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洗濯機の「かんたんガイド」をレビューする

先日Panasonicのドラム式洗濯乾燥機を購入しました。洗濯機の買い替えは約8年ぶりで、ドラム式洗濯乾燥機は初めてです。今までずっと縦型洗濯機でした。我が家にとっては結構思い切った高級家電の購入でもあります。

洗濯機に付属している説明書類

施工説明書、CLUB Panasonicの案内(1枚のチラシ)、かんたんガイド、取扱説明書の4種類の印刷物が付いてきました。設置方法/接続などの詳細が載っている施工説明書だけ白黒です。メーカーが一押ししたいポイントと、ユーザーのニーズをぎゅっとつめたであろう「かんたんガイド」のレビューを書いてみたいと思います。

表紙

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かんたんガイドはじゃばら折りで2山4ぺージ、オールカラーの両面構成という薄いカタログのようなものです。「最初に操作するときに見るもの」「洗濯機の近くにおいて見返すもの」のどちらの用途もありそうな内容です。

まず最初に目に入ってくる「自動投入を使うと....洗剤や柔軟剤を量って入れる手間がなくなります。」のコピー。
「自動投入で毎日の洗濯が簡単に!」みたいな、ふわっとしたキャッチーな言葉を使うのではなく、この洗濯機のアピールしたい機能が堅実に表現されていて好印象でした。
「手間」というキーワードがいいです。便利になる、簡単になるとはなんなのか?毎日の家事の場合は、面倒でできるだけ簡略化効率化したいもの。無駄を省きたい。「洗剤を自動投入できて便利です。」よりも「手間がなくなります。」のほうが、メリットが明確で日ごろの感情にも合致するなと感じました。

洗濯機には「ボタン1つで乾燥まで自動」とか「さまざまな種類の洗濯がおうちでできる」とか、「節水・節約」「ふんわり仕上がり」「静か」「洗浄力」「お手入れ簡単」など、私が思いつくだけでもいくらでも良さがあります。その中で選び抜かれた「洗剤の自動投入」。
毎日の洗濯は避けられないし、それを少しでも楽にするにはボタン1つで乾燥まで仕上げてくれることも大きいですが、今やドラム式では当たり前になった機能とも言えます。「洗剤を毎回量るのが手間だ」というピンポイントの動作に絞って「自動投入」をメインで持ってきたのかな、と想像しました。
自動投入の良さを表す際にも、かんたん、らくらく、というキャッチーな柔らかい言葉ではなく「これをすると、手間がなくなる」という「ユーザーが面倒だと感じていることを明確に省く」意志が伝わってきます。よく練られた言葉です。

表紙のすばらしさはまだあります。写真で1234と数字をつけて洗剤の自動投入口も差し示していること。コピーとこの写真、そして右側には超簡易手順付き。今までにもドラム式洗濯乾燥機を使ったユーザーなら、この表紙だけで基本的な操作はわかるでしょう。「メリットと基本操作をずばり伝え、わかっている人に何ぺージも読ませるような無駄な労力をかけない」という姿勢が表紙から伝わってきます。

また昨今の「文字を読むのは面倒」というユーザーにも配慮し、表紙にQRコードを置いて携帯の動画で見たい人にもわかりやすく配慮しています。

そして写真が光っちゃってますが・・・表紙右下には、「■手動投入の場合は 洗剤を入れる(P4)」と、さりげないながらも大きめの文字できちんと「自動投入を使いたくない人」への誘導も入っています。自動投入?そんなのまずはいいから、という人は「P4」へすぐ飛んでもらいたい。「読みたくない人に読ませない」というのは、とても大事なことで、こういう細かい点でメーカーの親切さが見えてきます。
「洗剤を入れる」という説明も当たり前の一文なのですが、その当たり前のことを「わかるでしょ」と思ってはしょるのではなく、選択肢としてきちんと提示しておくことが説明書全体の安心感につながるのです。

