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30代・大手1社経験の人が転職活動に苦戦する3つの理由

お疲れ様です。もなきです。転職エージェントをしたり、スタートアップ企業の採用のお手伝いをしたり、採用動画のプロデュースをしたり、YouTube(名もなき転職チャンネル)をしたりしています。

YouTubeで話している内容を文字でもお伝えしている「名もなき転職マガジン」。今回は「30代・大手1社経験の人が転職活動に苦戦する3つの理由」について書きたいと思います。

このタイトルだけ見ると「え!転職回数が多いと転職は不利になるって言うから、むしろ30代で1社経験は有利なのでは?」って思っちゃいますよね?

「新卒で同じ会社で10年以上働いている」っていう事実だけをみると、早期離職の懸念なしで、書類選考は通りやすそうって思う感覚はあると思います。確かに、キャリア的にもスッキリしてますから、書類選考は通過しやすいかもしれません。ですが、転職活動って書類選考の後に、面接を複数回経て、企業側が内定を出す対象として選んでもらう必要がありますよね。その、面接以降の過程で特に苦労しやすいのが、実は大手1社経験で長年勤め上げてきた人なんです。

このnoteでは

・現在30代で大手1社経験である
・転職を考えているがタイミングを見計らっている

そんな方はこのnoteを最後まで見ていただければ、大手1社経験の人が転職活動に苦労する3つの理由が分かりますので、是非ご覧ください。

▼動画や音声で試聴される方はこちら▼


【1】「再現性」が不明である

「30代・大手1社経験の人が転職活動に苦戦する3つの理由」の1つ目は
「再現性が不明である」ということです。

例えば、30代大手1社経験の人が「営業でずっと目標達成してきました!」ってエピソードを語っていたとします。

もちろん、これは本当にすごいかもしれないのですが、ちょっとうがった見方をすると「運がよかっただけ」なのかもしれません。。

担当していた製品が話題をよんで売れまくったのかもしれないですし、配属されていたエリアで競合が少なくほぼほぼ独占状態でそんなに営業を頑張ら なくても大量に受注できる、みたいな状態だったかもしれないですよね。もちろん、目標達成し続けてきたことは、その人の頑張りもあったかとは思います。

ここで大事なのは「これまでの会社で目標達成し続けていたとしても、新しい会社で同じように目標達成し続けられるとは限らない」ってことなのです。これを「再現性が不明である」と表現しました。

もう少し具体的な例を出したいと思います。

大手求人広告の営業担当のAさんという方がいました。Aさんは、中小企業を中心に50社くらいクライアントを持っています。
その中のB社が、新たなサービスがHITして、大量採用をしていくことになりました。当然、担当営業のAさんにもその相談が入り、求人広告の発注が年がら年中、大型の掲載枠で獲得できました。
Aさんはそのおかげもあり、ほとんどそのB社での売上のみで目標売り上げをハイ達成してMVPを取りました。

このエピソードを見て、皆さんはどう思ったでしょうか。

大事なのは、そのエピソードを聞いた面接官側がどう思うかです。ここでの面接官の視点としては、単純にAさんの「MVP」とか「目標ハイ達成」という事実のみにフォーカスして「すごい!」「うちでも活躍しそう」とは思わないんですね(もちろんそう思っちゃう面接官もいるかもしれませんが)。

大事なのは、その成果を出すために、Aさんがどんな貢献、介在価値を出したかの「再現性を見る」と言うことなんです。

例えば先程の例だと、B社は他にも求人広告を大量発注しようと考えていた競合の企業がいたけれども、Aさんがコンペの中で、B社についてを緻密に分析して、最適な求人広告の戦略を提案した「企画提案力」があったのかどうか、というのを掘り下げて聞くわけです。

もしくは、求人広告はAさんの会社以外にも複数発注していたけれども、掲載後に応募数や入社数を増やすためのフォローや分析、改善提案が優れていて、途中からはAさんの会社に絞ってリピートしていったとしたらAさんの「改善提案」の力や「分析力」があったから、年間を通じての高い成果につながったと捉えられますよね。

要は、面接官は「高い成果」という事実に対して、その成果を構成する要素を分解して聞いてきます。
※以前出した「構造化面接」のnoteなどが参考になるかと思います。

その上で「再現性が担保できそうかどうか」というのがポイントになってくるわけです。実は大手1社経験だと「再現性が担保しづらい」ことが多いのです。

担当していた商品やサービスがよかっただけかもしれない、たまたまそのエリアで競合がいなかったのかもしれない、担当していたお客さんがよかっただけかもしれない、など、再現性を判断することが難しくなってしまうんです。

