非日常な日々に想うこと
慣れというのは喜ばしいようで、
感覚は狂っていく。
限りがあることに気づいたときに、いや自ら区切りをつけていることがほとんどなのだが、過ぎた時間の後にはただ寂しさだけが残る。
ローマに来た当初は硬水が合わず、なるほどマグミットを飲んでいるような感覚かとトイレの中で思い過ごす時間が次第に短くなるように、
苦くて口に馴れなかったエスプレッソを炎天下でも欲して片言に注文して気取るようにもなる。
Ciao と声をかけて聞く、心音はたしかに鳴っていたが その部屋を再び訪れることはなくなった。
PANTHEON
非日常が日常へと変わる一線は曖昧で、思い悩んだ日々の点と点とを結びつけることはなし難いが、身体の変化は分かりやすい。
ローマの日差しによって、刻まれた時計焼けの跡は日本に戻れば何とも思わない日焼けへと変わり、そして馴染んで消えてしまうだろう。
いま肌に感じているローマの日々が僕の中で色褪せてしまうことを思うと、やはり哀しい。
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