言葉の持つ温もりを繋げたい

初めて自分の書いたお話を、WEBで公開したとき、私が望んでいたのは、誰かと繋がることではなく、ただ書きたいと思う気持ちのまま書くことだった。

その頃書いていた場所では、PVなんてわからなかったし、感想をもらうような掲示板に書かれるのは、圧倒的に自分のも読みに来てほしいという宣伝の方が多かった記憶がある。

そんな中、たまたま一番最初に書いていた小説がランキングに入り、顔の見えないいろいろな人たちが訪れるようになった。
そのときはまだ、百瀬七海と名乗ってはいなかったけれど、その頃から少しずつ、誰かと交流するということの楽しさを知った。

だけど、交流は当然のことながら、お互いの作品を読み合うことで成り立つものだった。
私の作品を読んで感想をいただけば、やはり私も相手の作品を読まなければいけない。
読まなければいけないというのは、とても苦しい。
読みたいものと読まなければいけないものが一致すればいい。だけど、そうではないことも多々ある。
でもひとつだけわかったのは、そういう苦しい関係のまま、いつまでも関係を続けていくのは無理だってこと。
だって私は、読みたいからこの世界にいるわけじゃない。書きたいからこの世界にいるんだ。
私が名付けた「百瀬七海」は、書きたいから生まれた存在。読みたいだけなら、私は何者でもなく、ただのリアルを生きる自分自身の本当の名前しか持たない存在だっただろう。

だけど、書き続けるためには、読むことで想像力を広げる必要がある。
付き合いで読むのではなく、自分の世界を広げるために読む。
その作者さんそのものを好きになることもあれば、その作品を好きになることもある。
読むことは楽しい。それは多分、自分の中の根底に、書くことへの強い想いが存在しているからだと思う。

今の私は、読みたいものを読みたいときに読んでいる。
正直、「読んで読んで」と言われても、それが読みたいときでなければ、読みたくない。それで離れていってしまう人とは、縁がなかったんだと思う。だけど、その人とはダメでも、その人の書いたものが好きだったら、その作品との繋がりを大切にしたい。

最近は、noteでの活動をメインにしているので、小説を読むのがとても減ってしまった。でも、noteの街には、小説もエッセイも詩も、たくさんの居場所があって、いつどこにひょっこり顔を出しても、みんな優しく挨拶してくれる。

人と人との繋がりは、いつまでも変わらずに続けていけるほど、簡単じゃないだろう。
だけど、それでも私は、好きな人は好きなまま、人として感じる「好き」を大切にしたい。
それがいつか、リアルで「書かない私」をも好きと言ってくれる人との素敵な関係になればいい。


こちらのnoteをリライトしてみました。

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2020.11.25

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