【yom yom連載】インタビューさせてくださる男性を探しています。

この度、新潮社の電子書籍文芸誌『yom yom』にて「一般男性とよばれた男」というタイトルの連載を始めることになりました。ざっくり言うと、社会的に「普通」とされる男性たちが何を感じ、何を思いながら日々を暮らしているのか、インタビューしながらその内実に迫るという企画です。そこで、お話を聞かせてくださる男性を募集しています。

私は第一回目の原稿(2020年3月20日発売の『yom yom』vol.61に掲載される予定です)で、このようなリード文を書きました。

〈一般男性という言葉がある。例えば有名人が結婚したときに「お相手は一般男性」などと使われるあれだ。厳密な定義があるわけではないが、特別な身分でも職種でもなく、社会人として働いていて、異性愛者で、どこにでもいるような普通の男性……くらいのイメージで使われている。実際に大半の成人男性はそのカテゴリーで括られるだろうし、私自身もそこに入るはずだ。

 しかしその一方で、一般男性とは「一般」と言うわりに案外よくわからない存在でもある。私は恋バナ収集ユニット「桃山商事」の一員としてこれまで1200人以上の恋愛相談に耳を傾けてきたが、女性たちの多くは「男が何を考えているのかわからない」と言う。確かに男性が相談に来ることは稀だし、仕事の話や趣味の話、あるいは自慢話や武勇伝のようなものではない、もっとプライベートな領域の、恥ずかしい部分や弱い部分を含めた「自分語り」を聞く機会は意外に少ない。

 この連載では、そんな一般男性にインタビューをし、彼らが何を感じ、どんなことを考えながら生きているのか、彼らの声にじっくり耳を傾けていく。ときに賛同できない意見や、首をかしげたくなるような発言も出てくるかもしれないが、男性たちの正直な気持ちを知ることを目的とするため、ここでは個人的な価値判断を入れず、語りおろしという形でありのままを伝えられたらと考えている。

 いや、「ありのまま」ということについては、私はあらかじめ読者のご理解をどうしても得ておかなければならない。この企画に協力してくださった方々が率直に語れば語るほど、彼の社会的な地位や人間関係を損ないかねない事柄も含まれてくる可能性がある。そうした様々なしがらみが彼を何かに縛り付けているのだとしても、それを振り捨てれば現在の日常生活が損なわれかねないからこそ、彼は屈託を抱えたまましがらみの中にとどまってきたのだ。また、それこそが男性性の問題を考える上で重要な何かを示唆しているようにも思う。〉

お聞きしてみたいのは、「普段あまり人に話すことのない、語りづらさを含む身の上話や自分語り」です。語りづらさの背景には、「男は共感的なコミュニケーションを好まない」「男は感情の言語化が苦手」など、いろいろな説明があると思います。ただ、たまに男性の恋バナを聞く機会があると、意外なまでの勢いで話が溢れ出る瞬間があることに気づきます。

恋愛のこと、仕事のこと、結婚のこと、過去のトラウマ、生活の困りごと、性の悩み、お金の不安、人間関係の失敗……などなど、話題はなんでも構いません。この連載では出来事のユニークさもさることながら、そこで感じたことや思ったことを当事者なりに言語化してもらうことが主目的となるため、「すべらない話」のような完成されたエピソードを求めているわけではありません。

一般男性とは視点を変えれば「社会的多数派」とも言えますが、我々はマジョリティという意識もないまま日々を暮らしているはずです。マジョリティゆえに「考えずに済んでいること」「言語化を求められないこと」がたくさんある一方で、マジョリティであり続けるための暗黙の約束事やプレッシャーもいろいろと存在しているように感じます。

そういう「心のやわらかい部分」にまつわる語りを通じ、男性性や男らしさの問題について考察を深めていきたいというのが当連載の狙いです。こういった話をする上では極私的な話題にも触れざるを得ないため、身バレや不利益などが発生しないよう、原稿化する際はプライバシーを守るための万全の配慮をいたします。お名前や経歴、関係性や具体的なシチュエーションなど、個人の特定につながるおそれのある部分には清田の責任で変更を加え、掲載前には原稿を確認していただく形で制作を進めます。

長くなりましたが、上記の主旨に賛同し、身の上話を語ってもいいよと思ってくださる方がいらっしゃいましたら、下記のフォームまでご連絡いただけると幸いです。後日こちらから改めて概要等の連絡をさせていただきます。

↓フォームはこちら↓
https://forms.gle/hYFr5XQz7YRZ1hhv9

どうぞよろしくお願いいたします。

清田隆之(桃山商事)/新潮社『yom yom』編集部