silentを見て思い出した僕の片思い


僕がsilentにハマった理由は
学生時代の自分と勝手に重ねて切なくなってるから。

思い出して苦しいとかじゃないんよ。
久しぶりに切なくなって騒いでる。

もう、こんな事はここで独り言のようにしか呟けないから恥ずかしげもなく書くけど
誰か見てても笑わないで静かに聞いてね←

僕はさ、高校の時すごい好きな人がいた
よく笑う、声の高い目の茶色い子だった。
鮮明に思い出せる、初めて会った教室で
見た瞬間から好きだった。

可愛かったからなのか、どこを好きになったのかは
今でも分からない。
でも、気が付いたら好きだった。

その子には既に彼氏がいた。
言い方悪いけど、冴えない奴だった。
お似合いではない2人
それが僕の正直な感想

でも、彼女はいつもその冴えない彼氏の隣で
幸せそうにしていた。
それを見て、僕は悔しかった…なのに奪いに行く勇気はなかったな。

彼女は同じクラスで、立ち位置がドラマや映画で例えるなら主人公な人だから
いつも誰かしらに囲まれて笑っていた。
僕もその中の1人で
夏休み前にみんなで集まろうぜ!って言えるくらい
仲良くなっていた。

仲良くなると欲が出る
もっと知りたい、もっと話したい。もっと近付きたい。

でもその距離を一定に保つ彼女に
彼への愛を感じずにはいられなかった。

その頃まだLINEは主流でなくて、メールでのやりとり。
既読なんてないから、返事が来るのをひたすら健気に待った記憶。

僕の質問のメールに「うん!」と短い文が帰ってくることは少なくなかった。

それでも僕は彼女が好きだった。
毎日彼氏と別れろって思っていたし、
気がある素振りはし続けた。
それなのに、彼女は幸せそうに毎日笑っていた。

でも、ある日突然転機が訪れる
高校2年の夏休み明け
彼女が振られたという噂で大騒ぎになった。
逆だろ?と思ったが
概要は次の通りだった。

夏休みにはしゃぎすぎた彼女が
友人達とのお泊まり会にて
女子だけでクラブに行ったらしい。

そこで、浮気した!とかではなく
そういう所に行く女は嫌いという昭和の男のような発言であっさり彼女を振ってしまった。らしい

くだらねえ。なんだその理由?と思ったが
何はともあれ僕にはチャンスだった。

彼女は痩せこけ、笑わなくなっていた。
毎日泣き腫らした顔で学校に来た。
僕は毎日電話した。
たまに無視されたりもしたけど

出てくれた時は何時間も話せた。
必死で笑かした
笑いこけて泣くくらい笑かした。

「ありがと」って言われた時
「好きやから」と告白した。
その返事も「ありがと」だった。

「知ってた?好きなの」と聞くと「うん」と答えて

「付き合わへん?」て言ったら
「どうしよっかな」と答える彼女。

「付き合ってみたらいいやん」て押して
「うーん。どうかな」と濁す

「こんな好きなの初めてだから。絶対大事にする」
「ありがと。じゃ、試しに付き合ってみる」と返事がもらえて
やっと僕は彼氏になれた。

今でもこの会話ハッキリ覚えてるってまじキモくない?
キモイわ自分…

宣言通り、僕は彼女をとても大事にした。
毎朝家まで迎えに行って一緒に登校して
帰りも自転車の後ろに乗っけて下校。

好きな食べ物、飲み物、お菓子にお気に入りの香水
好きな歌何もかもが彼女に合わせて
染まっていった。

それが自分は嬉しかったし、高まっていると実感していたが
彼女はそんなに幸せそうではなかった。

因みに彼女の好きな曲でよくカラオケで歌ってたのが
宇多田ヒカルのeternally,
今でも不意に聞くと泣きます。駄目ねこれだけは。
宇多田ヒカルが好きな子でしたね。

メールも電話もいつも自分からで
追いかけている自覚はあった。
彼女は僕の事を好きなのか?
その不安はいつもすぐ隣で笑ってた。

でも「好き?」と聞くと「大好き」が返ってきた。
それが僕の安定剤だった。

毎日のように一緒に過ごして
何度も重なったはずなのに
いつまでも自分のモノになった感覚はなくて。

これまでして来た恋愛とはまるで違い
いつから僕はこんなメンヘラみたいになったのか?と
自分を少し嫌いになった。

高校を卒業して僕らは進路がバラバラになり
過ごす日々がガラリと変わった。

僕は大学
彼女は短大へと進んだ

正直ホッとした。
卒業したら、もうあの元彼とは会うこともない。
高校に通っている間はアイツがいつかやっぱりよりを戻したいって彼女に泣きつくんじゃないかって
恐ろしかった。

握った手をあっさりと離されそうで。

しかし、順調に行っているように思えた毎日に
当然前触れもなく雷が落ちた。

いつものように、晩飯を彼女のお気に入りの焼肉屋で食べていると

「ねぇ、友達に戻りたい」と切り出された。
何食わぬ顔で

「は?」
それしか出てこなかった。

「友達に戻りたいの。ゴメン」そう言いながら肉を食べるのを止めない彼女。

「ちょっと待ってよ。なんで?」

「元彼とより戻したい。ゴメン」
もっと…悪びれてくれよと思った。
何十回、何百回言わせてた「大好き」は何だった?

「ありえないでしょ。付き合って2年だよ。僕は何だったの?」

「好きだったよ。でも元彼の事の方が好きなの。それに気付いてたけど、優しさに甘えてた。
ずるいけど、ごめん。もう付き合えない」

「はぁ?それで?僕と別れてアイツとより戻すの?」

「うん」

「キスしたり抱き合うの?まじで言ってる?」

「うん」

「ありえないわ。そもそも友達なんて思ったことないから。お前のこと」

「うん、ごめん」

「肉食わないと死ぬの?」

「食べてないと、泣くから。でも別れるって決めたのは私だから。私は泣かないって決めたから。」


「あっそ。じゃあね、バイバイ」

そう言って僕は店を出た。

最後まで淡々と話す彼女に僕はあぁ本当に戻れないんだなと痛感してしまい涙が止まらなった。

死にたくなった。初めて
本当に生きていたくなくなった。
そんな事思ったのこの時だけだ。
失うって恐かった
立ち位置が急に分からなくなる

今まで息どうやってしてたっけ?
涙ってどう止めるのか?
混乱が暫く続いた。

風の噂で彼女はその後元彼とよりを戻し
数年後結婚した。

別れてから1度だけ同窓会で顔を合わせた。
変わらず可愛くてドキドキした。
でも、もう何も言えなかった。

彼女は幸せそうに笑っていた。

彼女のストーリーの登場人物から僕は消えた。

僕のストーリーからはまだ完全に消えていないけど。


後悔して欲しいなと思う日もあったけど
今は幸せを祈っている
僕なんかに祈られたくないだろうけど。

あの時の恋が幸せすぎて切なすぎて苦しすぎて
その後の恋愛は散々だったけど。
今でもたまにふと思い出すし
会いたくなるけど

会ったとして
僕はもう君の目には映らないんでしょうね。


って話。

誰かに聞いて欲しかった
この散々たる思い出話を。

なにこんなくだらん話をsilentと重ねてるんやと怒られるかもしれんけど

すんごく好きな人って
いつになっても色褪せないよねって話したかった。

そういうの僕だけやないよねって
確認したかった。


ああ可哀想…自分。

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