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Liar kiss*永遠の片想い*(第八話)
第七話はこちら。
8.彼女と彼女
「おはよう。美紀ちゃん、寝不足?」
給湯室でコーヒーをいれながら、堪えきれずに大きなあくびをすると、亜弥さんが背後から入ってきた。
「あ、おはよう……うん、ちょっと寝不足、かな」
結局、たっちゃんとのチャットが終わっても眠ることなんてできなくて、そのまま迎えた朝。
もう一度出そうになったあくびを堪えて、棚の中からみんなの分のカップを取り出すと、出来上がったばかりのコーヒーを注いだ。
「……ねぇ、美紀ちゃんって、達矢くんと同じ高校だったの?」
不意にかけられた亜弥さんの言葉に、手元にあったカップを倒してしまいそうになった。
「……あ、っつい、」
間一髪、倒してしまう前におさえることができたけれど、中に入ってたコーヒーが、少し指にかかってしまう。
「……大丈夫? 残りは私が淹れるから、美紀ちゃんはちゃんと冷やさなきゃ」
「……あ、うん、少しだけだから、大丈夫。ごめんね」
水道の蛇口をひねると、流れてくる冷たい水に手をかざした。
私の代わりに、亜弥さんがカップにコーヒーを注いでくれる。
蛇口から流れる水音と、カップに注がれるコーヒーの音が、重い空気の二人を包み込んだ。
すべてのカップに淹れ終わったコーヒー。
運ばなきゃいけないのに、たっちゃんとのことを、今さら亜弥さんに、なんて説明すればいいのかわからなかった。
この際、洗いざらいすべてを話してしまおうか?
一瞬、そんなことが頭を過ぎる。
亜弥さんと目を合わせられず、蛇口から流れる水を見つめた。
「美紀ちゃん、達矢くんに彼女がいるの知ってたから、達矢くんと同級生だってこと、言いづらかったんでしょ?」
思ってもなかった亜弥さんからの言葉に、顔をあげる。
亜弥さんは、少し淋しそうな顔をしていた。
「……あの、私は、」
「ごめんね、なんだか美紀ちゃんに気を遣わせちゃって」
肩をすぼめて、悲しそうに笑う亜弥さん。
「……ち、違うの、なんとなく、言い出しにくかっただけで、」
「いいのよ、気を遣ってくれなくても。朝モーニングコールしたら、達矢くんじゃなくて、女の人が出てね」
「……女の人?」
思い浮かんだのは、昨日の夜遅くに見かけた唯の後ろ姿。
あれは、やっぱり唯だったの?
でも、まさか……?
だって、今朝は……唯が近くにいるのに、チャットをしてたの?
チャットで話せたことに、すっかり舞い上がって忘れていたけど、モーニングコールしたら出たって、それは、唯が泊まったってこと?
二人が、元の関係に戻ったっていうこと?
たっちゃんは、唯とはやり直すつもりはないって。
頭の中が今朝の幸せな時間を消し去って、真っ白になっていく。
「……さっき達矢くんに聞いたんだ。モヤモヤしてるの嫌だったから。そしたら高校時代の彼女だって。美紀ちゃんとも同じ高校だったって、話してくれたから……」
たっちゃんがそう言ったなら、私が見たのはやっぱり唯だったんだ。
チャットが突然プツンと終わってしまったのは、唯が一緒にいたからなの?
「唯は……たっちゃんの元カノだから。たっちゃん、高校時代の彼女って言ってなかった?」
「……本当にそうなの? 泊まったくらいだから、元に戻ったんじゃないの?」
亜弥さんの表情は、沈んだままだった。
「きっと泊まったのは、何か理由があったのよ。それよりもほら、そろそろコーヒー出さなきゃ。亜弥さんも手伝ってね」
「あ……うん」
トレーを一つ手渡しながら、必死で笑顔を取り繕う。
唯はどうして、泊まったの?
唯の気持ちを知っていながら、どうしてたっちゃんは唯を泊めたりしたの?
