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【WCS2023 34位】豪運の2ヶ月間

0.はじめに

WCS2023 34位のあずさ(Akihiro Urata)です!

大学時代、現チームメイトであるSóy(ソイ)タカヒロと共に墨田区鐘ヶ淵でシェアハウスし、仰天のボルテッカーからポケカを始めました。

本noteは、WCSに出るまでの取り組み、WCSでの思い出を中心に綴った、いわばWCS体験記のようなものです。

軽い内容なので、PTCGLを回しながら読むのがちょうどいいと思います。僕もPTCGLを回しながら書いているので。

応援してくださった皆さま、これからWCSの出場を目指す方々に読んでいただければ嬉しいです!

それでは、Let’s go!!!!

青春のはじまり

1.WCS権利取得まで

◆1つの大会で人生が変わる

僕の2022-23シーズンの戦績は以下のとおりです。

【シティリーグ】合計CSP:215
s1 ベスト8(ロスギラ)CSP:25
s2 ベスト16(ルギア)CSP:10
s3 ベスト4(一撃ルギア)CSP:50
s4 優勝(パオジアン)CSP:100

【大型大会】
CL横浜 2-3(パルキア)
CL京都 3-3(ルギア)
CL愛知 抽選落ち
CL宮城 3-3(一撃ルギア)
CL新潟 抽選落ち
JCS   CSP優先権 ベスト8(ロスギラ)
WCS      34位(ロスギラ)

え、JCSだけ大勝したけど、基本3-3の弱小プレイヤーってこと?

まさにそのとおりです。

1回大勝ちしただけで、世界大会Day2に出場し、WCS配信卓でボスゴドラと対戦し、ななっぷるとツーショットが撮れます。

これからCL等の大型大会に出る方々へ。今までの成績なんてどうでもいいです。これからの大型大会1つ1つに己の魂をかけましょう。その先には夢の舞台が待っています。

JCSを勝ち上がれたのは豪運のおかげだと思いますが、強いて言えば他に理由は2つあります。

◆いつでも花選び

1つ目はPTCGLの登場です。残業した日、満員電車の中、トイレ中でも花選びができるようになりました。

JCS前日に、優先権で出場するSóy(ソイ)とPTCGLで無限ミラーマッチしたのが一番効きました。本番はロスト対面全勝することができたのでまじで感謝。あざす。

厚木、町田、沖縄でブイブイ言わせております。
IDに着目してください。PTCGLはいつ始めても遅くないと言っています。

◆BO3という神ゲー

JCSに勝ち上がれた2つ目の理由はBO3の練習ができたことです。

これは全国の猛者プレイヤーが集まるガルシア杯(6/3-4開催、BO3形式)への参加が大きかったです。

Day 1 3-1-2の16位、Day 2 トナメ1没と成績は振るわなかったものの、BO3での時間の使い方、投了のタイミング、1本目落としたときのメンタルの保ち方等、収穫はありました。

ちなみにBO3とBO1は全くの別ゲーであり、BO3は戦略性が高く、運要素が低減された神ゲーです。これを経験すると、国内大会もBO3にしたいと言っている方々の気持ちはすごくわかります。

JCS Day2当日、BO3に関するどせいさんアドバイス。
縁起が良いので、WCS当日も見ました。

2.WCS準備期間

◆求道の日々

WCSの権利を取得したとはいえ、3-3の弱小プレイヤーに変わりはないので、誰よりも頑張る必要があると思っていました。以下求道の履歴です。

【151環境の自主大会】
好きな大会であるK-lab杯かつた杯には脊髄反射で参加し、その後151には一切触れないようにしました。

【WCSレギュBO3の自主大会】
ロスギラを握って、可能な限り参加しました。どの大会もレベルが高く、運営も対戦環境も神でした。カシクは英会話スクールなので通い得です。

ふいたん杯(6/25)0-4-0
煌めくきゅうり杯(7/29)4-2-0
ガルシア杯(7/30)4-0-2
WCSP杯(8/5)6-2-0
カードシークレット(8/1-10のうち複数回)

使用は全てロスギラ(リスト微妙に変えてます)

【練習会】
ポケカ人生で初めて練習会に参加しました。人格者WAONさん主催で、練習会にきたメンバーも暖かい人ばかりでした。また参加します!!

