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文系学部卒でコンピュータサイエンス修士課程(ジョージア工科大学/オンライン)に合格した話【2024】
※タイトル補足:日本の大学は教育学部でしたが、カナダのカレッジ(学部未満レベル)ではIT系のコースに通っていました。
※記載した情報は2024年5月時点のものです。
筆者の略歴
東京の某大学の教育学部を卒業後、日系メーカーで商品開発を担当し、外資系人材会社に転職後は転職エージェントの仕事をする。この時点でITやプログラミングなどは経験無し。
彼女(現在の妻)がカナダ移住をしたいということで、30歳の時にワーホリでカナダに渡航。
IT系のキャリアに興味を持ち、カナダ・トロント近郊にあるSheridan CollegeのSoftware Engineering系のコースに通う。
カレッジ卒業後、コールセンター向けソフトウェアを開発している米国テック企業のカナダ法人にてソフトウェアエンジニア(フロントエンド)として勤務し現在3年目。
カナダ・ウォータールー市にて、妻ともうすぐ1歳半になる男の子と楽しく暮らす。昨年末にカナダ永住権を取得し、今年に入り家を購入。
合格した大学とプログラム
大学
Wikipediaに本大学に関する日本語の情報があります。
ジョージア工科大学(ジョージアこうかだいがく、英語: Georgia Institute of Technology)は、ジョージア州アトランタに本部を置くアメリカ合衆国の州立大学。1885年に設置された。Georgia Tech(ジョージアテック)、GATech、GTと略される。工学系は、全米TOP5前後で国際的に名高い。シェラー・ビジネススクール ( Scheller College of Business ) は、全米TOP30(公立大学ではTOP10、工科大学ではMITに次いで2位)となっている。
全米屈指の超名門校であり、工科系大学の最難関クラスに位置している。米国州立大学ランキングで総合5位、THE世界大学ランキング2023では世界38位、工学の分野では世界で7位で, コンピューター科学では、世界で8位の米国の工学のほぼ全ての分野において常に5位前後にランクされている世界屈指のエリート名門大学の1つ[6]。「南部のMIT」 (MIT of the South)と呼ばれ、米国工科大学の御三家 (北東のマサチューセッツ工科大学MIT、西のカリフォルニア工科大学Caltech、南のジョージア工科大学Georgia Tech) の1つとされている[7][8][9] 。
プログラム
私が合格したのはOnline Master of Science in Computer Scienceというプログラムで、OMSCSと略されています。働きながら通う方が多く修了までに3〜4年ほどかかる方が多いようです。修士論文の作成はなく、合計10コースの合格(成績要件もあり)によって修了が可能です。参考までに選択できるコースを一部抜粋します。
Introduction to Graduate Algorithms
High-Performance Computer Architecture
Human-Computer Interaction
専門分野
下記5つの専門分野から1つを選択し、受講するコースの約半分は選択した専門分野に紐づいたコースを受講する必要があります。個人的には、これまでのフロントエンドとしてキャリアを積んできたので、それに近いHuman-Computer Interactionか、昨今ChatGPTなどで話題のAIについて深く学べるInteractive Intelligenceにするか迷っています。
Computational Perception & Robotics
Computing Systems
Human-Computer Interaction
Interactive Intelligence
Machine Learning
応募の動機
私はIT関連のバックグラウンドに関してはカレッジレベルのため、コンピュータサイエンス関連の体系的知識が少し薄いのではないかと常々感じていました(同僚のほとんどが同専攻の学部や修士卒ですし)。今の業務レベルではそういった体系だった知識が薄くてもなんとかなっていますが、今後シニアレベルやそれ以上を目指す上で早々に壁にぶつかるのではないか、という危惧があります。
もちろん独学で学んでいくことも可能ですが、モチベーションの維持が課題となる上に学んだ後にそれを証明するものが無いため、学位という形になるものを取得したいと考えました。妻子がおり家のローンもあることから会社を辞めるという選択肢はなく、オンラインで受講可能なものに限り検討しました。
オンラインとはいえ、修士課程ではコンピュータサイエンスや関連学部の出身者に限るというプログラムも多い中、本プログラムは幅広いバックグラウンドから学生を受け入れていることに加え(もちろんIT系の学位がある方が有利)、大学ランキングとしても高いために授業や学生の質も担保されているだろうという点も魅力的でした。何より学費の安さも大きな魅力です。
