文字と音声だけで学ぶ、ゆる作曲レッスン①
monaca:factory(モナカファクトリー)と申します。作曲の本なども執筆させていただいております。
noteでは音楽や作曲についてゆる〜く発信する機会があってもよいかなと思い、ざっくりお話してみたいと思います。※第二回の予定は未定ですが…
実際に作曲するとなるとハードルが高そうですし、いきなり足を踏み入れるには準備も必要そうです。なのでガチな勉強のようなものではなく、読むだけでいい感じに気分が上がれば理想的です。ここでは音楽の全体像を眺めることにしましょう。
音楽というものはいろんな音がごちゃまぜになった塊(かたまり)のようなものです。それを一気に理解しようとするのは難しいです。「分かる(理解する)」という言葉は物事を「分ける(分解する)」と同じですから、まずは小さな要素に分けていきたいと思います。
音楽というものを3つの要素に分解して、一つずつ経験していくことにしましょう。その3要素は、
①リズム
②コード進行(=ハーモニー)
③メロディー
です。
音楽を聴く場合は、歌(メロディー)さえ聴いていれば楽しいですね。逆に言えばメロディーしか耳で追いかけていないですが、普通はそれでかまいません。
①リズム
リズムとは、聞いていて心地よく乗れるパターン、ということにしておきましょう。代表的なリズム楽器はドラムです。が、ドラムがなければリズムが生まれないということでもなく、ギターの弾き方にもリズムはあります。DTM(パソコンで音楽を作ること)を始める場合、とりあえず最初にドラムを簡単に打ち込めばリズムは生まれてくれるのでわかりやすいです。
厳密にいえばリズムと言うと、サンバのリズム、ヒップホップのリズム、ロックのリズムのように、音楽ジャンルごとに決まりのようなものがあることでしょう。ですが、「このジャンルはこう作りましょう」みたいな枝葉を研究するようなことはここではしません。1要素の細かい知識よりも、3要素を手短にぐるっと1周する気持ちがまずは大切です。
♪DTMでドラムを打ち込んでみた例
②コード進行
コードというのは、「ド・ミ・ソ」のように、複数の音を同時に「ジャーン」と響かせた音のことです。ギターで弾いてもピアノで弾いても構いません。ちなみにリコーダーやトランペットのような楽器だと1音しか出ないので、一人でコードを鳴らすのは無理ですね(数人必要になります)。ギターやピアノが楽器の王道!みたいなイメージがあるのはコードを鳴らせるという点もあります。1人でコードで弾きながら歌えば1人で音楽が完結しますからね。
「ジャーン」というコードを連続して鳴らすことで「コード進行」となり、音楽が展開していきます。参考例では「ジャーン→ジャーン→ジャーン→ジャーン」という4つのコードで1まとまりのコード進行となります(1まとまりを2回繰り返しています)。コードを独学で勉強すれば無限に選択肢があってこんなの覚えられない!と挫折する原因になります。しかしJ-POPで使われるコード進行などはそこまで多くないという事実を知れば、代表的なものを真似すればある程度の形を作ることができます。
DTMですと楽器の演奏能力は必要ないので、真似して打ち込んでしまえばなんとかなるという面もあります。
♪コード進行をピアノで打ち込んだ例
③メロディー
メロディーが一番簡単でわかりやすいパートですね。オリジナル曲を作るのであれば、メロディーが一番大事です。既存曲のメロディーをそのまま使って、自分の曲だ!とは言えませんね。メロディーこそ曲をオリジナルたらしめている要素であり、ここが自分の音楽の「顔」となることでしょう。
「メロディーは鼻歌で作れるから、作曲って簡単!」と言っている人も多いですが、実際に作るとなるとまずは伴奏の部分(=基礎的なコード進行を真似して打ち込んで)から作るほうがいいでしょう。メロディーだけ作っても、それに伴奏を付けられないから挫折みたいなパターンも容易に想像できるからです。
ここではメロディーの参考として、YOASOBI「夜に駆ける」から引用させてもらいました。
♪メロディーをピアノで打ち込んだ例
では、3つの要素を合わせて聞いてみましょう!
んんん〜!これはヒット曲ですわ…!3つの要素でここまで表現できるのは驚きですね。1つずつ聞いてきたときよりも「なんかすご〜い」とインパクトは大きくなると思います。
コード進行だけ聞くよりも、ドラムがズンチャカしてくれているので活き活き度が上がっています。そしてメロディーだけ聞くよりも伴奏があるほうが華やかですね。
作曲をはじめるとすれば、まずは3要素のそれぞれを超ざっくりと作る経験をしていくのがよいでしょう。
「やっぱり音楽理論とか勉強したほうがいいですか?」とか考え始めると手が動きません。ゆるく学んでいこう!
【今日のまとめ】
・ドラムがあるとズンチャカ活き活きする
・ヒット曲にはそれなりに定番コード進行が存在する
・メロディーがオリジナル曲の要 -KANAME-