【チームメンバーとの自主練】
自主大会がない日は、チームメンバーのSóy(ソイ)とタカヒロを道連れにし、息を吸うようにBO3していました。

2ヶ月間同じカードプールを擦り続け、握りたくもないデッキを握らせ、昼は強制断食というストレス環境の中、付き合ってくれて本気で感謝しています。

来年はお前が日本代表だ

【PTCGL】
自主大会もなくチームメンバーとも都合が合わない日は、息を吐くようにPTCGLを回します。7月からはロスギラで毎週100試合回すことを目標とし、必ず対戦記録を取るようにしました。

7/7〜8/4の計400戦の対戦結果まとめ

◆ロスギラとの対話

JCSとWCSで使ったロスギラのリストです。
ロスギラと2ヶ月間対話した結果、JCSから1枚も変わりませんでした。

WCSでTRは使えません

回し方はBUさんのnoteを読んでください。あれは聖書でありテロでもあります。読めば誰でも世界レベルのロスギラ使いになれます。

本noteでは特にリストでこだわっているところ4選を紹介します。

【①ミカルゲの採用】
ミュウとルギア用です。PTCGLでミカルゲあり/なし(いれかえカート採用)で200戦ずつ回し、その対戦記録を信じました

ミカルゲなし
ミカルゲあり

データ不足が否めないですが、自分はこのデータを以下のように捉えました。

・Fミュウ
ミカルゲ+雪道による初動事故での勝率向上

・一撃ルギア
ネオラントボスによる裏狩りではなく、結局バンギラスVで正面を倒されるため、ミカルゲの有無による勝率への影響は少ない

・白ルギア
傷を負ったギラティナVstarに対するネオラントボス防止により、勝率向上

特にDay 2はミュウが多いことが予想され、Easy Winが狙える可能性が高まるので、ミカルゲを抜くことはできませんでした。

108の煩悩が元ネタ。
ミュウとルギアに対する悩みは消える代わりに、
スタートする悩みが付きまといます。

【②基本水エネルギー3枚目の採用】
一般的な海外リストでは2枚採用が主流ですが、自分が回した限りでは月光手裏剣を打つ要求値が高く、ほぼ打てないです。

これにより対戦相手も手裏剣に対する警戒が薄れており、序盤にあえて水エネを1枚ロストに送ることで、相手がマナフィを置かず、手裏剣が通りやすくなります(実際にWCSでも何度か決まりました)。

本当はアクマグが好きだけど、
視認性重視でこちらを採用。

③ポケギア3.0の採用(ナンジャモ2枚目の不採用)
序盤はアクロマの実験に変換できる可能性があるカードで、終盤の山が薄まった状態のポケギアはもはやルミナスサインです。ロストにはなるべく送らないようにしています。

ナンジャモ2枚目の採用と迷いましたが、以下の観点からロスギラが打つナンジャモはあまり強くなく、ポケギアの採用が有効だと考えています。

・序盤(サイド6~5):山の濃度が濃くならない
ロスギラはターンの初めのドローと隠し札以外は、はなえらび・アクロマ・アビスシークで手札を増やしながら、不要札をロストに葬れます。序盤にナンジャモを打ち、不要札が手札にくると、後半ツツジを打った後が渋くなります。
⇒ポケギアでアクロマが引けることを祈りましょう

・中盤(サイド4~3):必要札が山下に行ってしまう
ナンジャモの価値が最も高いが、ロストが溜まっていない状態で打つと、ミラゲやボスが山下に行くので、あまり使いたくないです。サイド3枚ならツツジ打ちたい。
⇒ポケギアで望むサポートが引けることを祈りましょう
※ロストミラーにおける相手サイド4枚時でのナンジャモは最強です

・終盤(サイド2~1):引ける枚数が少ない
相手もバグるが自分もバグる。むしろ相手の縦引きを加速させているため、解決札を引かれる可能性が高い。
⇒ポケギアで好きなサポートを引きましょう


