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育児休業狂想曲

いつのまにか、育休の取得についてはほぼ義務化されていますね。法定しなければできないというのも世知辛い世の中だと思うけれど、その実、仕事は誰がやるのか問題があります。

ご存知の通り、公務員、特に役所の職員は縦割りで仕事が決まっています。転職して初めての年に、業務の名前の一覧表に、職員の名前と記号が並んでいたのを見てギョッとしたのを覚えています。

何かというと、事務分担表といういかにも役所らしい「決め事」の表。

この仕事は、〇〇さん(◎印)、その補助として〇〇さん(◯印)、のように仕事の内容と担当者が表になっているのです。それ以外はできない(やらない)建前にもなっていて。

しかも、公務員には職種という区分もあって、事務系と専門職系の職員が同じ職場にいることがあります。専門職の中にも、保健師や建築系などさまざまな人材がいて、とにかく縦割りであるので、事務系で採用された者は専門職の仕事はできません。

反面、事務は、裾野が広いのです。そして、役所の仕事には、すべてに担当者がいるはずということになるのです。

事務に限らず、昨今の役所はやることが多い。

男性の育休は、どのくらいの期間が適当なのでしょうか。さまざまな意見がありますが、僕は1年間ではないかと思います。

役所では、およそ1年で仕事が一巡するため、途中で抜けて、また途中から戻るというなら、(期間的な)一区切りを育休に充てるのが組織においても理想的だろうとも思うのです。

しかし、男性が1年間も育休を取れるかというと、なかなか難しいかなと。それは、仕事の面もあるし、世代間の意識の差がやはり根強いのではないかと考えたりします。

多くの場合、経済的な不安、のような当たり障りのない理由をつけて理解されるけれども、僕はそれが体のいい言い訳のようだと思えてならないのです。

周囲の環境もまた、男性の育休の取得への動機づけになるから、僕は自分のためにも、後輩のためにも育休を取りたいと思っています。

赤ちゃんが産まれるのは、数ヶ月前から予定されていたことで、育休を取るか取らないかも、決めていたし期間もなんとなくイメージして、周囲に伝えていたものの、実際に取るとなると言葉にならない圧のようなものを感じています。

よく「お互い様」という言葉で語られる残された者への説明も、不妊治療を続けたけれど子どもに恵まれなかった人や、そもそも結婚していない人もいるなかで釈然としないはずです。

さらには、期間の長さについても「こんなに忙しいのに」といった言葉によって自由が奪われてしまう気がします。

育休を取るのは権利だし、もはや義務化されつつもあるけれど、取りたくない人にとっては、それが逆に少子化に寄与しているのではないかとも思うのは意地悪なのかもしれません。

男性の育休のことを考えると、いつのまにか仕事と暮らしが逆転しているように感じてしまうのです。

残業して、夜遅くに帰って、タイミングが合えば、赤ちゃんを抱っこしたりミルクをあげたりします。育休はその機会を増やすために、仕事を休むもの、なのでしょうか。

育休って、赤ちゃんだけだじゃなくて、上の子たちのためにも必要です。そして、妻のためにも、そして手伝いに来てくれている妻のお母さんのためにも、そしてかけがえのない経験を得る自分のためにも、必要です。

そして翻ってみると緊張感の高まりやら、やったことのない業務への手助けやら、マニュアル作りやらで、円滑さはなくなるとしても、弱点が見えてくるのが、職場という組織かも知れません。

育休中の事務分担表やマニュアルの作成を夜な夜な進めていると、つくづく勘や経験で仕事している部分が多いことに気が付くのです。


育休対応だけでなく、今後も使えるマニュアルにするとなると、あと1年は育休取れそうにありません(笑)


#考えていること #男性育休

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