これが、複数社経験してそれぞれの会社で成果をあげてきた人の場合はどうでしょうか?顧客や商材が変わっても高い成果を出してきた人ということで、再現性の説得力が増します。特に、これから新しいサービスを手がけていく会社を受ける場合には、商材や顧客が変わっても同じく成果を出せる人というのは価値が高いですよね。

ちょっと長くなりましたが、「大手1社経験の人が転職活動に苦戦する3つの理由」の一つ目が「再現性が不明である」という理由です。

【2】カルチャーマッチするか不安

「30代・大手1社経験の人が転職活動に苦戦する3つの理由」2つ目は「カルチャーマッチするか不安」ということです。

働いていると、どうしてもその会社の「カルチャー」に染まります。平日毎日8時間として、月に160時間、年間1920時間、残業を含めるともっと多くの時間を会社という組織で過ごすわけです。

昨今はコロナ禍でリモートで働いているとしても、オンラインMTGやチャットなどで、その会社のスタイルや会話、仕事の進め方に適合しています。人間誰しも、その環境の中で居心地良く生きたいので、その会社の中での立ち振る舞い、お作法をしようとしますすね。

例えば僕は、1社目がリクルートで、あまりリクルートっぽくはないとは思っているのですが「何か意見をする時には、自分の意見を持とう」みたいなことを大事にします。この考え方はリクルートでよくある「お前はどうしたいの?」みたいなコミュニケーション文化に影響されているところが多々あると思います。

この「カルチャー」というものが、30代1社経験だと、その会社で確立されちゃってることが多いんですね。

次の会社に行ってもポジティブに作用するカルチャーだったらいいかもしれないのですが、例えば「直属の係長と課長と部長と役員のそれぞれの承認、捺印を得てから新しいことを始める」という仕事の進め方がカルチャーとして浸透している人が、「とりあえずやってみよう!」「まずは動こう」みたいな会社に転職したら、カルチャーに馴染むのには苦労しちゃいますよね。

この辺りは、先日出した「アンラーニング」についてのnoteもぜひ参照していただければと思います。

僕は決して「大手にいた人は他の会社へ転職できない」みたいなことを言いたいわけではないです。もちろん大手から転職ができる人はいるし、事例もたくさんあるのですが、カルチャーの浸透度合いが高いと、間違いなく最初は苦労するということです。

なので、仮に新規精鋭の企業の営業マネージャーの募集ポジションで、大手1社経験の33歳の方と、ベンチャー2社経験の33歳の方がバッティングしたとしたら、ベンチャー2社経験の方の方に内定が出る、なんてことはよくあるのです。
これが、二つ目の「カルチャーマッチするか不安」という理由です。

【3】条件のミスマッチが生じやすい

「30代・大手1社経験の人が転職活動に苦戦する3つの理由」3つ目が「条件のミスマッチが生じやすい」ということです。

これは、簡単にいうと「年収の折り合いがつかないことが多い」ということです。これは、1つ目の再現性、2つ目のカルチャーマッチにも関係してくるのですが、30代の転職の場合、言うまでもなく即戦力性は求められます。

新しい会社でも、早く成果を出して欲しいと思われるってことですね。その際に、どんな人が成果を出せるかと言うと、やはり仕事の再現性があり、カルチャーもマッチしている人なんですよ。これは普通に考えればそりゃそうだよなって感じですよね。

一方で、30代大手1社経験の方は、先ほどからお伝えしてきたように、再現性に疑問、カルチャーもマッチするか疑問、っていうことで、本当に入社後に活躍してくれるのかわかんない!だから「いきなり高い年収は提示できない!」ってなっちゃうんですね。

30代で年功序列型の大手1社経験だと、そこそこ年収ももらっている人も多いでしょう。ご結婚されてお子さんもいて、子供が保育園とか小学校とかでこれからお金がかかる人も多いかと思います。住宅をローンで購入されたりしている人もいるかもしれないですね。そうなると、大幅な年収ダウンは避けたい!って考えるのは当然だと思います。ですが、いざ30代になって転職活動をしてみて内定はもらえたはいいけど年収は100万や200万近く下がるってなったら「だったら今の会社に残るしかないか〜」そんなふうに考えて、結局転職すること自体を諦めて今の会社でそのまま過ごす、と言う人も少なくありません。

もちろん30代で大手1社経験で、そこで得た経験やスキルや知識が希少性の高いものであれば、年収もUPして他社へ転職できる人もいるかもしれません。ですが、そうではない場合は、再現性やカルチャーフィットの部分でどうしても懸念点は残ってしまうので、年収もダウンしてしまうことも少なくありません。

