4.悲劇は突然に

私と旦那は、2010年11月に入籍。2011年11月に長男、2014年5月に長女、そして、2017年7月に次男を授かり、共働き夫婦で3人の子供を育てていました。3人の子供たちの成長が何よりも楽しみにしていて、平日は思いっきり仕事して、週末は家族で思いっきり遊ぶ!を信条に、5人で楽しく暮らしていました。共働きなので、家事も分担していました。朝、ゴミ捨て、洗濯、子供の保育園の準備、そして子供たちを保育園に送り届るのは旦那の担当。子供たちの面倒みながら朝ごはんの準備、後片付け、そしてみんなを送り出すのは私の担当。帰宅してから、子供の習い事の送迎、保育園・学童へのお迎え、夕食の準備、宿題のサポート、お風呂と寝かしつけは私の担当。夕食のお皿洗いは旦那の担当。留守している間の掃除はお掃除ロボにお任せで、家計簿はMoneyForwardが自動でつけてくれていた。旦那とは、うまく家事を分担して、平日はお互い仕事に全力投球、そして休日は家族で思いっきり遊んで過ごしていた。3人の子供達の行く末を元気に見守りたかったから、二人でホットヨガにも通っていたし、食事にも気を使っていた。旦那は結婚当初に比べると格段に健康診断の結果がよくなり、ホットヨガのおかげで肩こりも軽減されていた。なんか最近調子いい、ホットヨガ最高だね、ってよく口にしていたっけ。

そんなある日のことです。その日も、普通の土曜日でした。午前中は1週間分の食料品を買い出しに行き、午後は息子のサッカーの試合を観戦。帰宅して、旦那は子供達3人をお風呂に入れ、私は夕食の準備を。家族揃って夕食を共にし、週末のお楽しみで旦那と私はビールを飲みつつ談笑していた。私の方が酔っ払って、”アイスクリーム食べたい!”っていったもんだから、みんなで近所のコンビニまでアイスクリームを買いにいった。ちょっとした夜のお出かけ。ただ歩いて近所のコンビニまで行くだけだけど、パパと一緒だとまるで大冒険。いつもとは違うルートを通ってみたり、道すがらにある公園の滑り台を滑ってみたり。
帰宅してアイスクリームを食べて、歯を磨き、いつもの通り夜8:30、みんなで2階の寝室にいった。旦那は一番に大いびきをかきはじめ、長男、長女がそれに続いて寝息を立て始めた。私は寝ぐずりする次男をなだめながら、気がついたら一緒に寝てしまっていた。

夜10:40ごろ、トイレに行きたくて目が覚めた。寝室を出て、2階のトイレにいくと、なぜかドアが全開で、旦那がトイレに座って眠っていた。”もう、こんなところで酔っ払って寝てたら風邪ひくよ!”そう言いながら彼を揺り起こしたのだが、反応がない。一気に血の気が引いていった。心臓がバクバクなるのを感じたし、急激に喉が渇いて、周りの音が聞こえなくなった。なんか大変なことが起こっている。そう直感的に感じて、大急ぎで寝室にiPhoneを取りに戻った。すぐに119番に電話して、状況を話す。今から向かうからそれまで、電話をスピーカーフォンにして心臓のマッサージをしろと言われた。すぐに言われた通りに旦那を起こそうとしたけれど、なんせ身長180cmもあって体格もしっかりした人だから、トイレから引きづり降ろすこともできず、後ろから旦那のことを抱きしめるような形でなんとか心臓をマッサージした。すると、旦那が”ふーっ”と息をついた。”今、息しました”そう叫びながら、救急隊員の”1、2、3、4。。。”の掛け声に合わせて、必死で心臓をマッサージした。”もう、何やってるのよ。起きてよ、起きてくれないと困るよ”なんだかそんなことを口走りながら、とにかく必死だった。やがて救急車のサイレンが聞こえ、家のインターホンがなった。私は急いで救急隊員を家に招き入れ、旦那のことを任せた。

義理の父に電話をかけ、すぐに来てもらった。子供達は、救急隊員がきているにも関わらず、3人ともぐっすり寝ていた。子供たちのことを義父に預け、私は救急車にのって旦那とともに病院へ向かった。とにかく喉が渇いて喉が渇いて、自分の心臓の音がバクバクとうるさくて、何がなんだかこの時のことはあまり覚えていない。病院について30分ほどして、当直の先生に呼ばれて処置室に入ると、旦那はベットの上で冷たくなっていた。医師によると、止まってしまった心臓は20分以内じゃないと蘇生ができません、と。その瞬間、”子供3人も残して何やってるのよ”と、その場にへなへなと倒れ込んだ。でも涙は出なかった。私の心臓はこんなにバクバク動いているのに、なんで旦那の心臓は止まってしまったの?死亡しましたってどういうこと?私はこれからどうやって生きていけばいいの?子供達にはなんて伝えればいいの?あんなにパパのことが大好きだったのに、父親を亡くすだなんて経験、あの子達は乗り越えていけるの?もういろんなことが一度に頭の中を駆け巡り、涙なんて出している場合じゃなかった。

その後、病院でみてもらったところ、脳内出血も内臓出血もなく、死因は不詳、とのことだった。心臓が止まったのは明らかだが、なぜ止まってしまったのかについては、止まった心臓からは原因が導き出せないのだとか。こうして、まるでデスクトップのPCの電源コードを突然引っこ抜いたように、旦那の人生はなんの前触れもなく終わりを迎えた。

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