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おすすめ構造設計関連書籍の紹介02

建築構造関係書籍の紹介記事が長くなりそうだったので、パート分けしました。本に載っていることは講習会のように教わらなくても、実際使う時に必死になって読み込めばよいと考えています。建築の場合ならば、それらの本を自分で調べて得た知識を使って建物として完成したら、自然とガッツポーズが出る。それが本当の意味での建築設計の教育なのではないでしょうか。今すぐに読まなくても、本をストックして積み上げておく価値はあります。

part1はこちら↓

ディテールの教科書 中大規模木造編

1.ディテールの教科書 中大規模木造編

(編:日経アーキテクチュア、出版:日経BP)
『教科書』として期待して購入した場合は、物足りなさを感じてしまうかもしれません。しかし構成は事例紹介と各接合部のおさまり、材の調達、防耐火などが解説された本で、読みごたえは十分にあります。桃李舎さんがCLTを巧みに使った『銘建工業本社事務所』、製材をうまく活用した日建さんの『天草市複合施設ここらす』など感心させられる建築ばかりです。いずれは私もこのような書籍に名を連ねられるよう励みたいと考えています。ここ数年、木造は建築界のトレンドとしてひた走っており、皆さんもこちらの本で感服してみてはいかがでしょうか。

中大規模木造建築物の構造設計の手引き(改訂版)

2.中大規模木造建築物の構造設計の手引き(改訂版)

(著:稲山正弘、出版:彰国社)
 木造で『教科書』と呼びたいならこちらをお勧めします。木質の大家・稲山先生の集大成です。本来、設計者が木造に取り組むとき、法令・構造・施工だけでなく、耐火・木材調達・木加工など総合的な知識と設計力が必要です。しかし設計者の力量不足で採用率は依然低い状態です。そのハードルを越えさせるために稲山先生が完成させた素敵な一冊です。この本で、中大規模木造建築の基礎知識と設計手法を習得しましょう。2019年に改訂版が出ています。見た目は薄い本ですが、1ページに内容盛りだくさんでたいへん大満足できます。

現場必携 建築構造ポケットブック(写真は、第5版のもの)

3.現場必携 建築構造ポケットブック

(編:建築構造ポケットブック編集委員会、出版:共立出版)
 ポケットブックなのにポケットに入りづらいことで有名。しかし使用頻度は高く、私のものは上の写真のように使い古されています。本来の表紙はこちら↓

 たわみの変形増大係数は?主筋のあきは?座屈長さは???少し困ったときに手元にあると、すぐに参照できます。使えば使うほど知識が付くので、年配の構造設計者になるほど参照する回数が減るらしいです。
 最新版ではすべての章が見直され一新。免震はもちろん、木造(集成材やCLT)や特定天井、あと施工アンカーなどについても記載されています。弊社・構造設計部の所有率は100%だとか。

(写真は、第5版のもの)


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