URにすることでロスト行きを躊躇します。


【④いれかえカート3枚目の不採用】

ミカルゲの採用により、枠の都合上いれかえカート3枚目を外しました。

いれかえカートは、「いれかえ」と「HP30回復」の2つの要素で構成されており、「いれかえ」についてはなるべく手張りで逃げることを意識すればカバーできます。

「HP30回復」については、いれかえカートが2枚必要な盤面(総HPが210)を作らないようにすればカバーできます。

【いれかえカートが1枚必要な盤面(例)】
・自分のギラティナVに対する相手のおとぼけスピット
⇒スピット2回、スピット+ロストマインによる気絶を回避

・自分のギラティナVに対する相手のテレポートブレイク
⇒ギラティナVstarに対してブレインウェーブ8枚要求

・自分のキュワワ・キュワワ・ヤミラミ(総HP220)に対する相手のロストマイン
⇒ロストマイン2回による3面取りを回避

【いれかえカートが2枚必要な盤面(例)】
・自分のキュワワ・キュワワ・マナフィ(総HP210)に対する相手のロストマイン
⇒ロストマイン2回による3面取りを回避

【いれかえカートが3枚必要な盤面(例)】
・自分のキュワワ・キュワワ・ヤミラミ・ヤミラミ(総HP290-300)に対する相手のロストマイン
⇒ロストマイン3回による4面取りを回避


枠に困ったら抜いてみましょう。意外と影響ないです。

3.WCS本番

かなり自信はあったのですが、結果は4-1-3の34位でした。1戦の引き分けを勝ちに持っていければ賞金フィニッシュだったのですが、出し切ったので悔いはありません。

どの試合もお金では得られない経験で、対戦中は動悸が早くなり、手は震え、脳汁ドバドバで最高にポケモンカードしていました。

個人的な名場面をいくつか振り返っていきます。

あと1勝が遠かった・・・!

◆VS波士可多拉V(配信卓)

WCS4戦目で配信卓を引き当てました。JCSの初戦あばれる君に引き続き、2大会連続の配信卓となり、またもや豪運を発揮。

いくらでも語れますが、ハイライトだけ紹介します。

【There might be a third game】
0-2でストレート負けしたあとに言われ、英語の意味はわかるけど、意味がわかりませんでした。

結論、第1試合で対戦相手のSU CHIA-HSING選手ナンジャモで5枚引くべきところを6枚引いており、ジャッジが気づかないまま試合が終了し、修復不可能なため、第1試合は僕の勝利になりました。

ジャッジは、盤面のカードが画角に入っているかを確認していたため、本来のジャッジとしての役割に専念できなかったこと、選手は緊張で気付かなかったことからしょうがないと思っています。

これが配信卓ではなかったら自分のストレート負けになっていた思うので、本当にコメント欄に助けられました。豪運です。

【海外のポケカ友達】
対戦相手のSU CHIA-HSING選手(台湾)まじでいい人でした。

ジャッジ待ち中は、日本の好きなところや他の台湾選手の成績、台湾のポケカ事情について話してくれました(英語+中国語)。

SU選手「温泉巡りたいけど、月曜仕事なのきちい」

というか波士可多拉V(ボスゴドラV)まじで強かったです。思わず「You have a good deck」と言いました。

激闘の90分間を終えたあと、僕に初めての海外ポケカ友達ができました。
これもWCSならではの醍醐味です。

Friendship🇹🇼🤝🇯🇵

【配信卓の裏側】
これはかなり衝撃だったのですが、WCSの配信卓において選手は残り時間を目視で確認する手段はなく、都度ジャッジにヒヤリングする必要があります。

また、対戦終了後に高速で選手の写真撮影が始まります。①棒立ち、②腕組、③腕組&キーカード3枚持ちの3パターンです。いつ使われるのか不明ですが、ロストおくりだけは避けたいところ。

写真撮影が終了するとすぐに次に試合が始まります。時間がかなり押していたので、休憩時間は一切ありません。次の対戦相手はもちろん自分のデッキを把握しています。ポケカは体力&メンタルゲーです。

