メギドのこれからに期待すること(P交代によせて)

かつて読売ジャイアンツの監督就任会見で、堀内氏は自身の就任について「青天霹靂」と称した。まったく予期していなかった突然の出来事という意味だが、今回のメギドにおけるプロデューサー交代はこの四字熟語がぴったりと合うのではないか。今回はこの件に触れつつ、新プロデューサーに向けて今後期待したいことについて書きなぐる。

P交代の先にあるもの

もちろんゲームの種類や開発チームの方針、プロデューサー自身の性格に左右されるが、多くの場合ゲームプロデューサーというのは「顔」の役割を果たす。初対面の相手に抱く第一印象の大部分は顔からであるように、ゲームプロデューサーの発する言葉はどんなメディアよりも強力にユーザーへ届く。メギドのようにWeb上で公式番組がある場合はなおさらだ。

メギドの宮前Pは、少なくとも僕から見れば、メギドに対する愛に溢れていた人だった。リリース初期から自身が積極的に情報を発信し、ユーザーとの距離を縮めていった。もちろんオリエンス騒動をはじめ“良くない”ことは何度かあった。折角の公式番組がお通夜状態になったときもあった。それでも彼は逃げることなく、最前線で情報を発信し続けた。ユーザーとの信頼関係は確実に構築されていた。ゲームブランディングはお世辞にも上手とはいえなかったが、他のスマホゲームと比べてコアなファンが多いイメージがあるのも、彼が正面からユーザーに向き合い続けてきた結果であると言えよう。

Twitterをざっと見た限り、惜しむ声の方が圧倒的に多い。そして続く不安の声。プロデューサー交代は何らかの確実な変化があることをユーザーたちは理解している。有名タイトルの例ではグラブルが分かりやすく、ゲームバランスそのものが大きく変わることとなった。メギドも毎日10連…なんて日がやってくるかもしれない。

プロデューサーの交代はユーザーとの信頼関係のリセットだ。ほとんどの場合においてまた一からの信頼関係構築が必要となる。宮前Pがユーザーと築いてきた信頼関係の壁は分厚く、次のプロデューサーはまずここの問題に直面することになるだろう。

インフレと高難易度化と

ゲーム内の話に戻ろう。

2020年はインフレの年だったと言えよう。9月の暴奏ジズがすぐに思いつくが、アスモを刹那的な火力で上回るリジェネバティンや、専用霊宝によってとてつもない強化を得たバラム、ブネも忘れてはならない。その他、狂炎をはじめとするギミックブレイカーや、初心者救済ともいえる過去イベントの常設化推進もある。2019年がバレットやチェインなど新たな戦法を模索する年だったならば、2020年はゲームの全体的なインフレ化による「難易度緩和」を狙った年だったのではないか。実際、今の環境ならばメギドを一から始めてもベレトやアスモで躓くことはないだろう。

一方でつい最近完結した8章などはそういったインフレを寄せ付けないデザインとなっていた。嫌味な書き方をすると、Rジズをはじめとする“ぶっ壊れキャラ”をメタったステージが用意されていた。FGOやグラブルもそうだが、ゲームのインフレ化が進むとコンテンツはどうしてもより高い難易度になるか、あるいはパズル的な要素が増えていき、コアなファン以外は投げ出すようなものへと変貌していく。メギドもその道を歩んでおり、(プレイヤーを増やすならば)何らかの対策が求められる。そこらへんは前回いろいろ書いた

そういったゲームバランスの変化の裏(表?)で、今後もどうにか続けて欲しい取り組みがあった。イベントの専用ページである。アニメの劇場版を思わせるような丁寧な作りで、さらに難化していた時系列の整理なんかもされている。

メギドミー賞も面白かった。明らかにコアなファンに向けたファンサービスだったが、あれでメギドに興味を持った知り合いも若干名いたりする。

こういったゲームを装飾する取り組みは資金の許す限り続けて欲しい。新たなファンの獲得に繋がるのは明らかだし、コアなファンも喜ぶし、金がかかるという点に目を瞑ればメリットしかない。

ただやはり装飾は装飾に過ぎず、こういった取り組みで引き付けたプレイヤーたちをいかに離さないか、はゲームがどれだけ面白いかにかかっている。面白さとイコールではないが包含関係にあるゲームバランスをどうするかは、新プロデューサーのメインの仕事になるだろう。心深圏はこのままでは厳しいし、そういえばPVPも結局放置されたままだ。難易度が上がり過ぎたメインや、代り映えのしないイベントギミック、相変わらずの協奏ひいきなど、上げればきりがない。優先順位をつけて、しっかりと、じっくりと取り組んで欲しいなぁと思う。

◆一行まとめ◆
ゲームバランス改善を最優先解決事項として進めて欲しい

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