先に給湯室を出て行った亜弥さんの背中を見送ってから、小さくため息を吐いた。
◇◇◇◇◇
「今日も、こんな遅くにランチか?」
「……あ、うん。月初はバタバタしてて。たっちゃんも今から?」
「さすがに新人だからな。一番最初には行けないだろ?」
たっちゃんは、持っていたトレーをテーブルの上に置くと、私の目の前に腰を下ろした。
仕事の間は、なるべく余計なことを考えたくなかったけれど、脳裏をちらつくのは昨夜の唯の後ろ姿ばかりだ。
「……昨日はありがとう」
「え? あぁ、うん、小野のことか」
苦笑いしたたっちゃんは、窓の外に視線を移しながら、ヒレカツを一つ口に放り込む。
私も、最後のポテトサンドを食べ終えると、コーヒーに手を伸ばした。
重い空気が二人を包みこむ。
周りのざわめきが、やけに遠くに感じられた。
「……今日の朝さ、」
「ん?」
不意に口を開いたたっちゃん。
その顔をまともに見れなくて、カップの中に僅かに残るコーヒーをクルクルと揺らす。
「もしかして、待っててくれた?」
「……あ、ううん、」
本当は待ってようかと思ったけれど。
たっちゃんには私が“桜子”だって知られたくなくて、あのチャットの後に、うまく振る舞えるかわからなかったから、一つ先の駅まで歩いて、いつもとは違う電車に乗ったんだ。
「……そっか。てっきり待ってるかなって思ったんだけど……俺も昨日より早く出ちゃったからさ」
「唯が、一緒だったから?」
たっちゃんの目をまっすぐ見据えると、そのままコクンと頷かれた。
「……また、付き合うことにしたの?」
「いや、それはない」
たっちゃんは、きっぱりと否定する。その目に嘘は感じられなかったけれど、私は自分の言葉を止めることができなかった。
「でも、唯は泊まったんでしょう? たっちゃんは、唯の気持ちを知ってて、泊めたんでしょう?」
告白できない私に、ただの友達でしかない私に、たっちゃんのことを責める権利なんて全然ないのに、溢れ出す気持ちが止まらない。
「……唯は、たっちゃんのこと今でも好きよ? わかってる?」
「知ってる」
「……亜弥さんも、」
「うん、今朝告られた」
亜弥さん、たっちゃんに告白したの?
心臓の鼓動が、大きくトクンと音を奏でた。
「……そう、なんだ」
亜弥さん、どうしてそのことは話してくれなかったんだろう。
ポーカーフェースで、窓の外を見つめるたっちゃん。
亜弥さんに、なんて答えたの?
それ以上、なんて言えばいいのかわからなくて、逃げるように社員食堂を飛び出した。
まだ休憩時間は半分くらい残っていたけれど、机の上の大量の伝票のチェックを再開した。
ひとたび気を抜いたら、涙が零れ落ちそうで、コーヒーを飲むことも、気分転換に席を立ち上がることさえせずに、黙々と仕事をこなしていく。
気がつけば、経理部のみんなは次々と帰って行って、昨日と同じく、一人取り残されてしまった。
ふと見上げた時計は、まだ7時。
でも、次の伝票のチェックを始めたら、また遅くなる。
急いで机上を片付けると、タイムカードを押して、会社を飛び出した。
◇◇◇◇◇
こんな気持ちのとき、いつも頼ってしまうのは皆実のこと。
コンビニでお土産のスイーツとワインを購入して、皆実の部屋へと向かう。
皆実の部屋の前までたどり着いて、電話をしてなかったことに気づいたけれど、部屋の明かりがついていたので、そのままインターホンを押した。
少しして、ガチャリと開いたドア。
「ごめんね、皆実。アポなしで来ちゃった」
いつもなら、すぐに中に入れてくれる皆実だったけれど、何かを隠すように慌ててドアをバタンと閉めた。
「……ごめんね、今夜は、」
「もしかして、古賀さんが来てる?」
「……違うんだけど、」
言いづらそうに、首を横に振る。
探るように皆実を見つめると、皆実が閉めたドアがゆっくりと開かれて、中から唯が顔を見せた。
「私なら、美紀がいても大歓迎よ。三人で会うのも久しぶりじゃない?」
ちょっとトゲのあるような唯の口ぶり。
表情は笑顔だったけど、歓迎されていないのは十分承知だった。
“どうする?”
目配せで合図してきた皆実に、小さく頷き返す。
ずっと逃げていてもしょうがないもん。
「お邪魔します」
唯の脇をすり抜けて、皆実の部屋の中に入った。
「無理しなくてもよかったのに」
唯がソファーで待っている中、小声で皆実が呟く。
「……私なら、大丈夫よ」
唯は何一つ、悪いことなんてしてないんだから。
悪いのは、唯の気持ちを知っていたのに、たっちゃんのことを諦められなかった私だ。
唯もまだ来たばかりだったのか、それぞれが買ってきたものをテーブルの上に並べる。
最後に皆実が腰を下ろすと、まずは皆実の家にあったビールで、乾杯をした。
最初のうちは、それぞれが気を遣って、他愛もない話が続く。
それでも三人の共通の話題は、高校時代のことばかり。
いつ話が、たっちゃんのことになっても、不思議ではなかった。
ふと訪れた沈黙。
唯が飲み終わったビールのアルミ缶をクシャリと握り潰す。
「……あ、これでビール終わりなんだよね。美紀の買ってきてくれたワインでも開けようか?」
皆実が立ち上がってキッチンに行ってしまうと、私と唯の間には重い空気が流れた。
「……私、昨日、達矢の部屋に泊めてもらったの」
「そう、なんだ……」
「……驚かないんだね。もしかして、達矢から聞いてた?」
鋭い唯の視線に、堪らず頷く。
「……そっか。今同じ本社にいるんでしょう?」
「うん……」
「じゃあ、私たちがやり直すことも聞いた?」
「えっ……?」
顔を上げて唯を見つめたとき、キッチンからワインと三人分のグラスを持った皆実が、戻ってきた。
……やり直す?
