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全ては笑われる人生から始まった

「校長先生のお話!」

体育館に響き渡った教頭先生の声。

上の空だった私はその声に反応してしまった。

「はいっ!!!」

腹の底がこんなに深いのかと関心してしまうほど、太く力強い声が飛び出した。
学校長でもないくせに、返事をしたのは間違いなく私だった。
あれは小学校6年生の頃だったと思う。

ステージ上の教頭が、脇に進む足を止め思わず立ち止まる。
全校生徒が声の出どころを探り、キョロキョロと周囲を窺っていた。
近くにいた生徒達は、迷うことなく私に正気を疑う目を向けてきた。

真顔のまま直立不動で動けなくなっていた私に、隣にいた堀くんが小声で言った。

堀「まっ子、返事したならステージいけよ。」

混乱した私は「え?行くの?」そう堀くんに問うた。

無言のまま見つめ返してくる堀君。
意を決してステージに向かおうとした時、堀くんが言った。

堀「馬鹿か、お前!」

体育館は笑いの渦になった。

これが産まれて初めて大勢の人を笑わせた出来事だったと思う。
もちろん故意ではなく、いつも通りの上の空に外部刺激が加わり発作のように条件反射でそれに答えてしまっただけのこと。
みなさんはすでにおわかりだと思うけれど、これは笑わせたと言うよりも、笑われたと言うのが正しい。
振り返ってみると、私の人生、笑われてばかりだった。

中学生の私はバレー部に所属していた。
県大会出場が常連の強豪チーム、そこで私は運悪くレギュラーを務めていた。
あれは県大会での試合中のことだった。
突然ブラジャーのフォックが外れた。焦った私は片手で胸を抑え、向かってきたボールをもう片方の手でレシーブした。ボールは綺麗にセッターに渡り、同級生のエースが重いスパイクを相手コートに突き刺した。
もうまんたい。

その直後、相手チームがタイムをとった。

私の片手レシーブに激怒した顧問が言った。

顧問「なんだ、さっきのふざけたレシーブは!!!!コノヤロおおおお。」

全身凶器のような顧問の怒りにチームメイトも私も縮こまった。

絶対服従。
顧問を目の前にして私たちがやるべきことは、常に気をつけの姿勢を保ち、気を張り詰めることだ。
そして何かを問われたら、覇気を持って答えなければならない。
ひとつでも間違えれば、顧問の逆鱗に触れ、ボールやパイプ椅子がすっ飛んでくる。

だから私は即答した。

私「ブラジャーのフォックが外れましたっ!!!」
そこまで言えば察してくれると思った。

なのに顧問はとんでもないことを言った。

顧問「だからどうした!!!コノヤロおおおおおお」

今ならわかる。
顧問が言いたかったのはどんな事態でも試合に集中しろという意味だ。「すみませんでした」と謝ればすんだはずだ。
でも、私はあの頃から馬鹿だった。「だからどうした」に答えなければと思い気合を入れて答えてしまった。

私「乳首が見えてしまうと思いました!!」

私の声はでかい。

笑いをこらえる部員の肩は震え、吹き出しそうになり口を抑えてしまう者もいた。
真面目に真実を伝えた私に顧問は小さな声で言った。

顧問「ふざけやがって。」

ふざけてはいない。本気だよ。

コートや応援席のあちこちで私を笑う顔がちらついた。

高校生になると「笑われる」より「笑う」ことに快感を覚えた。毎日の些細な楽しみは授業中にまわす紙だった。
小さな紙に卑猥な言葉を一言書き、それを教室内にいる誰かをターゲットにまわすのだ。
授業中の緊張感、紙を開いてしまったクラスメイトが、笑いを我慢する姿も、笑いだしてしまう姿もたまらなくおもしろかった。
授業中に吹き出して注意される生徒もいたが、私の行いはクラス中で喜ばれていたんだろう。だれも「まっ子が変な紙を回してきた」とチクらなかったもの。
一番反応が良かったのは「肛門*屁の出口」という言葉だったと思う。

社会人になってから下品は封印。
母親になった今は「品のいい、優しそうなアマ、ではなくママ」がお決まりの第一印象になっている。
そのため、リアル社会では行えない奇行は家庭、友人間にとどまらせなければならなくなった。
しかし、数年前ニュージーランドに移住、矛先が家庭だけになった私は退屈するようになった。そこで私は文字で奇行することを覚えた。

そう、noteだ。

ある日、私はnoteで新しい笑いと出会った。

ものまねだった。

きっかけをくれたのは、アークンさんだった

彼のスタエフで、ものまね講座を聞いたのが始まりだ。

それまで一度も、ものまねをしたことがない私にとって、ものまねは未知の世界。その上、高度な技術が必要だと思っていた。だって、誰かの真似をするだけでも難しいのに、それを笑いに変える、そんなことが出来るわけがない。そんな風に思っていたが、アークンは言った。

「似てるか、似てないかじゃない!やりきるだけだ!!」

その言葉に背中を押され、調子に乗りやすい私はものまねを練習し、師匠アークンに練習しているアピールをした。

すると、師匠から有り難いお誘いをいただいたのだ。

一緒にものまねをやらないか、と。
ものまね初心者の私に出来るわけがない。そう頭ではわかってはいたけれど、心の中のリトル永ちゃん(矢沢永吉)が囁いてきた。

「やっちゃえ、まっ子!!」

そう、私は調子に乗りやすい。

そんなわけで、6月8日土曜日20時!

モノマネは やりきるだけで オッケーさ

アークンのずばり聞くわよ!!チャンネルで、ものまねをちょこっとだけ、させていただくことになりました。



アークン、うりもさん、 
トシさん、脱サラ料理家ふらおさん、 
さぼてん主婦さん、彩夏さん
の豪華メンバーと一緒に。
全力で女優、篠原涼子になってこようと思います。

お時間がある方は、ぜひ聞きに来て下さい!
一生懸命やるので、絶対に笑わないでくださいね。

最後に、みなさんにはものまねネタは何かありますか?あったらぜひ教えて下さい🙏

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