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【水族館】【博物館】地下水族科学館 石油文化ホール もぐらんぴあ

2024年4月30日

この日は種市から南下しつつ、ここもぐらんぴあと本州最東端の魹ヶ崎を巡る旅程。

岩手県久慈市にあるこのもぐらんぴあ、事前の情報としてはさかなクンさんがかなり積極的に支援活動を行っている水族館である。という情報しか持っていなかったのだが、蓋を開けてびっくり。
地下水族館の意味がしっかりとわかる展示でかなりのギャップというかそういう理由からここに地下水族館を作ったという種明かしが展示でわかった。

題に示したように、ここもぐらんぴあは石油文化展示と水族館展示という二面を持った科学館で、地下水族館に至るまでのみちのりに日本という国における石油の立ち位置を示した展示がしっかり組み込まれていた。

石油文化ホール……?水族館では?とおもっていた

まずなぜこのもぐらんぴあに石油というところは、ここ久慈には国家石油備蓄基地が置かれているということからこのもぐらんぴあは設立されたということだ。
もちろん所持企業はその石油備蓄の関連企業、日本地下石油備蓄株式会社ということになっててしっかりと地下石油備蓄の啓発施設としての役割が置かれているらしい。

石油備蓄の様式にはよく見られる地上タンク意外にも複数の方式があり、ここ久慈では水封式地下岩盤タンク方式というものが取られている。らしい。
工場に出入りする職業となれど、見たことあるのは地上タンクぐらいなものなので、今回このももぐらんぴあに来てこの展示を見るまでは地下での岩盤水封というものは見ていて新鮮だった。
公的なエネルギー施設と同様に日本人は1日に何mlの石油を~だとか、シーレーンに依存する日本ではそれが途絶えたら~だとかの念仏が続く。
もちろんエネルギー政策の紹介の仕方としてはかなり小学生程度の対象年齢に向けたものなので当然の感じで特色という物はそこまでなかった。
しかし、トンネル年表として人類有史のトンネル技術を歴史ごとに並べた年表はなかなかの堂の入りよう。

金を取ったトンネル。アクアラインの先駆けですね。

日本の交通史を紐解くかのような年表はなかなかの見応え。

また地下水封岩盤タンクの技術的な成立のされ方を見せる展示もあってこれについては工業的にもかなり興味を持たされる展示で地下資源の有効活用とはまさにこのことで、そんな技術でもって国家石油備蓄されてるのか……と感心しきり。

水と油が混ざらない性質を使った地下水封式岩盤タンク

完全に狙いの通り石油備蓄の啓発もされてしまい、俺は水族館に来たはずでは・・・?

実物大の油中ポンプも展示され大満足

そして石油文化ホールの最後にはトンネル工事としての重要な技術である発破が体験できる。

誰だって一度は押したい『発破』ボタン

発破の際には周囲に人がいないこと、人員数を確認すること、崩落危険場所の明示をしてバリケードを張ること。
確認が終わったら上長に許可申請をして、発破しましょう。

発破で石油についての展示を締めて、続いては地下水族科学館へ。

トンネル内の設備ですので完全電波遮断です。

まずは水族館に入ったときに展示の所々に、にじみ出るのがさかなクンさんが応援団長をしているだけあってユニークなキャプションの数々。

丁寧な色鉛筆での彩色
カレイを正面から見せる視点
さかなクンさん直筆原稿
調理後とはなかなかに攻める

水槽の大きさ、数については中規模の水族館だけど、入口に北限の海女の紹介があったり、クラゲゾーンでは結構な数のクラゲの展示をしていたりとなかなかな工夫が随所に見られる展示だった。

お魚にタッチできる不思議な水槽。

このたっち水槽もご飯の時間にはもっといっぱい集まってくるんだろうなぁ~と思えるくらい人馴れしてるお魚たちでちょっと手をいれるだけで「何~~~?」って感じで集まってくれて非常に可愛い。

アカクラゲ

クラゲ水槽の数もかなりの数でクラゲの一角だけでも割と満足できる規模であった。

そしてやはりというか、さかなクンさんのキャプションの威力は抜群にいい。

目に付くシーンがとにかく多い

気づくと水槽以上に、この水族館のお魚の紹介ばかりがカメラロールに残っていて、お魚を見にきたというより飼育員さんの作品を見に来た様相に。そして目玉として置いてあるトンネル水槽の写真すら無いw
……そこまでの情熱がにじみ出ているキャプションということで。

順路最後のミズクラゲ水槽

地下の水族館ゾーンを終え、館内全体を回るとする。
メインは入口トンネルの石油備蓄展示、地下の水族館ではあるが、2Fにはまた石油備蓄についての資料ゾーン、3Fには久慈周辺のジオパークと震災の資料館、そして4Fにはさかなクンさんの作る水槽のゾーンと結構メイン外も充実の展示。
特に4Fのさかなクンさんのゾーンは彼の衣装の展示や、応援団長としてのもぐらんぴあでの来歴の紹介など小さいながらもしっかりと作り込まれた展示で非常に見応え有り。

本人着用モデルの白衣!
こちらもまた直筆原画
イラストにあわせた展示

応援団長として震災後も何度もこちらに来ているそうで、水族館のスタッフさんとのやり取りを垣間見える展示で非常に良かった。

当初は水族館!として見に来たこのもぐらんぴあであるが、意外にも石油備蓄のことをしれたし、その特徴的な設備の数々はかなり目を引く展示でおもしろかった。
水族館も大規模では無いながらも飼育員さんがさかなクンismをきちんと受け取ってそれらをお魚たちを通してキャプションに映してくれている非常に面白い展示だった。

以上。

久慈国家石油備蓄基地 地上部がもぐらんぴあ屋上から望める