写真撮影②腕組

◆Sketchy

どの選手とは言いませんが、かなりSketchy(怪しい)な方がいました。

トラッシュと手札を近づけ、トラッシュをシャカパチ⇒手札をシャカパチを3セット繰り返したところで、飛んできたのはアクロマの実験。マジック開演。

続いて、トラッシュをシャカパチ⇒手札をシャカパチの儀式を行った後に、ピンポイントで必要なミラージュゲートを生成

流石にSketchyだったので、トラッシュと手札を近づけないように注意したところ、ツツジを打っていないにも関わらず、相手の動きが完全に止まりました。マジック終焉。

試合は勝ったので、真相はどうでもいいですが、日本人は穏やかな性格として、海外選手になめられているような気もするので、強気な姿勢で対抗することも大事だと思いました。

日本人以外の方は、全員英語がペラペラのペラップなので、英語を話せるようになることが一番望ましいでしょう。

びっくりボックス

対戦で驚いたことをいくつか紹介します。

【いつでもトイレいける】
自分の花選び中に、対戦相手が突然トイレに行きたいと言いだしました。自分もよくトイレで花選びしているので、利尿作用が働いたのでしょうか。ジャッジは快く承諾し、時間の延長を貰いました。まじで何でもありです。

【ダメカンは共有財産】
自分のロストマインで相手のダメカンが足りなくなり、アクリルダメカンを勝手に使用されました。勝手に使いながら「なんでダイスじゃねえんだよ」と文句を言われます。

【気づいたら始まっている】
対戦前に相手の方とプレミアリーグの話で盛り上がっていたのですが、タイマーを見たら既に2分ほど進んでいました。まじで開始の合図に気づかないので、キックオフみたいに笛を吹いてほしい。

【相手のデッキ丸見え】
海外の方がよくやっているリフルシャッフルですが、ありえんくらいカードが見えます。しかし、見えたのが連撃インテレオンで士気は急降下。高度な作戦なのかもしれません。

他にも驚きはたくさんありました。とにかく世界一楽しかったです。

◆応援が一番のパワータブレット

ポケモンカードは対戦中に応援しても、選手に声が届かないから応援の意味があまりないと思うかもしれません。

それは大間違いです。後ろで試合を見てくれているだけで、精神の支えになります。試合の合間に話し相手がいるだけで、心が落ちつきます。話し相手がいない場合はTwitterでメッセージを読んで心を沁みています。

トレードとサブイベントの合間を縫って応援してくれたチームメイトの2人。水をマッハデリバリーGXし、会場外から応援してくれたシンゴプロ。ほぼ初対面にも関わらず応援してくれたもときちさんすしさん。会うと必ず声をかけてくれるジャッジのkokiさん。欠かさず「たたかうよー」を送ってくれるウエシーさん。その他会場にいた選手やTwitterで応援してくださった皆様、本当にありがとうございました。今後も引き続きよろしくお願いします!

左からもときちさん、ソイ、タカヒロ、ニキB。
多分どこかにすしさん。

4.おわりに

◆ホノルルを目指して

JCSから続く豪運の2ヶ月間が終わり、Day 3の帰り際、多くの対戦相手から「See you in Honolulu」と言われ、自分も同じように返しました。

しかし、よくよく考えると、2年連続で日本代表になることなんかほぼ不可能なのではないかと思っています。CL TOP4、CSP 280、JCS TOP16、どれも相当な豪運が必要です。もしかしたらこれが僕にとっての最後のWCSになるかもしれません。

それでも、一度世界最高の舞台でポケカすることを経験してしまうと、もう戻れずにはいられません。

いかなる手段を使ってでもホノルルに選手として出場します。AKIHIRO URATA (AUS)とかになっても怒らないでください。

2023-24シーズンも全力でポケカします。一緒に日本代表を目指している方も頑張りましょう。

改めて、今までポケカで関わってきた全ての方々に感謝します。

See you in Honolulu!!

あずさ(Akihiro Urata)

次なる夢の舞台へ


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