でも綺麗に食べることを目指して楽しんでいました。今は、誰かと一緒にテーブルを囲むことがほとんどありませんが、みんなで焼き魚を食べると、食べ終わりの美しさに密かにこだわっています(笑)
大手スーパーに就職して鮮魚担当になった友人は、手を傷だらけにしながらも、魚を食べる人が減っていることを憂いていました。
僕は、転職して、釣り好きのおじさんに出会い、はじめての海釣りで、船に酔うまでは快調にカワハギを釣り続けたりしたのもいい思い出です。
大人になって、結婚して、こどものために「魚」と思っても、普通に食べている感覚はまだ戻らないままです。
そんな暮らしの中で、ランチに美味しい魚が食べられることを発見しました。最近職場の近くにできたビルに、新橋に本店がある魚料理のお店が入っていたのです。
はじめていくお店には、なぜか、なかなか受け入れられにくい経験が多くて、いつも変に緊張しながら行くのですが、その日も同じ気持ちでした。
食べたいと思って最初に注文した定食は「売り切れ」。予定通りの展開なので、第二希望を伝えて待っていると、きらきらの鮪丼がやってきました。
あ、美味しいなぁ。
二度目の利用でも、相変わらず第一希望がなく、ブリ大根を選択。鰤のアラがずしんと入っていて、刺身もあって、これも美味しかった。
三回目は、相変わらず第一希望は食べられなくて、アジ御膳。
ちなみに、第一希望はアジフライなのですが、アジ御膳は注文できるのに(しかも、アジフライが入っていた!笑)、アジフライは売り切れなのだとか。どういうことなの(笑)
四回目ともなると、アジフライはもういいかと言う気分になって、周りから頼む声が多くて気になっていた、ぶりしらす丼にしました。
この鰤がとても脂が乗っていて、醤油を落とすと脂が染み出してきました。なんとなくその分離した醤油が好きで、食べてないのに、何か得した気分になるのでした。
四つの魚定食を食べて思ったのは、魚はとても柔らかいということ。そして、家庭で作るには材料の扱いが難しいということでした。冷凍ならば日持ちはしますが、いざ調理となるとすぐには解凍できないし、生臭さも抜けません。
大人になって、仕事をして、昼ごはんに好きなものを食べる幸せ、そして美味しい魚・・とりあえず自分の魚食べたい欲は満足出来そうな雰囲気です。
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