琥珀色の「笹巻き」
ついこの前まで、当たり前だった日々。
でも、それが当たり前ではない日々が始まり、毎日様変わりしていく世界の様子に、私はすっかり元気がなくなってしまいました。
そんな時、山形のお姉ちゃんから小さな小包が届きました。
「なんだろう。」
中を開けると、濃い緑色の三角形のものがぎっしり。
そうです、私の大好物、山形の笹巻き、、、!
笹の葉にもち米を入れて、灰汁で煮たもので、
形は三角形や、こぶし巻きといわれる形のものも。
私の山形の友人達は、三角形が多いでしょうか。
山形の皆はお馴染みのおやつです。↓
笹の葉をひらくと、、、
琥珀色のぷるぷる、、、!
これに、青大豆のきなことお砂糖を混ぜたものをサラサラかけると、とってもとっても美味しいのです、、、!
ちなみに、私も姉様も、一度に2、3個はぺろりです。
絶対一つじゃ足りないよ、、、!
庄内の南部地方では灰汁を使うため、琥珀色になるそうです。
4年前、初めて山形の庄内地方を訪れてから、何度も足を運び、その度に山形にある食材の豊かさを教えてもらう日々。
山の暮らしを大事に生きる友人たちは、本当に素敵だと、心から尊敬しています。
ついこないだも、はじめて笹巻きの巻き方をおばあちゃんに教えてもらい、
不器用ながら、皆と一緒に巻き巻きしたのでした。
笹の葉の香りと、一口食べるとひんやり艶やかな食感。青大豆のきなこは、煎りきなこと一味違う甘さ。
はぁぁ。。。
山形の大鳥の澄んだ空気を思い出します。
私の友人達が住んでいるのは、山形県の庄内地方にある鶴岡市、の街から1時間ほどの山間の集落、大鳥地区。
4年前、私は2月の大雪真っ只中の黒森歌舞伎(日本各地にある地歌舞伎のひとつ)を見にいくため、
初めて山形、酒田を訪れたのでした。
不思議な縁がたくさん繋がり、私にとって、山形がこんな大切な場所になるとは思いもしなかった。
山形に住む友人たちのおかげで、私の価値観はだいぶ変わったと思います。
私にとって、山形の友人たちは、血はつながらないけれど、大好きな親戚のお兄ちゃん、お姉ちゃんたちのような存在です。
これまで、旅の中で会ってきた、たくさんの素敵な人たちに
生きること、暮らすことを
おそわってきた。
はじめて、笹巻きを食べたのは、山形のどこだったかな、、、
庄内から内陸に向かって車を走らせ、出羽三山の一つ、月山をこえると、
私のもう一人の大切な友人が住む、大江町というところがあります。
料理が得意な彼女の家に泊まらせてもらいながら、あの時も笹巻きをたくさん食べていたっけ、、、。
なんせ、どこの家でも笹巻きを作り、お裾分けしてくれるので、どの家に行っても美味しい手作りの笹巻きがでてくるのです。
いつか、私もひとりで手際良く笹巻きできるようになりたいなぁ。
笹巻きは、私にとって、山形の姉ちゃんたちと食べる
とっておきのおやつ。
たわいもない話をしながら
「やっぱり一個じゃ足りない、、!」と言いながら
もちもち頬張る、思い出の味。
Photo by Ben Matsunaga
Photo by Monami.K
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