これが、三つ目の「条件のミスマッチが生じやすい」という理由です。

【4】自分の市場価値を常に把握する

いかがでしたでしょうか。まずはここまでの復習です。
「30代・大手1社経験の人が転職活動に苦戦する3つの理由」をまとめると

①再現性が不明である
②カルチャーマッチするか不安
③条件のミスマッチが生じやすい

でした。必ずしも30代大手1社経験の人が転職できないわけではないですが、今回あげたような3つの理由があるので、苦戦しちゃう人が多いよっていう話です。

最後に、僕が今回のnoteで一番伝えたかった話をします。それは

常に「自分の市場価値、相場を把握しておくべき」ということです。

簡単にいうと
「今、自分が転職をするとしたら、どんな会社のどんな仕事に転職できるか、年収はいくらくらいの提示になりそうか」の市場価値、相場を常に把握しておこうということです。

この把握ができていないと、実際にいざ転職活動をしようとなったときに、思ったような転職先がなくて焦ってしまうことにつながってしまうんですね。

これって、例えばマンションとか株などの資産運用だと考えている人が多いのに、キャリアのことになると同じように考えられなくなってしまう人が多いんです。例えば、マンションで例えてみましょう。

あなたがマンションをローンで購入したとします。

4,500万円のマンションを、頭金500万入れて購入し、4,000万のローンを組んだとしましょうか。毎月一定額をローン返済していき、すごいざっくりですが、現在ローンの残りが3,000万円だとしましょう。今の家で一生クラスのであれば気にしないかもですが、いつか家を売って引っ越すことも考えていたとしたら、いくらで売れるのか、いくらで貸せるのか、を気にしますよね。

例えば、同じマンションの売買実績のデータを定期的にウォッチしていて、同じくらいの間取りだとしたら4,200万で売れそうだなとなれば、4,200万ーローン残債の3,000万ー不動産仲介料で1,000万前後が資産として残るわけです。

そしたら、その1,000万を頭金にして新たにマンションを購入することもできるかもですし、賃貸住宅に引っ越して1,000万は投資信託に預けて運用することもできるわけですね。

つまり、大事なのは自分の自宅の相場を常にウォッチしておいて、シミュレーションしておくということなんです。この考えは、人のキャリアにおいてもとっても大切なんですね。

自分という商品を今市場に出したらいくらくらいで取引されるのか、ということは常に把握しておくべきです。みなさん、その視点がないから、自分の勝手なタイミングで市場の売買にかけようとして、価値が低いタイミングで取引しちゃうなんてことがおこってしまうんですね。

ちなみにこれは余談ですが、価値つまり自分の年収は一旦は下落するんだけれども、数年後に高値で取引されることを見据えて転職をする、ということもありえます。20代でキャリアチェンジ転職をするなんてのはまさにそれですね。

例えば、僕は20代で1回目の転職をして、転職エージェントからベンチャーの人事へ転職をしたのですが、1社目のリクルートの年収水準が高かったのもありますが、その転職で年収は大幅に下がりました。ですが、そこで得られる人事の経験やベンチャーでの経験が、数年後の自分の市場価値を上げるってのを相場を見て知っていたので、その決断に踏み切れたんですね。まあ結局は3社目のタイミングでは転職はせず、独立する道を選んだわけではありますが、考え方としては同じです。

先日の「転職2.0」の書評解説のnoteでも話しましたが、大事なのは「自分株式会社の時価総額の最大化」です。

今は、人生100年時代と言われているように、人間の労働寿命は伸びています。これまでは学校を卒業してから約40年で定年を迎えていましたが、今後はもしかすると50年、60年働き続ける可能性もあります。労働人生の中でも転職するのが当たり前になることが予想されます。

なので、場当たり的な1回の転職ではなく、戦略的に、逆算型の転職を重ねていく必要があるんですね。

なので、常に自分自身を転職市場に出した際にどんな価値があるか、価値が今はないとしたら何を得ることで価値が高まるか、を意識しながらキャリアを気づいていくことがとても大切です。何かの参考になれば幸いです。

今後も、このnote(名もなき転職マガジン)では、転職やキャリアにまつわる話を発信していきたいと思います。ぜひnoteやマガジンをフォローください。尚、今回の内容は以下の動画でも見ることができますので、よろしければぜひ高評価とチャンネル登録お願いしますm(_ _)m

▼今回のnoteの内容について話した動画

それでは、みなさん。今日もよい一日を。

もなき

サポート金を元手にその方とランチに行きたいです(都内のみ)つまり、500円が1,000円のランチに化けます。