ツラツラ小説。 偉い。



偉いと幸せは比例しない。そのことに気づいたのは先日のクリスマスだ。偉いというのは正しいことをすること。我慢をする、わがままを言わない、のような。宮沢賢治のアメニモマケズのような人間のことを言うだろう。しかし、現実はどうだろう。誰かを騙して幸せを得る。真面目よりも不真面目な方が面白みがある。偉いけど、、可愛くはないよね。って言われるのだ。は?って思う。偉いことを、良いことをしてるのに、なぜ幸せを掴めないのだろうか。そんなことを考えながら街を歩く。街ではギャーギャー騒ぐ大学生達が道を占領し歩いていた。周りから見れば迷惑なのは一目瞭然だが、本人たちは、幸せそうだ。迷惑をかけてるけど幸せそうだ。羨ましいって思ってしまった。周りの迷惑を気づかないことは。

「そう、それでさ、そいつらが邪魔でさ、何か言ってやろうかと思ったけどやめたんだ。だって、空気悪くなるし、何されるかわかんないしさ、でもつくづく思うんだ。そんな幸せは正解ではないんだよって。それに本人たちも気づくと思うんだ。でもそれに昔から気づいてた僕たちはその幸せを知らないもんね。それってどこか寂しくてさ。真面目に偉く生きてたつもりだけど、仕事は平等に大変だし、お金もないし、今はお前と会うくらいしか楽しみがないよ」

って、クリスマスの夜。ほとんど人のいない町外れの居酒屋で仲の良い男友達と話してる今。酒を飲むことは偉いことではないと思うけど、そんな他愛もない話ができることが幸せだ。ほらね。偉いと幸せは比例しないんだ。

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