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ものを捨てる時の作法

うちはものを捨てる時

「ありがとね」

と言ってから捨てる。



特に長く使ったものは

必ずそうする。



子どもの服や靴はなるべく使ってくれそうな人に

譲るとか

難民の人に寄付をするとかしているけど

それでも捨てざるを得ないものに関しては

個別に袋に入れてお酒をかけて

「ありがとね」と言って捨てている。



これはわたしが息子に教えたことだけど

息子の方が熱心にやっている。



わたしが忘れていると

「ありがとね したの?」と

聞いてくる。



起源は、わたしの祖母。



大正生まれの祖母は、

もののない時代を長く経験しているからか

とにかくなんでも大事にしていた。

というか

ものを捨てられない人だった。



そしてすごく、

信心深い人だった気がする。



なんでも、「仏さん」を

引き合いに出してた。



ものを捨てる時の作法も

「長くそばにいてくれたものは

仏さんがついてるから

ぞんざいに捨てたらあかん。

どうしてもって時には

お神酒をかけて捨てるんやで」

みたいなことを幼い頃に言われて

わたしは小さい頃からずっと

特に靴みたいに

自分の体を守ってくれてたものを

捨てる時は必ず、

お酒をかけて感謝の言葉とともに

見送っていた。



祖母が元気な時は

それ用のお神酒がいつも、

家にあった気もする。

神棚用だったのかな。

忘れたけど。



祖母が弱り始めてからは

お神酒なんていつもないから

料理酒とか

時にはワインの時も

Jinの時もあったけど

一人暮らしの時もずっと

続けていた。



それを、息子に話したら

気に入ったのか

気になるのか

とにかく生真面目に

その作法を守っている。



祖母は、息子が1歳半くらいの時

97歳で亡くなった。

最後は認知症で

わたしのことは朧げだったけど

息子のことは可愛い可愛いって言って

寝ながらナデナデしてくれた。



関わりが少ししかなかったからこそ

わたしが覚えている、

祖母の素敵な習慣を

息子が受け継いでくれてて

嬉しい。



親として、

未熟でちょくちょくバグっちゃうけど

この「ものを捨てる作法」を

息子が実行している時は

「親として、いいこと教えてあげた」

気分にも浸れる。



大袈裟に言えば、命のつながりって

こんなとこにもあるよね

なんて

大袈裟すぎるけどね^^


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じゃあ、またね!おばあちゃん!



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