今、確かにそう言ったよね?
答えの真意を知りたくて、唯の顔を見つめたけれど、二人でしていた会話はなかったかのように、全く違う話になる。
やっぱり、そういうことなの?
たっちゃんにやり直す気がなかったら、泊めたりしないよね?
たっちゃんの忘れられない人って、もしかして、唯のこと、なの?
◇◇◇◇◇
かなりの勢いで飲んでいた唯が、一番最初にテーブルに突っ伏した。
苦笑いしながら、皆実と一緒に唯のことをベッドに運ぶ。
なんとか唯をベッドに寝かせると、テーブルの上の残骸を二人で片付け始めた。
「……唯、昨日達矢くんのところに泊まったらしいよ」
「うん、聞いた……」
「そっか。それでかなり参っちゃってるの。やり直すつもりはないって、はっきり言われたって……」
「そう、なの? だってさっき唯、たっちゃんとやり直すって……」
後ろを振り返って、気持ち良さそうに眠る唯のことを見つめた。
同じように、洗い物をしていた皆実も手を止めて、唯の方を振り返る。
「……今だから言うけど、唯、ずっと悩んでたの。自分が達矢くんのことを諦めれば、美紀のことも達矢くんのことも苦しめなくて済むって……」
ズキンと、痛む胸。
自分だけが苦しいはずがない。
唯は私なんかよりもずっと苦しんでたはずだ。
「ねぇ、皆実。私、諦めた方がいいのかな?」
ただ好きでいたかった。
それだけの気持ちが、誰かをこんなにも苦しめてしまうなら。
皆実の手が、私の背中を優しくさすってくれた。
「……私はずっと二人を見てきたから、美紀が苦しんでたことも、唯が悩んでたことも知ってる。達矢くんだって、ずっと、」
「うん、」
「誰かを、傷つけない恋なんて、ないんじゃないのかな? みんなが幸せになれる恋なんてないんじゃないのかな?」
皆実の言葉が、ズシンと胸に重くのしかかる。
確かにそうかもしれない。
私なんかに比べれば、私とたっちゃんの二人に裏切られた唯の傷心は計り知れないから。
「……皆実、私もう、諦めようかな」
「美紀? ちょっと待って。私が言いたいのはそんなことじゃなくて、」
「ううん、もっと早く諦めるべきだったのよ」
もう、桜井美紀の片想いはおしまい。
「……美紀、」
まだ何か言いたそうな皆実に、「大丈夫」と頷いてみせると、皆実はそれ以上何も言わなかった。
◇◇◇◇◇
深夜近くなった道路は、平日のせいか静寂に包まれていて、いつの間にか降り出した雨音だけが、耳に留まる。
自然に溢れ出る涙も、この雨と一緒に消えてしまえばいいのに。
やっとたどり着いたマンションのエントランス。
そこに立つ人の姿を見て、思わず足を止めた。
「……来ちゃった。美紀ちゃん、あれから全然お店にきてくれなかったから……」
皆実に借りた傘の柄をぐっと握りしめる。
「もしかして、泣いてたのか?」
蓮佑さんに抱きしめられた。
こめられる蓮佑さんの腕の力に、抱きしめられて蓮佑さんのお店を飛び出してきた夜のことを思い出す。
「……達矢のことで、泣いているのか? 俺だったら、絶対美紀ちゃんのこと泣かせたりしないのに」
蓮佑さんの言葉が、心に染み渡るように入ってきた。
蓮佑さんのことを好きになった方が、きっと幸せになれる。
たっちゃんと、再会なんてしなければ……。
私も、唯だって、こんなに苦しい想いはしなかったのかもしれない。
「……蓮佑さん、私、」
顔をあげると、蓮佑さんの肩越しの少し先にたっちゃんが立っていた。
「たっちゃん……」
慌てて蓮佑さんから離れると、蓮佑さんも後ろを振り返る。
私にまっすぐ向けられていたたっちゃんの視線は、今度は蓮佑さんのことを見据えた。
「……美紀のこと、泣かせないで下さいよ、蓮佑さん」
「誰のせいで美紀ちゃんが泣いてると思ってんだよ」
鋭い視線でたっちゃんを睨みつけた蓮佑さん。
「……濡れるから、入ろう」
私の肩を抱き寄せて、エントランスの中へと誘った。
まだ後ろにたっちゃんが立っているような気がして、振り返ろうとすると、ちょうどやってきたエレベーターに強引に乗せられる。
扉が閉まる直前、まだ同じ場所に立っているたっちゃんが、視界の片隅に入ってきた。
蓮佑さんと二人きりのエレベーターは、重い空気が二人を包み込んで、すぐに到着してしまう。
私の肩を抱いたまま、エレベーターを降りた蓮佑さんは、玄関の前にたどり着くと、やっと解放してくれた。
「……達矢、さっきまで店で飲んでたんだ」
「え……? そうなの?」
「……女の子と、一緒だった」
女の子と一緒に?
