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ツラツラ小説。 夜風。
ツラツラ小説。 夜風。
風が吹いたら信号は赤に変わり、
立ち止まる女性はテレビに映し出されている。私が誰かわかりますか?いや、わかるはずがないです。夜を感じる歌を鼻歌で歌いながらこの時間が少しエモいなって感じに歩く。市電が発車しネオンは光り続ける。
息が白い。また、冬なのか。
黄色い線の内側にお乗りください
黄色い線の内側にお乗りください
黄色い線の内側にお乗りください
黄色い線の内側にお乗りください
黄色い線の内側にお乗りください
黄色い線の内側にお乗りください
私はエスカレーターの下で動かずこの声を聞いていた。ずっと変わらないトーンで私たちに注意を促してくれている。そのことに何故か感動を覚えていた。人間には出来ない。きっとその声が、ありがとう、でもごめんなさい、でもずっと言い続けることができる。
嫌なことがあったから、夜を歩くことにしている今。きっと何事もなく明日が来て私はまた仕事に行く。昨日あった嫌なことを抱えて忘れるわけもなくただそのまま仕事に行く。それが常日頃、繰り返されているものであり、気にしていては明日が来ない。周りから聞こえる喧騒。それが心地いいのだ。うるさい洋楽が流れこんなに暗いのに眠ることを忘れた街。きっと多くの嫌なことを隠してこの街は不眠症になっている。
人間は耳を塞ぎ、目を閉じることができる。
明日を迎えるため、私は公園で目を閉じた。
翌日、財布もなくスマホの充電も少なく、カバンは開けられていた。それがどこかどうしようもなく現実を表していて、私は表舞台から姿を消した。
はーるがきーたー
はーるがきーたー
どーこーにーーきたーー
やーまにきーたー
さーとにきーたー
のーにーもーきたーー。
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