また、万が一会社からレイオフされたり、そうでなくても今後転職を考えた場合、やはり学歴含め自身のプロファイルを高めておくに越したことはない、という考えもあります。学歴よりも実務経験(やLeetCodeなどで面接対策)の方が重要になってくるといえばもちろんそうなのですが、そもそもコンピュータサイエンス専攻の学部卒や修士卒が転職市場に数多くいるという環境の中で、面接に呼ばれるまでのスクリーニングで弾かれてしまう可能性を減らしたいと考えています。
学費
オンラインということもありますが、修了までの総費用は日本円で100万円ほどです。オンラインでも修了までに500万円ほど必要なプログラムもある中、本プログラムの圧倒的安さは大きな魅力です。
参考までに、2024年度夏学期の費用(https://bursar.gatech.edu/student/tuition/su24/su24_totalspage.pdf)を基準にした簡易的計算はこちらです。
1コースあたりの学費:$180 / hour * 3 hours = $540
1セメスターあたりの管理費:$107
10コースを10セメスターで修了した場合:($540 + $107) * 10 = $6470
日本円に換算:$6470 * 155 = 1,002,850円
本プログラムでは1コースあたり3 credit hoursだそうです。上記に加えて書籍費などが発生します。不安であれば学校に直接問い合わせをお願いします。
応募手続き
成績証明書
これまで通ってきた全ての高等教育の成績証明書(英文)が必要になります。私の場合は、日本で卒業した大学と、カナダのカレッジのものを提出しました。日本の大学ではやる気がなかったのでGPAは2点台半ばと壊滅的でしたが、カナダのカレッジでは難易度が高くない上にしっかりと勉強していたため約3.8というスコアです。
英語力証明
IELTSやTOEFLなどの試験成績が必要になります。修士課程ということもあり、非英語圏出身者にとってはなかなかハードルが高いです。
IELTS Academic: Overall 7.0以上
TOEFL IBT: 90点以上
共に各セクションの最低点基準があります。私は数年前に受けたIELTS AcademicでOverall 6.5でしたが、私はカナダのカレッジを卒業したということで英語力証明は免除されました。
レジュメ
私はカナダでの就職活動経験があるので最新版にアップデートしたくらいですが、日本での履歴書+職務経歴書とは書き方含めて異なるので慣れていないと大変です。
質問への回答
応募システムに直接書き込んでいく形で、「これまでの経歴を記せ」「なぜこのコースを学びたいのか」などの質問に答えていきます。「GPAが3.0に満たない場合は事情を説明せよ」という質問もあり、自分は該当していたので言い訳をつらつら記載しました。また、技術的な質問は一切ありませんでした。一時保存可能で最終提出までに何回でも修正可能なので、落ち着いて質問に対する答えを考えることができます。
リファレンスレター
いわゆる推薦状で、合計3通必要です。私の場合は直属の上司(Senior Director)と同僚2名(SeniorとIntermediateレベル)にお願いし、私の仕事内容や働きぶりなどを書いていただいたものを提出しました。アカデミックの方(大学の担当教授など)から1通あった方がいい、という情報もありましたが、私の場合は大学は専攻違いの上に卒業後一切関わりがなく、カナダのカレッジも講師との繋がりが薄かったため、勤務先からのレターのみ準備しました。
その他
コンピュータサイエンスや関連学部の出身でない方は、Georgia Techが提供している下記の有料オンラインコースを受講して合格証明書を提出するのが望ましいと大学側からのアナウンスがあります。私は学部未満のカレッジでIT系を専攻していたので受講するか迷いましたが、カレッジでJavaやアルゴリズムのコースを取っていたので受講はしませんでした。
Python基礎
オブジェクト指向プログラミング(Java)
データ構造とアルゴリズム
出願スケジュール
2013年11月〜12月
コンピュータサイエンスの学位が取得できる学校を調べ始める
応募先を本プログラムに絞る
2024年1月
上司にリファレンスレターをお願いする
レジュメの作成開始
2月
応募システムへ入力を開始
同僚にリファレンスレターをお願いする
リファレンスレターが3通揃う
3月
応募書類や応募要項などの最終チェックをして提出
2024年9月スタートのコースは中旬に締め切り
4月
月末に合格通知を受け取る
今後
2024年9月にプログラムが開始するまでは、学費の支払いや最初のタームに受講するコースを決めたりします。コースによりますが、個人的に馴染みのない言語(C, C++, Python)や、仮想マシン構築やネットワーク、場合により数学系(線形代数など)の事前学習が推奨されている場合が多いので、受講計画をたてて必要な事前学習を早めに進めなければいけません。
仕事と子育てに加えて学業も頑張らなければいけないので大変だと思いますが、同時に修士号取得という新たな目標ができたので、気合い入れて頑張っていきたいです!
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