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母親に自分ノートをみられた


”自分ノート”

私はそれに、考えたことや人には言いづらいことを、たくさんたくさん書いていた。後で見返すことはあまりしない。その時の気持ちを整理するつもりでたまに、ほんとたまに、、月に1,2ページの頻度で書いていた。感情を文字にすることで、自分と向き合えた。


それなのに、ある日。

いや、ずっとだったのかもしれない。

母親に読まれた。


”話があるから今日はまっすぐ帰って来てください。”

バイト中、母親からLINEがきた。何のことか見当はつかなかったけど、嫌な予感はした。夜遅くまで遊んで帰っても、無断で外泊しても、怒られるような家ではない。ただ、そんな優しさにつけこんでよく遊びに出かけていた。

結局、その日は残業で遅くなったから、次の日の夜に私の部屋で2人きりで話をした。

母は、なぜか知っていた。

私がマッチングアプリで男の子と会っていること、彼氏でもない人とそういう行為をしていること、そういう考えに対して抵抗がないこと。

全部、バレた。


その時は、何で知っているのか不思議だった。私のスマホを勝手にみたのか、、地元の大学に通って実家暮らしだからどっかのママ友から連絡があったのか、、なんて考えた(笑)

でも、繋がった。私の全部がかたちになっているものは、それしかなかったから。

母はどうしてそのことを知ったのか答えなかった。だから私も、アプリなんてしたことがないし、そういう行為をする人はもういない、なんなら彼氏がいるんだなんて大嘘を被せた。小さい頃から母に言い返すことが出来ない。この嘘たちが、せめてもの抵抗だった。なのに、母はこの嘘を信じない。「自分を安売りしているんじゃないの。今月は外泊禁止だから。あなたの言うこと全部が信用できない。私に紹介できる彼氏ができたら連れてきて。」

ああ、この人には一生叶わないんだ。

もう部屋に大事なものを置いておくのはやめておこう。この家にプライバシーなんてものは存在しない。昔から手帳も日記も交換ノートも見られてたっけ。忘れてた、考えが甘かったな。

私は、勉強机の鍵がかかる棚に見られたくないものを全部閉まった。本当は部屋に鍵をかけようかと思ったけど、家にお金は入れていないし自立してないのだからやめておいた。何よりそんな抵抗ができる程、私は強くない。


そんなこんながあって2か月半。今は、忙しさもあって男の子と遊ばずに、おとなしく暮らしている。

全部、全部。人への関心の薄さ、自分の貞操観念の低さ、自己管理の甘さ、が招いたこと。

自分ノートは県外に行ったときにでも駅のゴミ箱にでも捨てようと思う。


だから、これからは

”自分ノート”をここに残していく。

この家を出るまでの11か月の辛抱だ。

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