唯は、さっきまで私たち一緒にいたわけだし……。
他に思い浮かんだ顔は、亜弥さんだけだった。
それとも、他に誰かいるの?
名前すらもわからない、たっちゃんの気になる女の子。
「……そう、なんだ」
力なく頷くと、自分の力で踏ん張って立っていることさえままならなくなる。
「……会社の女の子だと思うけど、確かアヤさん、とか言ってたかな?」
やっぱり亜弥さんなんだ。
たっちゃんは、亜弥さんになんて返事をしたんだろうか。
付き合うことにしたの?
きっと、亜弥さんのこと、家まで送っていったんだよね。
昨日は小野さんがいたからともかく、たっちゃんが女の子を一人で帰すことなんて、考えられないもん。
「……もしかしたら、ううんきっと……、たっちゃんは亜弥さんと付き合うんだと思う」
「え? どういうこと?」
「亜弥さん、たっちゃんのことが好きなのよ。
亜弥さん、いい人だから……きっとたっちゃんも、」
“いつか好きになる”
言おうとした言葉は、蓮佑さんの口づけに、溶かされて消えた。
すぐに離れた唇は、それ以上何も悲しい言葉を紡ぎ出せないように、また塞がれる。
私の肩に置かれた蓮佑さんの手が、少しだけ震えている気がした。
「……俺と、付き合おう? 俺なら……絶対美紀ちゃんのこと泣かせたりしない。達矢のことを想ったままでいいから、きちんと考えておいて?」
最後に私の頭をポンと撫でた蓮佑さんは、軽く手をあげると、エレベーターを待たずに、階段を駆け降りて行った。
ぽつんとマンションの廊下に残された私は、我に返って唇に触れる。
自然に溢れ出す涙。
こんな時までも、蓮佑さんではなくたっちゃんのことを思い出すなんて……。
皆実の部屋で、自分自身に誓ったじゃない。
この片想いはもう、終わりにしようって。
たっちゃんのことは、もう諦めようって。
真っ暗な部屋の中に入ると、電気をつける気力もおきなくて、その場に泣き崩れた。
たっちゃん、好きだよ。
再会なんて、しなければよかった。
◇◇◇◇◇
どんなに悩んでも、朝は必ずやってくる。
涙で腫れた目をタオルで冷やすために立ち上がった。
鏡を見て、思わず苦笑いする。
このままの顔では、とても会社に行けそうにはないほど、腫れ上がった目。
いくら泣いても、気持ちは梅雨空のようにどんよりだ。
梅雨が明けるように、いつか気持ちが晴れるときがくるんだろうか?
タオルで目を冷やしながら、スマホからTwitterのアイコンをタップする。
側にタオルを置いて、一晩中悩んだ想いを言葉に換えていった。
*******
自分の好きな人と、自分を好きでいてくれる人。
どちらを選べば、幸せになれますか?
誰も傷つけることのない恋なんて、ないかもしれない。
でも、誰かを傷つけるとわかっていて、それでも好きでいていいですか?
*******
ツイートボタンをタップすると、また目を冷やすためのタオルを手に取った。
誰かに答えを求めたいわけではなくて、すでに自分の中で、答えは導き出されていた。
それでも、どこかで何かを期待していたから最後の賭けをしたのかもしれない。
少しして届いた、たっちゃんからの返信。
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好きなだけでは、苦しいこともある。
愛されてるから、頑張れることもある。
俺なら……
こんな情けない自分を好きになってくれた人を、大切にしたい。
*******
そのメッセージを読んだ私は、胸の奥でカタカタと、何かが崩れ落ちる音が聞こえたような気がした。
まだ朝早すぎるかな?
それでも、やっとできた小さな決意が消えない前に、スマホから蓮佑さんのメモリーを呼び出す。
たっちゃんの顔を見てしまったら、きっと決意も鈍ってしまうから。
震える手で、蓮佑さんの声を待った。
第九話へ続く。
いつか自分の書いたものを、本にするのが夢です。その夢を叶えるために、サポートを循環したり、大切な人に会いに行く交通費にさせていただきます。