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専門家って、まず安心してもらうことが仕事なのかも
人生ではじめて、本当に痛いヤケドを経験しました。
揚げものを作っていたら、油が手に飛んできて。
すぐに水で冷やして、その後も保冷剤を当てていたけれど、少しでも冷やすのをやめると、ズキズキ痛むんです。
それも、けっこうな激痛…
いつもであれば、ちょっと冷やしたら、おしまい。
数十分で、ヤケドしたことも忘れてしまうのに。
今回のは、何時間経っても痛い。いつもと違う…
「これは、まずいんじゃないか…?」
なんでもなくてもいいから、一応病院に行くことにしたんです。
皮膚科なんて、いつぶりよ…
翌日、立派な水ぶくれを作った手を診てもらうと、
先生「まー、ヤケドの範囲も小さいし…こんな感じで薬を塗って、水ぶくれは潰さないようにしてもらって…」
わたし「はぁ…小さい…ですか…」
予想はしてたけど。
まあ、そうだよね。大変なやつは、全身とか、もっと広範囲だよね。
先生にとっては、こんなヤケド、かわいいもんなんだろうな。
診察を終え、待合室で座っていると、つけてもらったガーゼが大げさに見えて、なんだか恥ずかしい…
そう思いながらも、ホッとしたんです。
大した事ないんだなって、先生の反応ですぐにわかったから。
素人にとっては一大事なのに、専門家にとっては大したことない…ってよくありますよね。
わたしは楽器のインストラクターをしているのですが、生徒さんから質問を受けるとき、思い詰めた感じで聞かれることがあるんです。
でも、「大したことないのにー、もっと気楽にやるといいよ」って思うことがほとんど。
ああそうか。大したことないよーって伝われば、こんなに安心するんだ。
今まで、生徒さんと同じところに立って、一生懸命に解決しようとして、まず安心させるってことができてなかったかも。
専門家って、問題を解決する前でも、人を安心させられる存在なんだ。それが最初の仕事なのかもしれない、と思ったのでした。
ヤケドは痛かったけど…勉強になったから、まあいいか。
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