メーカーとしてアピールしたい内容&ターゲットを明確にしながらも、それ以外のユーザーも考慮していること、最も基本的な操作が表紙だけで明確に書かれてあること、かつ読みやすいこと。密度の濃い表紙ですばらしいです。

自動投入を使うとき

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表紙をめくると、最初のコピーから繋がる「自動投入を使うとき」の説明が始まります。
「初めて自動投入を使うときや、洗剤や柔軟剤の種類を変えるときは、次の設定が必要です。」
これもよく寝られた文章だなあと思いました。「自動投入の使いかた」という見出しではなく「自動投入を使うとき」という見出しにしているのも、このリード文を読むと納得します。見出しからつながるリード文なんですね。とても自然で流れるように読めます。
ユーザーがこの行動をするときに、どう操作するか。という流れで書かれてあります。表紙のコピーもそうですが、洗剤だけではなく柔軟剤もセットで書いているところに、短い言葉の中で疑問を省く丁寧さが感じられて好きです。リード文の下に「●お買い上げ時は、自動投入しない設定です。」など3つの補足文が書かれており、自動投入を設定した人が最も疑問に感じそうなポイントが3つの補足文に含まれていて、わかりやすいです。

表紙だけではなく、この自動投入ページにも動画のQRコードがあるのが親切です。表紙はさっと流しても、この段階になったら動画を見たい、という人も多そうです。
限られたスペースに載せる手順の書き方、構成、図示と文字量のバランスも、とても読みやすくわかりやすかったです。

基本のお手入れ

かんたんガイドはこの後、「洗剤・柔軟剤の入れ方」で表面が終わり、裏面は「基本のお手入れ」「仕上がりを良くするポイント」「洗剤・柔軟剤の目安(手動投入のとき)」という構成になっています。

「基本のお手入れ」は写真付きで手順が細かく説明されています。正直まだ読み込めていません。「このガイドを洗濯機の横において、掃除したいときに見直そう」と思っています。そういう用途としてちょうどいい丁寧さと薄さなんです。洗濯機のお手入れ方法は機種ごとに違うと思うので今までの他機種の知識はそのまま流用できず、細かい説明が求められます。また「お手入れしたい」と思って読む人には、読みやすい大きな文字でのスカスカ説明より、詳細で正確なことが求められると思います。ちゃんと綺麗にしたいですからね。人は「必要な文章は長くても読む」のです。お手入れページにも動画のQRコード付き。コストかけて作っているなあ!

仕上がりを良くするポイント

「仕上がりを良くするポイント」は、ITソフトでいう「活用ガイド」的なものでしょうか。さらに使いこなしたい人が能動的に読むページと言えます。「乾燥を上手にするには・・・」「黒ずみや色移りが気になるときは・・・」「タオルなどゴワゴワ感が気になるときは・・・」と3つの仕上がりポイントに絞って説明しているのがわかりやすく好印象でした。どれも「あるある」な欲求です。よくユーザーニーズを理解しています。

最後は「手動投入」

そして自動投入がアピールであるこの洗濯機に、最後は「手動投入」の洗剤量の目安についても触れられていて、親切だと思いました。取扱説明書を読むとドライマークの洗濯物などは自動投入が使えず洗剤を手動投入しなければいけないのですが、このかんたんガイドがあれば都度説明書を開かなくても洗剤量の目安がわかって便利です。
また、「自動投入と手動投入のどちらかを選べます。」とガイドの最初に提示せずに、あくまで自動投入推し、でも今までのように手動投入もできるよ!という強弱のつけ方や構成が説明書全体にメリハリを生み、わかりやすくしています。

さすがPanasonicでした。説明書へのコストのかけ方が違います。59ページある取扱説明書もメーカーの心意気と一押しポイントが明確で、強弱のつけ方と構成がとてもよいので、またそのうちレビューしてみたいと思っています。

最後に。
「かんたんガイド」と取扱説明書に好印象を持つのは、前提にある「製品への期待」「すばらしい洗濯機なんだろう」という製品そのものへの期待値の高さも大きいです。まずは製品、機能がよくないとね。
購入して1週間以上たちましたが、とても快適に使っています◎

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